【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
総資産は、前連結会計年度末に比べ4,297百万円増加し、195,696百万円となった。これは、主として現金及び預金が減少したが、棚卸資産と有形固定資産が増加したことによる。負債は、前連結会計年度末に比べ1,209百万円増加し、149,537百万円となった。これは、主として支払手形及び買掛金が増加したことによる。純資産は、前連結会計年度末に比べ3,087百万円増加し、46,159百万円となった。これは、主として親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによる。
②経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における国内経済は、新型コロナウイルス感染症対策としての行動制限が徐々に緩和される中、個人消費や設備投資は回復傾向を示したが、前期末から続く地政学的リスク、急速な円安の進行、物価の高騰などの懸念材料が多く、先行き不透明な状況で推移した。
このような状況の下、当社グループは、中期経営計画「G-STEP30 1st(ジーステップ・サーティ ~ファースト)」の最終年度を迎え、基本方針である、「強固な事業ポートフォリオの構築」「グローバル化の推進」「社内風土・意識改革」の実現に向けた施策に取り組んできた。
こうしたなか、コロナ禍からの経済活動回復等による需要の増加を受け、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比6.5%増収の59,105百万円となった。
一方、営業利益面では、原燃料価格の高止まりや円安によるコストアップの影響を大きく受けて、同55.4%減益の1,514百万円となった。
なお、円安の進行により外貨建資産の為替評価益を計上した結果、経常利益は同33.1%増益の3,887百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同31.4%増益の2,909百万円となった。
事業セグメント別の経営成績は次のとおりである。
[高分子事業セグメント]
高分子事業セグメントでは、原燃料価格の高騰などによるコストアップに対し、価格改定に取り組んだものの収益面では苦戦を強いられた。
フィルム事業では、包装分野、工業分野ともに需要は底堅く推移した。包装分野では、バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」、工業分野では、シリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」などの高付加価値品の販売が伸長した。しかしながら、原燃料価格や輸送コストの高騰により、収益は悪化した。この結果、事業全体で増収減益となった。
樹脂事業では、中国でのロックダウンによる生産減退により各用途で販売が落ち込み、また、自動車減産の影響による自動車部品用途の販売減少もあったが、一方で、価格改定やレジャー用途の販売好調により売上は増加した。収益面では、原燃料価格高騰の影響を大きく受けた。この結果、事業全体で増収減益となった。
以上の結果、高分子事業セグメントの売上高は26,027百万円(前年同四半期比3.5%増)、営業利益は2,400百万円(同37.1%減)となった。
[機能資材事業セグメント]
機能資材事業セグメントでは、原燃料価格や輸送コストの高騰の影響を受けたが、建築資材用途を中心に販売が回復した。
活性炭繊維事業では、主力の浄水器用途の販売は堅調であったが、自動車用途の販売が減少した。
ガラス繊維事業では、産業資材分野は、テント、シート等の建築土木用途の販売が堅調であった。電子材料分野のICクロスは、超薄物や低熱膨張タイプなどの高付加価値品を中心に販売を伸ばした。
ガラスビーズ事業では、ブラスト用などの工業用途の販売は堅調であったが、道路用途の販売は豪雨などの自然災害の影響を受け、反射材用途の販売は欧州の市況悪化の影響を受けた。また、原燃料価格高騰の影響を大きく受け、収益が圧迫された。
不織布事業では、産業資材用途は需要が緩やかに回復し、販売が増加した。また、スキンケア用途は、人流の回復や猛暑などの気候要因により、販売状況が好転した。
産業繊維事業では、各用途で需要が減退し、販売が減少した。また、原燃料価格の高騰により収益が大幅に悪化した。
以上の結果、機能資材事業セグメントの売上高は17,762百万円(前年同四半期比5.4%増)、営業利益は134百万円(同560.9%増)となった。
[繊維事業セグメント]
衣料繊維事業では、主力のユニフォーム分野やレディス衣料を中心に需要回復の兆しが見られた。また、海外向けの販売が伸長した。しかし、原燃料高、円安、輸送費高騰など、サプライチェーン全般でのコスト上昇により、収益が大幅に悪化した。
以上の結果、繊維事業セグメントの売上高は15,274百万円(前年同四半期比13.3%増)、営業損失は1,004百万円(前年同四半期は444百万円の損失)となった。
[その他]
その他の事業については、売上高は41百万円(前年同四半期比11.2%増)、営業損失は26百万円(前年同四半期は14百万円の損失)となった。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,586百万円減少し、当第2四半期連結会計期間末に13,828百万円となった。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加などがあったが、税金等調整前四半期純利益の計上により、51百万円の資金の増加(前年同四半期比99.0%減)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資に伴う支出などにより、4,543百万円の資金の減少(前年同四半期は4,252百万円の資金の減少)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済などにより、670百万円の資金の減少(前年同四半期は2,031百万円の資金の減少)となった。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はない。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はない。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,818百万円である。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はない。