【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響からの持ち直しによる経済活動の正常化の動きがみられるものの、欧米各国の景気後退懸念の拡大、サプライチェーンの混乱やウクライナ情勢の影響等を背景とした各種価格の高騰、為替相場の不安定な動きによる物価上昇など、先行きは不透明な状況が続いております。
広告業界においては、2022年の総広告費は国内外の様々な影響を受けつつも、過去最高を記録し、特にインターネット広告費は、社会のデジタル化を背景に継続して高い増加率を保っており、その成長に市場全体が支えられております。そのような状況の中、交通広告においては、鉄道においてポスター、デジタルサイネージとともに前年に続き、ネットワーク系媒体よりも主要駅で人流が多いロケーションに設定されたインパクト型OOH媒体に需要が集中して、全国的に大型デジタルサイネージは前年を上回りました。屋外広告においても人流回復が顕著になり、広告需要も高まってきました。
当社におきましては、ナビタ事業では、病院・寺社などの新規プラットフォームの拡大、自治体との取引深耕、中核医療機関との取引拡大を図るとともに、既存媒体(広告)価値向上や「ナビタイムジャパン」や「駅探」との協働などによるWEBビジネスの拡大により収益力向上を図り、アド・プロモーション事業では、広告各種における最適な企画・プレゼンテーション等によるサービスの向上を図るとともに、新たな付加価値の創造による新商品の拡大に取り組み、サイン事業では、引き続き鉄道関連の設備投資需要補足に注力するとともに、自治体及び病院への取引拡大に努めてまいりましたが、本格回復には至らない状況となりました。
以上の結果、当事業年度の売上収益は9,960百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は549百万円(同24.2%減)、経常利益は621百万円(同17.7%減)、減損損失439百万円を特別損失に計上した結果、当期純利益は82百万円(同79.0%減)となりました。
なお、セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
(ナビタ事業)
ナビタ事業においては、既存ナビタの媒体(広告)の価値向上を図るとともに、WEB商材の販売強化や新規媒体開発による付加価値の向上、筐体の再利用による新たなナビタの設置、電子契約化促進などによるデジタル化やインサイドセールスの強化を進めてまいりましたが、ナビタ筐体償却費増加や前向き投資による事業部門負担の増加などから売上収益は8,019百万円(前年同期比0.6%増)、セグメント利益は1,020百万円(同6.6%減)となりました。
(アド・プロモーション事業)
広告需要の回復の兆しが見られ、鉄道以外の媒体広告の拡販やマス媒体の強化及び自治体ビジネスさらにWEB商材の開発やデジタルサイネージによる配信システム販売強化に取り組んでまいりましたが、大口取引や利益率の高い案件の減少などにより、売上収益は603百万円(前年同期比0.8%減)、セグメント利益は32百万円(同39.1%減)となりました。
(サイン事業)
自治体・病院などにおける営業の強化や既存取引先との取引拡大、新商材の開発を進め、自治体や企業等から大型案件を受注したものの利益率の低い案件もあり、売上収益は1,337百万円(前年同期比22.3%増)、セグメント損失は54百万円(前年同期はセグメント利益9百万円)となりました。
②財政状態の状況
当事業年度末の総資産は13,762百万円(前年度末比249百万円増)となりました。
資産、負債及び純資産の状況については以下のとおりであります。
a.資産
流動資産は、現金及び預金や売上債権の増加などにより、8,217百万円(同507百万円増)となりました。
固定資産は、ナビタ事業における設備投資が増加したものの、減価償却や減損損失の計上による有形・無形固定資産の減少により、5,544百万円(同258百万円減)となりました。
b.負債
流動負債は、仕入債務の増加や契約負債の増加などにより、6,261百万円(同436百万円増)となりました。
固定負債は、役員の退任等の役員退職慰労金の支払がある一方、退職給付引当金の増加などにより、208百万円(同11百万円増)となりました。
c.純資産
剰余金の配当を283百万円実施し、当期純利益82百万円を計上したことから純資産は7,292百万円(同198百万円減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,717百万円(前年度末比957百万円減)となりました。
現金及び現金同等物の主な変動要因については、次のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益157百万円に対し、法人税等の支払額が115百万円、売上債権及び契約資産の増加額が305百万円、支出を伴わない減価償却費の計上が755百万円、減損損失の計上が439百万円あったことなどから、1,339百万円の収入(前期比824百万円増)となりました。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、駅他周辺案内図その他広告媒体設備等の有形固定資産の取得による支出が619百万円、デジタルサイネージのソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出が167百万円、定期預金の預入による支出が2,867百万円発生したことなどから、2,010百万円の支出(同196百万円増)となりました。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が283百万円発生したことなどから、285百万円の支出(同1,404百万円減)となりました。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
