【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による急激な景気の悪化から一部持ち直しの動きもありましたが、年度末にかけて再び感染拡大が見られるなど、先行きにつきましても不透明な状況となっております。
このような中、物流ソリューション事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で巣ごもり需要が増加したことによる生協向けの物量の増加や人手不足を背景とした自動化設備への需要が堅調に推移しております。一方で空港向け手荷物搬送システムは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で設備需要の減少が見込まれます。
機械・プラント事業では、今期の市場環境は、国内製油所向けメンテナンス事業が堅調なるも、国内外の新設案件は依然厳しい状況が続いております。特に新興国で期待された海外新設案件は新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく、設備投資の大幅な遅延や投資の縮小・見直しは今なお続いております。直近ではコロナ後を見据えた引き合いが増加傾向にあるものの、その実現時期は未だ不透明です。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りになりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億20百万円減少し、587億64百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ41億2百万円減少し、222億80百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ18億82百万円増加し、364億84百万円となりました。
b.経営成績
このような状況の中、2020年度の連結決算の状況は、売上高が436億17百万円(前連結会計年度比6.2%減)、営業利益は物流ソリューション事業における案件の高採算化などにより26億23百万円(同1.2%増)、経常利益は30億53百万円(同2.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却益、機械・プラント事業の減損損失の計上などにより17億77百万円(同3.5%増)となりました。また受注高につきましては、421億58百万円(同10.8%減)となりました。
・物流ソリューション事業
生協、卸、製造業向けの「マルチシャトル」を組み込んだ庫内自動化設備案件や空港向け設備案件を中心に売上計上されました。プロジェクト管理強化による大型案件の採算改善、メンテナンス事業の拡大、経費の削減などにより営業利益は増加しました。
この結果、当事業の売上高は272億39百万円(前連結会計年度比5.7%減)、営業利益はプロジェクト管理強化による採算改善などにより31億40百万円(同11.7%増)、受注高は306億16百万円(同15.6%減)となりました。
・機械・プラント事業
厳しい事業環境が続く中、新設案件についてはマレーシアにおいて現地海外子会社とともにLPGタンク1基の建設工事を受注しましたが、その他には国内外とも大規模案件の受注には至りませんでした。国内製油所向けメンテナンス案件は継続的な受注を確保し収益の獲得に寄与しました。他の海外子会社においては、タンク以外の鉄鋼製品の受注努力を継続しましたが、ここでも新型コロナウイルス感染拡大の影響は大きく、前年度に比べ低調に終わりました。このような状況下、更なるコスト削減を実行しましたが、営業損失は再度拡大することとなりました。
この結果、当事業の売上高は98億0百万円(前連結会計年度比1.5%減)、営業損失は6億2百万円(前連結会計年度は営業損失3億5百万円)、受注高は92億62百万円(同6.5%減)となりました。
・その他
主に、子会社それぞれの特性を生かして産業機械や一般建築、環境調査などへの事業展開に注力した結果、売上高は65億77百万円(前連結会計年度比14.4%減)、営業利益は7億89百万円(同10.4%減)、受注高は22億79百万円(同116.3%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べて40億93百万円減少し、73億9百万円になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は14億82百万円(前連結会計年度は69億55百万円の収入)になりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上28億92百万円、売上債権の減少18億65百万円、仕入債務の減少7億85百万円、たな卸資産の増加21億34百万円、法人税等の支払額8億4百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に用いた資金は3億38百万円(前連結会計年度は8億12百万円の支出)になりました。主な要因は、固定資産の取得による支出11億31百万円、投資有価証券の取得による支出4億70百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入12億38百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に用いた資金は51億76百万円(前連結会計年度は23億51百万円の支出)になりました。主な要因は、短期借入金の純減少額42億29百万円、社債の発行による収入10億0百万円、自己株式の取得による支出5億83百万円、配当金の支払8億50百万円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
1.受注実績
当連結会計年度における各事業の受注実績を示すと、次の通りであります。
なお一部の見込生産を除き、受注生産を行っております。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
物流ソリューション事業
30,616
84.4
32,467
111.6
機械・プラント事業
9,262
93.5
8,439
94.0
報告セグメント計
39,879
86.3
40,907
107.5
その他
2,279
216.3
1,581
452.3
合計
42,158
89.2
42,489
110.6
2.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
