【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により外出機会が増加しているほか、インバウンド需要が回復していることから、サービス業を中心に持ち直しの傾向となりました。鉱工業生産も緩やかに持ち直していますが、原材料価格やエネルギー価格、人件費等の上昇により住宅着工件数は減少し、省人化・省力化の設備投資にも慎重な動きが見られます。
海外経済は、高い金利の中で景気動向が不透明な状況が続いております。米国では、インフレ率はやや低下したものの、依然として高水準を維持しております。一方でGDP成長率は鈍化がみられ、住宅投資は減少傾向に、設備投資も横ばいとなり、景気の減速が明らかになりました。中国では、コロナ後の景気回復が想定通りに進まず、GDP成長率が下方修正されました。米中の緊張も継続しており、景気は停滞しております。
このような経済状況にあって、工作機械受注は内需で減少となり4-6月は前年同期比25.4%減、外需では同15.9%減となりました。また、鉱工業生産指数には緩やかな持ち直しの動きがみられ、4-6月は同0.9%増となりました。建設関連では、建築着工床面積が4-6月は同11.1%減、新築住宅戸数が4-6月は4.7%減となりました。
当社グループは、「感動提案で今を拓き、変化の先まで伴走する。」を日々果たすべき使命とし、10年後のありたい姿から遡って2026年度までの中期経営計画「UNISOL」を策定しております。2023年度は、1stステージの2年目であり、基盤構築を行い、成長軌道へ回帰する年としております。統合シナジーの早期具現化やプラットフォームの充実、戦略分野への注力を行ってまいります。
4月には、当社グループ会社と株式会社マツハシ冷熱による合弁会社設立を開示いたしました。エムタス・レフ株式会社を設立し、CO2冷凍機の輸入販売事業に本格参入いたします。ゼロカーボンの潮流をふまえ、環境問題の解消にも積極的に取り組んでまいります。なお、エムタス・レフ株式会社は、非連結子会社となります 。
また、7月には当社グループ会社によるナブテスコ株式会社の完全子会社であるティーエス プレシジョン株式会社の子会社化を開示いたしました。当社グループが目指す「商社機能とメーカー機能を一体化したエンジニアリングチェーン」の構築、及び中長期戦略としてのEV関連分野への展開を進める上で同社は重要な役割を果たすものと判断いたしました。
a.財政状態
(総資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,410百万円減少し、120,504百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金の増加1,285百万円、受取手形及び売掛金の減少2,185百万円、商品及び製品の減少393百万円、その他流動資産の減少3,371百万円等により流動資産が4,317百万円減少したことによります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ2,686百万円減少し、48,089百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金の減少779百万円、短期借入金の増加647百万円、契約負債の減少2,044百万円等により流動負債が2,955百万円減少したことによります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ276百万円増加し、72,415百万円となりました。この主な要因は、剰余金の配当により2,632百万円減少、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により2,598百万円増加したこと等によります。
b.経営成績
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は85,159百万円と前年同期比8,248百万円増(10.7%増)となりました。損益面では、原材料価格やエネルギー価格等の高騰があったことに加え、営業活動再開に伴う販管費の増加の影響もありましたが、増収効果により、営業利益は3,186百万円と前年同期比425百万円増(15.4%増)となりました。また、経常利益は3,631百万円と前年同期比319百万円増(9.7%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、当社グループ会社の社屋移転に伴う固定資産の売却益があり、2,598百万円と前年同期比414百万円増(19.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(機械・工具セグメント)
国内の製造業は、大企業ではAI、IoT、環境分野への投資意欲が高くなっております。自動車メーカーなどでは、半導体不足が落ち着きつつあり、生産台数が計画通りに推移しております。設備投資に関しては、電気自動車関係が中心となっており、電池・モーターを中心に投資を行っております。中小企業では省人化・省力化への投資意欲は高い状況となっていますが、先行きの不透明感から設備投資には慎重さが見られます。一方で、工場の稼働率は高いため、機器工具や消耗品は堅調となっております。半導体関連業界は落ち着いた状況となりましたが、2024年には国内での増産が予定されており、投資のタイミングをうかがっております。
海外の北米では、コロナ禍での買い控えから解放されたことや部品問題が緩和されたことにより自動車業界は堅調となりました。ただし、インフレ率は低下傾向にあるものの高水準であり、GDP成長率も鈍化していることから、減速傾向が明らかになってきました。射出成形機の受注も減少傾向となっております。
中国では、ゼロコロナ政策の解除で大きく持ち直すと期待されていたものの、期待通りの回復には至っておりません。一時的に日系の自動車メーカーに増産指示があったものの、販売低迷により市場在庫が増えた形となりました。主要な輸出先である欧米の先行きが不透明なこともあり、投資も見送られている状況であります。
以上の結果、売上高は58,326百万円と前年同期比6,944百万円増(13.5%増)となり、営業利益は2,236百万円と前年同期比669百万円増(42.8%増)となりました。
(建設資材セグメント)
国内の建設需要は、大規模再開発、物流施設などの需要は堅調となっていますが、中小規模の物件では停滞が目立ってきました。物件数の減少に伴い大型の物件に引合が集中し、販売価格の競争が激化しております。また、住宅設備に関しては、コロナ禍からの反動により、娯楽などが優先される形となり、引合は減少傾向となりました。
以上の結果、売上高は22,130百万円と前年同期比2,024百万円増(10.1%増)となり、営業利益は1,007百万円と前年同期比69百万円減(6.5%減)となりました。
(建設機械セグメント)
国内の建設機械は、公共投資や民間の大型再開発、工場・倉庫建設が堅調に推移したことから堅調となりました。機種別では、油圧ショベル、ミニショベルが好調であり、当社グループが主に扱う建設用クレーン、基礎建機は微増となりました。市場は堅調でしたが、エンジン・鋼材問題及び機械トラブル等による納期問題により、影響を受けました。
その結果、売上高は3,248百万円と前年同期比909百万円減(21.9%減)となり、営業損失は9百万円と前年同期比57百万円減(前年同期は、営業利益47百万円)となりました。
(IoTソリューションセグメント)
国内のIPカメラ単体の価格は下落傾向にあり、機器単体では事業の展開が難しい状況となりました。一方で、防犯以外の用途における、AIカメラを用いた顧客分析やマーケティングなどは、カメラの活用が増加傾向にあります。行動制限の緩和により先延ばしとなっていた案件が動き出すなど、工事を伴う設備投資需要は回復傾向がみられます。競争の激化により、利益の確保が難しい局面が続いておりますが、ソリューション提案を行うことによって他社との差別化をすすめています。
その結果、売上高は1,454百万円と前年同期比188百万円増(14.9%増)、営業利益は19百万円と前年同期比59百万円増(前年同期は、営業損失39百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、25,643百万円で、前連結会計年度と比較して1,510百万円の増加となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果得られた資金は、4,880百万円となりました。この主な要因は、税金等調整前四半期純利益3,870百万円、売上債権の増加450百万円、棚卸資産の減少271百万円、仕入債務の増加2,337百万円、法人税等の支払額1,360百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、1,262百万円となりました。この主な要因は、定期預金の預入による支出404百万円、定期預金の払戻による収入627百万円、有形固定資産の取得による支出1,440百万円、有形固定資産の売却による収入487百万円、貸付けによる支出502百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は、2,006百万円となりました。この主な要因は、
借入金の増加額648百万円、配当金の支払額2,623百万円等によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は0百万円であり、セグメント上は全額IoTソリューションセグメントに係るものであります。
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