【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態の状況
(単位:百万円)
2022年3月期
2023年3月期
総資産
7,222
7,868
純資産
4,874
5,625
自己資本比率
67.5%
71.5%
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末より645百万円増加して7,868百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末より788百万円増加して5,401百万円となりました。これは主として売上の入金などにより現金及び預金が788百万円増加したことによります。固定資産は、前連結会計年度末より141百万円減少して2,465百万円となりました。これは主としてソフトウエアが97百万円、繰延税金資産が16百万円、のれんが12百万円それぞれ減少したことによります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末より105百万円減少して2,243百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末より80百万円減少して1,705百万円となりました。これは主として買掛金が96百万円減少したことによります。固定負債は、前連結会計年度末より24百万円減少して538百万円となりました。これは主としてリース債務が13百万円、契約負債が12百万円それぞれ減少したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より750百万円増加して5,625百万円となりました。
これは主として前連結会計年度末より利益剰余金が725百万円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の67.5%から71.5%となりました。
②経営成績の状況
売上高
(百万円)
営業利益
及び営業利益率
(百万円、%)
経常利益
(百万円)
親会社株主に帰属する
当期純利益
(百万円)
1株当たり
当期純利益金額
(円)
2023年3月期
6,167
1,053(17.1)
1,065
725
90.40
2022年3月期
5,731
868(15.2)
872
530
66.74
増減率(%)
7.6
21.3
22.1
36.8
35.5
当社グループは、さまざまなモノがインターネットに繋がり、あらゆるプロセスがデジタル化される社会において「ヒト」「モノ」「コト」の正当性、完全性、真正性などを証明し、デジタル社会の信頼を支えるトラストサービス事業を推進しております。
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和されつつあるものの、ロシア・ウクライナ情勢、世界的な金融引締め等を背景とした物価上昇や為替相場の変動等から先行きが不透明な状況が継続しております。
当社を取り巻く環境は、テレワークの定着、脱ハンコ、オンライン化、非対面化など新たな生活様式への対応に関するDX推進の流れが加速しております。
このような環境の下、認証・セキュリティサービスではDX市場の拡大によるセキュリティニーズを捉え、(1)デバイス証明書管理サービス「デバイスID」では企業向けのクラウド認証サービス・リモートアクセスを展開する各パートナー、(2)電子認証サービス「iTrust」では金融機関向けにeKYCサービスや電子契約サービスを展開する各パートナー、(3)SSL/TLSサーバー証明書「SureServer」の各パートナーとの取引増加により伸長した結果、売上高は3,543百万円(前期比5.5%増)となりました。
Linux/OSSサービスでは、企業向けLinuxサポートLinux OS「MIRACLE LINUX」に大型の既存顧客の一部契約の見直し(縮小)があった一方で、前期CentOS延長サポート駆け込み需要の解約を上回るLinuxサポート新規案件獲得が継続した結果、売上高は1,447百万円(前期比1.7%減)となりました。
IoTサービスでは、前期に半導体供給不足の影響を受けた案件が戻り車載機器・産業機器・農業機械・業務用プリンタなどの「EMLinux」ベースの製品実装に向けた受託開発案件、車載機器などのセキュリティコンサル案件の獲得、子会社のリネオソリューションズ株式会社で組込み受託開発が大きく伸長した結果、売上高は1,176百万円(前期比30.8%増)となりました。
なお、当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
以上の結果、売上高は6,167百万円(前期比7.6%増)、人員増加に伴う人件費の増加、無形・有形固定資産取得に伴う償却費の増加により費用全体は増加傾向にありますが、売上高が堅調に推移したことによる結果、営業利益1,053百万円(同21.3%増)、持分法による投資利益等の営業外収益により経常利益1,065百万円(同22.1%増)、税効果会計の影響により親会社株主に帰属する当期純利益725百万円(同36.8%増)となりました。
<主なサービス内容>
・認証・セキュリティサービス
SSL/TLSサーバー証明書「SureServer」、デバイス証明書管理サービス「デバイスID」等のクライアント証明書、電子的本人確認や電子署名などの電子認証サービス「iTrust」、ウェブセキュリティサービス、脆弱性診断サービス等を提供しています。
・Linux/OSSサービス
Linux OS「MIRACLE LINUX」や統合システム監視ソリューション「MIRACLE ZBX」、バックアップソフトやカーネル技術を活かしたLinuxソリューションなど、オープンソースソフトウエアに関わるサービスを提供しています。
・IoTサービス
組込みLinuxと電子認証の技術を融合し、機器の開発、製造段階から脆弱性の低減や脅威への対策を考慮して長期の運用とセキュリティを実装する仕組みや、更新ソフトウエアが安全に配信される仕組みなど、IoTデバイスの安全・安心な利用を実現するための開発支援サービスとして、長期利用可能な IoT・組込み用Linux