⑤生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当事業年度
(自2022年4月1日
至2023年3月31日)
前年同期比(%)
ナビタ事業 (千円)
8,019,511
0.6
アド・プロモーション事業 (千円)
603,080
△0.8
サイン事業 (千円)
1,337,650
22.3
合計(千円)
9,960,242
2.9
(注)1.セグメント間の取引については該当事項はありません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上収益)
当事業年度の売上収益は9,960百万円(前年同期比2.9%増)となりました。これはナビタ事業では、既存ナビタの媒体(広告)の価値向上を図ることに注力し、サイン事業では大型工事が完成したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、4,725百万円(前年同期比8.8%増)となりました。これは主にナビタ事業における広告納金や減価償却費の負担が増加したことと、サイン事業における工事の増加により外注費も大きく増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は5,234百万円(前年同期比1.9%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、4,684百万円(前年同期比1.7%増)となりました。これは主に人件費の増加や基幹システム開発費用、自社ビル修繕費用等の増加によるものです。この結果、営業利益は549百万円(前年同期比24.2%減)となりました。
(経常利益)
当事業年度において、受取家賃等で営業外収益が81百万円、賃貸費用等で営業外費用が10百万円発生しております。この結果、経常利益は621百万円(前年同期比17.7%減)となりました
(当期純利益)
当事業年度において、固定資産除却損24百万円や減損損失439百万円を特別損失に計上したことなどにより、当期純利益は82百万円(前年同期比79.0%減)となりました。
③財政状態の分析
当事業年度末の総資産は13,762百万円(前年度末比249百万円増)となりました。
資産、負債及び純資産の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④キャッシュ・フロー状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,717百万円(前年度末比957百万円減)となりました。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤当社の資本の財源及び資金の流動性について
a.資金需要
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、広告納金、外注費、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。
b.財政政策
当社は、事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金及び投資を目的とした資金の調達につきましては、自己資金を基本としており、自己資金で補うことができない場合は金融機関からの借入を基本としております。
⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析
当社では売上収益、営業利益を重要な経営指標として位置付けており当事業年度の計画値と実績値は以下のとおりであります。
経営指標
2023年3月期
(計画)
2023年3月期
(実績)
2023年3月期
(計画比)
売上収益 (百万円)
10,379
9,960
△418(4.0%減)
営業利益 (百万円)
597
549
△47(7.9%減)
当期純利益 (百万円)
456
82
△373(82.0%減)
(注)2023年3月期(計画)につきましては、2022年5月13日に公表した2022年3月期決算短信に記載した2023年3月期の業績予想数値であります。
当社は、持続的な企業価値向上を目指すにあたり、売上収益・営業利益の成長性とともにROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として位置づけ、既存媒体の価値向上(筐体リニューアル)と収益性の高い新規媒体開発、自治体ビジネスと医療関係ビジネスの強化、WEB商品強化、新商材の開発などの商品戦略や営業力強化、原価や経常的費用の抑制、さらには人的資本への投資、M&Aによる業務提携などを事業計画に基づき実現し、更なる事業成長を図ってまいります。
売上収益、営業利益の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
⑦経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズにあったサービスの展開等により、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応してまいります。
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