【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、アフターコロナの流れの中、社会活動全体の活発化が見られ、個人消費、設備投資、雇用情勢などは持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ軍事侵攻の長期化や円安の常態化、物価及び資源価格の高騰、中国経済の先行き懸念など、景気の下振れリスクは引き続き顕在化しており、予断を許さない状況が継続しております。
当社製品の主な供給先である建設業界におきましては、国土交通省「建設総合統計」によると、2023年4月から8月の建設投資総額は前年同期比3.5%増の21.9兆円と安定した水準であった一方、建設資材の高騰や人手不足が継続していることを背景に、同「建築物着工統計」によると、同期間における住居・非住居合計の着工戸数は371,876棟(前年同期比6.2%減)、着工床面積は44,040千平米(前年同期比13.5%減)と、厳しい状況が見られました。他方、異常気象が激甚化・頻発化する中で、災害に強い国づくりに向けた国土強靭化の動きは、継続的・安定的かつ強力に推進されることが政府方針として示されております。加えて、都市部での大規模再開発案件は、依然として向こう数年にわたって継続することが見込まれております。
このような環境下で、主にくさび緊結式足場の顧客である足場施工会社では、安全措置資材に対しては引き続き高い需要はありつつも、全体としてはレンタルで調達する動きが継続したほか、工事の着工延期・遅延などの状況もみられました。また、前第2四半期連結累計期間における仮設資材の出荷は、販売価格の改定時期が重なったため集中的に購買する動きがありましたが、当期同期間においては、販売のみならずレンタルも含めた提案を推進し、9月以降においては、徐々に引き合いは回復傾向が見られたものの、出荷量は減少いたしました。一方、当社は超高層ビルでの足場施工に優れた「連層足場」を市場に投入し、施工実績を積み重ねているほか、大手橋梁工事会社及び大手仮設リース会社との協働により、システム吊り足場「ラピッドフロア™」を共同開発し、市場へ投入すべく準備を進めるなど、今後の中長期的な製品需要と国土強靭化の施策に沿った新製品の拡販に向けた準備を着実に進めてまいりました。物流機器部門においては、経済及び企業活動の回復基調が継続する中、業界によって輸送用機器の需要量、需要時期に濃淡が生じております。前期は高水準の需要だった液体搬送用バルクコンテナケージは、市場需要がいったん落ち着き、出荷量は減少いたしました。また、前第2四半期連結累計期間にはスポット的な大型案件として電気機器向け資材運送用パレット等の出荷がありましたが、当期同期間には同様の案件がなく、結果として物流機器部門の売上収益は減少しました。しかしながら、大型物流倉庫案件は着実に受注・施工が進むなど、堅調に推移しました。コスト面では、引き続きその抑制には努めておりますが、協力会社との持続的な協調関係、今後の供給回復に向けた生産体制を維持すべく、協力会社におけるコスト上昇を受けた取引価格の改定協力要請に対して、誠実に応えてまいりました。また販売費及び一般管理費においては、製品出荷量の減少により発送配達費が大きく減少したため、総額としては減少しているものの、今後も活力ある組織であり続けるための人的資本への投資・還元の拡充を行ったほか、株主還元の一環としての株主優待制度導入費用が発生いたしました。これらにより、営業利益率は7.9%(前年同期比4.6ポイント下落)となりました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上収益は6,621百万円(前年同期比25.7%減)、営業利益は520百万円(前年同期比53.2%減)、税引前四半期利益は496百万円(前年同期比53.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は339百万円(前年同期比54.3%減)となりました。
なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、以下では各部門の売上収益について記述しております。
① 仮設資材部門仮設資材部門においては、前第3四半期から続く資材価格の高止まり、製品価格の高騰により、仮設資材をレンタルで調達する流れが続いております。また、建設従事者の人手不足などにより工事着工が延期・遅延するなどの状況も生じております。これらにより、安全措置資材に対しては引き続き高い需要はあるものの、主にくさび緊結式足場の顧客においては、資材調達を先送りにするケースが見られております。また、前期の一時的な要因として、前第2四半期連結累計期間には価格改定前の集中的な購買の動きがあったことから、前年同期比で販売量は減少しました。一方で、次世代足場については、枠組足場からの入れ替えや将来的な工事増を見越した案件などを着実に獲得し、売上が増加しました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における仮設資材部門の売上収益は、4,834百万円(前年同期比21.6%減)となりました。
② 物流機器部門物流機器部門においては、各種産業における生産活動の活発化が見られたことを背景に、大型物流倉庫などリピート案件を中心に安定した受注は見られましたが、液体搬送用バルクコンテナケージの受注量が減少したこと、及び前年においてスポット的に発生した電気機器向け資材運送用パレット等の売上が減少いたしました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における物流機器部門の売上収益は1,787百万円(前年同期比34.8%減)となりました。
(単位:千円)
製品及びサービスの名称
前第2四半期連結累計期間(自 2022年4月1日至 2022年9月30日)
当第2四半期連結累計期間(自 2023年4月1日至 2023年9月30日)
仮設資材
くさび緊結式足場
3,883,619
2,465,675
次世代足場
880,463
974,016
その他の仮設資材
1,401,210
1,394,560
(小計)
6,165,293
4,834,252
物流機器
パレット
2,743,828
1,787,628
(小計)
2,743,828
1,787,628
合計
8,909,122
6,621,880
(注) その他の仮設資材及びパレットには、IFRS第16号に基づくリースから生じる売上収益が前第2四半期連結累計期間は263,269千円、当第2四半期連結累計期間は206,134千円が含まれております。
(2) 財政状態の分析(資産)当第2四半期連結会計期間末の流動資産は8,023百万円となり、前連結会計年度末に比べ61百万円増加しました。この主な要因は、営業債権及びその他の債権が763百万円増加、現金及び現金同等物が346百万円増加した一方、棚卸資産が1,037百万円減少したためであります。また、非流動資産は13,275百万円となり、前連結会計年度末に比べ57百万円減少しました。この主な要因は、有形固定資産が42百万円減少したためであります。この結果、資産合計は21,298百万円となり、前連結会計年度末に比べ4百万円増加しました。
(負債)当第2四半期連結会計期間末の流動負債は5,362百万円となり、前連結会計年度末に比べ121百万円増加しました。この主な要因は、営業債務及びその他の債務が135百万円増加したためであります。また、非流動負債は473百万円となり、前連結会計年度末に比べ27百万円減少しました。この結果、負債合計は5,836百万円となり、前連結会計年度末に比べ94百万円増加しました。(資本)当第2四半期連結会計期間末の資本合計は15,462百万円となり、前連結会計年度末に比べ90百万円減少しました。この主な要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上339百万円、配当の実施445百万円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ346百万円増加し2,409百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において営業活動により獲得した資金は1,316百万円(前年同四半期は473百万円の支出)となりました。主な収入要因は、棚卸資産の減少1,037百万円、税引前四半期利益496百万円、減価償却費及び償却費279百万円であり、主な支出要因は、営業債権及びその他の債権の増加776百万円、法人所得税の支払額122百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において投資活動により使用した資金は226百万円となり、前年同四半期と比べ265百万円減少しました。主な支出要因は、有形固定資産の取得による支出229百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間において財務活動により使用した資金は745百万円となり、前年同四半期と比べ119百万円増加しました。主な支出要因は、配当金の支出444百万円、長期借入金の返済による支出250百万円であります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画に著しい変更はありません。