物流ソリューション事業
27,239
94.3
機械・プラント事業
9,800
98.5
報告セグメント計
37,039
95.4
その他
6,577
85.6
合計
43,617
93.8
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.経営成績等の状況に関する分析・検討
(中期経営計画の目指す経営指標に関する分析)
当社グループは2019年4月にグループ中期経営計画(2019~2021年度)を策定し、本計画期間の3カ年を、長期ビジョンの実現のための飛躍に向けた基盤確立の時期として位置付けております。2年目である2020年度は、初年度の取組の振り返りを踏まえつつ、さらなる価値創造を目指し各事業の施策を進めてまいりました。
本計画(2019~2021年度)における各セグメントの目標数値、基本戦略及びそれらの進捗状況、並びに経営者が認識する現状の事業環境については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますので、ご参照ください。
2020年度の業績予想と実績との比較
2020年度(予想)
2020年度(実績)
予想比
2021年度
(中計目標)
売上高
48,100
43,617
△4,482
46,000
物流ソリューション事業
29,000
27,239
△1,760
28,000
機械・プラント事業
11,400
9,800
△1,599
9,100
その他事業
7,800
6,729
△1,070
8,000
営業利益
2,160
2,623
+463
2,100
物流ソリューション事業
2,580
3,140
+560
2,600
機械・プラント事業
△470
△602
△132
△400
その他事業
910
789
△120
800
ROE
4.7%
5.0%
+0.3pt
5.0%
売上高は、予想比44億82百万円減収(9.3%減)の436億17百万円となりました。これは、物流ソリューション事業において、期ずれの影響で減収となったことや、機械・プラント事業においても、厳しい事業環境が継続しているほか、海外子会社でのタンク以外の鉄鋼製品の加工案件の受注がコロナ禍の影響を大きく受けて減少したこと等によるものです。
営業利益は、予想比4億63百万円増益(21.4%増)の26億23百万円となりました。これは、物流ソリューション事業でのプロジェクト管理の更なる強化により計画以上に採算性が向上し、同事業で過去最高の営業利益を更新したこと等によるものです。
ROEは、予想比0.3ポイント増加し5.0%となりました。
b.財政状態に関する分析・検討
当連結会計年度末における総資産は587億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億20百万円減少しました。これは主に現金及び預金が40億93百万円減少し、投資有価証券が18億96百万円増加したことによるものです。一方負債は222億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億2百万円減少しました。これは主に金融機関からの借入金(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・長期借入金)及び社債が合計で37億48百万円減少したことによるものです。
また純資産については、364億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億82百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益17億77百万円、剰余金の配当8億53百万円及びその他有価証券評価差額金の増加12億71百万円によるものです。
前連結会計年度末は新型コロナウイルスの感染拡大による先行き不透明感のある状況下、手元流動性を確保する観点から金融機関等からの借入の返済を抑制しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の景気への影響等を踏まえ、当連結会計年度は順次借入金の返済を進めたことから、現金及び預金並びに金融機関からの借入金及び社債のいずれもが減少しております。
また、当連結会計年度にかけての株式相場の上昇による保有有価証券の値上がり等により、投資有価証券及びその他有価証券評価差額金が増加しております。
なお、バランスシートの圧縮と純資産の増加の効果により、当連結会計年度末の自己資本比率としては62.1%と前連結会計年度末に比べ5.4ポイント上昇しました。
c.キャッシュフローに関する分析・検討
当社グループの資金需要のうち主なものは、生産活動に必要な材料費、外注費及び労務費等の製造費用や、受注獲得や競争力強化のための販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、資金の需給状況に応じて株主還元や成長投資にも資金を利用しております。また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によるキャッシュ・フローの急激な悪化に備え、当社グループでは手元流動性を十分に確保する方針を執っております。万一、追加の資金が必要になった場合には、金融機関からの借り入れにより資金を調達していく考えです。
当社グループは、当連結会計年度において株主還元に14億34百万円、成長投資に13億81百万円使用しました。当社では、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けており、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております株主還元方針に従った自己株式の取得や配当金の支払い等、機動的な株主還元を実施しております。
また、中期経営計画に定めております、新規事業の早期収益化を目指したベンチャー投資のほか、既存事業の生産能力強化等成長投資にも資金を利用しております。
当社グループでは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保するため、営業活動から獲得した手元資金を活用するほか、必要に応じて機関投資家向けの社債発行や、金融機関より短期借入金及び長期借入金による資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は92億8百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は73億9百万円であります。
