【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、ウクライナ情勢や円安進行の影響を含めた輸入資源・原材料等の価格高騰、国内外におけるサプライチェーン寸断、欧米及び中国の景気減速懸念等の複合的な要因が相俟って、先行きが不透明な状況が続いた。線材加工製品業界においては、鋲螺線材製品の需要が堅調に推移する一方で、普通線材製品の需要低迷が継続した。特殊線材製品については、主力の自動車向けで完成車メーカーの生産回復の遅れにより減少を余儀なくされた。また、コスト面では、鉄鋼原料市況及び非鉄・原油相場等の高騰を背景に、主副原料及びエネルギー等の価格が大幅に上昇し、これらの調達コスト増を製品価格に適切に転嫁することが収益を確保する上で不可欠となっている。このような状況の中、当社グループは、主副原料及びエネルギー等のコスト上昇を踏まえた販価への転嫁、鋲螺線材製品の販売数量拡大、変動費・固定費両面でのコスト低減対策等を積極的に推進した結果、財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
a.財政状態 (資産の部)当第2四半期連結会計期間末の総資産は68,852百万円となり、前連結会計年度末に比べ373百万円の減少となった。流動資産は37,480百万円となり、前連結会計年度末に比べ637百万円の増加となった。これは主に現金及び預金の増加によるものである。固定資産は31,371百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,010百万円の減少となった。これは主に投資有価証券の減少によるものである。
(負債の部)当第2四半期連結会計期間末の負債合計は18,823百万円となり、前連結会計年度末に比べ742百万円の減少となった。流動負債は11,921百万円となり、前連結会計年度末に比べ363百万円の減少となった。これは主に電子記録債務の減少によるものである。固定負債は6,902百万円となり、前連結会計年度末に比べ379百万円の減少となった。これは主に長期借入金の減少によるものである。
(純資産の部)当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は50,028百万円となり、前連結会計年度末に比べ369百万円の増加となった。この結果、自己資本比率は68.0%となった。
b.経営成績当第2四半期連結累計期間の売上高は、販価改善並びに鋲螺線材製品の販売数量拡大等により、16,069百万円と前年同期に比べ1,303百万円(8.8%)の増収となった。しかしながら利益面においては、普通線材製品及び特殊線材製品の販売数量の大幅な減少等により、営業利益は711百万円と前年同期に比べ298百万円(△29.6%)の減益、経常利益は1,089百万円と前年同期に比べ191百万円(△15.0%)の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は640百万円と前年同期に比べ190百万円(△22.9%)の減益となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。 また、セグメント利益は、営業利益ベースの数値である。
普通線材製品普通線材を素材とした各種めっき鉄線、また、めっき鉄線を素線とした加工製品からなり、公共土木向けのかご、落石防護網及び民間向けの各種フェンス等に使用されている。 売上高は、主副原料及びエネルギー等のコスト上昇を踏まえた販価改善の一方で、販売数量が減少した影響により、4,167百万円と前年同期に比べ26百万円(△0.6%)の減収となった。 セグメント利益は、主副原料・エネルギーコストの上昇及び販売数量の減少等の減益要因が、販価改善及びコスト低減等の増益要因を上回ったことにより、39百万円と前年同期に比べ422百万円(△91.5%)の減益となった。
特殊線材製品特殊線材を素材とした硬鋼線、各種めっき鋼線、鋼平線、鋼より線、ワイヤロープ等からなり、自動車向け、電力通信向け及び公共土木向け等、多岐に渡って使用されている。 売上高は、自動車向け等の販売数量が減少した一方で、主副原料及びエネルギー等のコスト上昇を踏まえた販価改善により、8,143百万円と前年同期に比べ697百万円(9.4%)の増収となった。 セグメント利益は、主副原料・エネルギーコストの上昇及び販売数量の減少等の減益要因が、販価改善及びコスト低減等の増益要因を上回ったことにより、140百万円と前年同期に比べ3百万円(△2.7%)の減益となった。
鋲螺線材製品鋲螺線材を素材としたトルシア形高力ボルト、六角高力ボルト及びGNボルト等からなり、主として建築向けに使用されている。 売上高は、販売数量の拡大並びに主副原料及びエネルギー等のコスト上昇を踏まえた販価改善により、3,402百万円と前年同期に比べ643百万円(23.3%)の増収となった。 セグメント利益は、販売数量の拡大及び販価改善等の増益要因が、主副原料・エネルギーコストの上昇等の減益要因を上回ったことにより、481百万円と前年同期に比べ129百万円(36.9%)の増益となった。
不動産賃貸主に賃貸用不動産を所有・経営している。 売上高は、82百万円と前年同期とほぼ同額となり、セグメント利益は53百万円と前年同期に比べ2百万円(5.1%)の増益となった。
その他めっき受託加工及び副産物の売上高は、313百万円と前年同期に比べ29百万円(10.6%)の増収となったものの、セグメント損失は3百万円と前年同期に比べ4百万円(前年同期は1百万円の利益)の減益となった。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、10,113百万円となり、前連結会計年度末に比べ980百万円(△8.8%)の減少となった。なお、当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、599百万円(前期に営業活動の結果得られた資金は、888百万円)となった。これは主に、売上債権の増加額の増加、法人税等の支払額の増加、棚卸資産の増加額の増加、税金等調整前四半期純利益の減少、その他流動負債の増減額の減少への転換が未払消費税等の増減額の増加への転換を上回ったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、24百万円となり、前年同四半期に比べ594百万円(△96.1%)の減少となった。これは主に、投資有価証券の売却による収入の増加、投資有価証券の取得による支出の減少が有形固定資産の取得による支出の増加、有価証券の売却による収入の減少を上回ったことによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、369百万円となり、前年同四半期に比べ106百万円(40.2%)の増加となった。これは主に、長期借入れによる収入の減少、短期借入金の純増減額の減少、配当金の支払額の増加が長期借入金返済による支出の減少を上回ったことによるものである。
(3) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は23百万円である。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。