OS「EMLinux」、認証基盤「Secure IoT Platform」などを提供しています。連結子会社のリネオソリューションズ社はLinuxを中心とした組込み/IoT向け受託開発、及び高速起動製品「LINEOWarp!!」、開発環境サービス等の販売を行っております。
<取引形態>
・ライセンス
主に自社の製品(Linux/OSS製品など)を提供
・プロフェッショナルサービス
製品のカスタマイズや導入支援、セキュリティコンサルティングなどを提供
・リカーリングサービス(契約が更新されることで継続した収益が見込まれるもの)
電子認証サービスや自社製品のサポートサービスなどを提供
なお、各サービスにおける取引形態別の売上高は下表のとおりです。
(単位:百万円)
サービス
取引形態
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
増減率
(%)
認証・セキュリティ
サービス
ライセンス
203
155
△47
△23.6
プロフェッショナルサービス
567
448
△118
△20.9
リカーリングサービス
2,588
2,939
350
13.5
小計
3,359
3,543
184
5.5
Linux/OSSサービス
ライセンス
334
336
2
0.8
プロフェッショナルサービス
164
124
△40
△24.3
リカーリングサービス
973
985
12
1.2
小計
1,472
1,447
△25
△1.7
IoTサービス
ライセンス
108
115
7
6.6
プロフェッショナルサービス
752
981
228
30.4
リカーリングサービス
38
80
41
107.9
小計
899
1,176
277
30.8
売上合計
5,731
6,167
436
7.6
全社
ライセンス
645
607
△38
△5.9
プロフェッショナルサービス
1,485
1,555
70
4.7
リカーリングサービス
3,600
4,005
404
11.2
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より788百万円増加して4,345百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
2023年3月期
(参考)
2022年3月期
営業活動によるキャッシュ・フロー
1,213
1,604
投資活動によるキャッシュ・フロー
△434
△477
財務活動によるキャッシュ・フロー
6
486
現金及び現金同等物の期末残高
4,345
3,556
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は1,213百万円となりました。主として、税金等調整前当期純利益が1,065百万円あったことに加え、減価償却費が556百万円発生し、法人税等の支払額が232百万円生じたことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は434百万円となりました。主として、有形固定資産の取得による支出101百万円、自社開発ソフトウエアなどの無形固定資産の取得による支出339百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は6百万円となりました。主として、株式の発行による収入24百万円、リース債務の返済による支出17百万円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの生産は、完成後ただちに顧客に引き渡しており、生産実績は販売実績とほぼ一致しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前期比(%)
受注残高(百万円)
前期比(%)
トラストサービス事業
6,120
102.6
1,075
95.8
合計
6,120
102.6
1,075
95.8
(注)当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前期比(%)
トラストサービス事業(百万円)
6,167
7.6
合計(百万円)
6,167
7.6
(注)1.当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要となる、運転資金及び設備投資資金につきましては、金利コスト等を勘案しながら、自己資金又は増資により資金調達することを基本としております。
なお、当社は短期的な支払いに支障が生じないよう流動比率を150%以上に保つことを目標としており、当連結会計年度末において流動比率が316.7%とその水準を上回っていることから資金の流動性に問題はないと認識しております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、「売上高」、「営業利益及び営業利益率」、EBITDA、リカーリング売上及びリカーリング売上比率を重要指標としております。
当連結会計年度における売上高は前期比で7.6%増加し6,167百万円となりました。
営業利益については前期比で21.3%増加し1,053百万円となっております。また営業利益率については17.1%となっており、前連結会計年度より1.9ポイント改善しております。この原因としては、主に、認証・セキュリティサービス及びLinux/OSSサービスにおけるリカーリング売上が伸長したことにより利益体質が飛躍的に向上したためとなります。なお、リカーリング売上については前期比で11.2%増加し4,005百万円、リカーリング売上比率については前期比で2.1ポイント改善しております。
EBITDAについては、営業利益の増加に加え、リカーリングサービスの継続的成長に必要な設備投資により償却費が増加したため、前期比で17.3%増加し1,623百万円となっております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
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