【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況経営成績当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立が進行しましたが、一方で、不安定な国際情勢や原材料・エネルギー価格の高騰と急激な円安を背景に、幅広い品目で消費者物価が上昇しており、国内経済の先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループでは、当2023年3月期を抜本的な構造改革の年として、2022年2月14日公表の「事業ポートフォリオの転換に関するお知らせ」に記載のとおり、当社アパレル事業の大幅縮小による多額の赤字の解消と、不動産事業の拡大による安定的な収益基盤の確保を柱とする全社的な事業構造改革に取り組んでまいりました。アパレル事業の縮小につきましては、2022年12月までに全国に展開する208店舗の閉鎖を計画し、2022年5月より順次店舗の閉鎖を実施するとともに、閉店セール及びEC販路を活用した在庫の徹底消化とキャッシュ・フローの最大化に取り組んでまいりました。本社人員体制のスリム化につきましては、事業縮小によるブランドの絞り込み、業務範囲の見直し等を推し進め、当第2四半期末までに2022年2月時点の人員数に対し約42%のスリム化を図ってまいりました。一方、不動産事業の拡大につきましては、2022年2月14日及び同年4月1日に公表いたしましたとおり、4月1日付で全国に約70の収益物件を所有する株式会社キムラタンエステート(旧和泉商事有限会社)の株式取得が完了し、子会社化いたしました。
当第2四半期の売上高は、前年同期比22.8%増の22億45百万円となりました。M&Aによる不動産事業の拡大が主要因ですが、アパレル事業においても店舗販売が堅調な推移となりました。売上総利益率は、アパレル事業において、円安の進行よるコスト増に加え、持越し在庫の完全消化を優先課題として、閉店セールでの値引率を大幅に深め徹底消化を図った結果、前年同期に対し13.9ポイント減の33.3%となり、売上総利益額は前年同期比13.2%減の7億48百万円となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、ブランドの絞り込みや店舗の閉店など、事業の縮小による人件費の減少と、物流内製化による外部物流費等の圧縮により、アパレル事業の経費は減少しましたが、不動産事業の拡大に伴う経費が純増したこと、不動産事業のM&Aに伴う一時費用として株式取得関連費用1億49百万円を計上したことから、前年同期比11.0%増の12億84百万円となりました。以上の結果、当第2四半期の営業損失は、上記の一時費用の計上もあり5億35百万円(前年同期は営業損失2億94百万円)となりました。経常損失は、急激な円安の進行により為替差損37百万円を計上したことや、2022年9月22日付「シンジケートローン契約締結に関するお知らせ」において公表のシンジケートローン契約締結に伴うアレンジメントフィー1億16百万円の計上等により7億87百万円(前年同期は経常損失2億93百万円)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は7億93百万円(前年同期は四半期純損失3億円)となりました。
アパレル事業当四半期における既存店ベースの売上高は、前年同期比23.0%増となりました。行動制限が緩和され新型コロナウイルス感染症の影響が低減したことに加え、気温の上昇で春夏商品の販売が好調であったことにより堅調な推移となりました。また、当第2四半期において、110店舗の店舗閉鎖を実施しましたが、閉店セールにおいては、値ごろ感を訴求した売場展開、販売動向に合わせた売価変更等を行った結果、前年同期の倍以上の販売推移となり、在庫の消化を促進してまいりました。店舗数については、当第2四半期連結累計期間でインショップ110店舗の閉鎖を実施し、当四半期末の店舗数は105店舗となりました。以上の結果、店舗業態の売上高は、前年同期比13.1%増の10億49百万円となりました。ネット通販につきましては、前期に自社物流センター開設に伴う倉庫移転前の在庫一掃セールを実施しましたが、当四半期においては、実店舗での閉店セールにおいて在庫の徹底消化を図ることとし、ネットでは価格訴求型の販売促進の抑制、送料無料キャンペーン休止を行ったことやブランド絞り込みによる影響により、売上高は、前年同期比30.8%減の1億89百万円となりました。卸業態については、大手量販専門店との取り組みが進行し、秋物納品が堅調に推移し当四半期の売上高は前年同期比4.5%増の5億61百万円となりました。以上のとおり、当第2四半期におけるアパレル事業の売上高は、前年同期比3.1%増の18億円となりました。セグメント利益については、4億26百万円の損失(前期はセグメント損失2億82百万円)となり、持越し在庫の完全消化に向けて値引率を深めた販売強化を図ったことにより赤字幅は拡大する結果となりましたが、店舗閉鎖による固定費削減が進み、在庫消化も計画を上回るなど、事業黒字化に向けた構造改革が進捗する結果となりました。
不動産事業前掲のとおり、第1四半期の期首においてM&Aによる株式会社キムラタンエステート(旧和泉商事有限会社)の子会社化と不動産部門の設置、運営・管理体制の整備を行い、不動産事業を本格的に開始いたしました。当四半期においては、既存物件の価値向上による収益力の最大化を目指して、物件ごとに異なる顧客ニーズへの対応力強化による稼働率の向上と、徹底した効率化による管理コストの最小化を課題に掲げ、物件ごとの詳細な現状分析や戦略立案に取り組んでまいりました。以上の結果、当四半期の不動産事業の売上高は、4億1百万円となりセグメント利益は1億24百万円となりました。
その他事業保育園事業においては、当期は事業収益の改善を課題とし、例年、第1四半期は園児数が減少する傾向にあることから、特徴ある保育園運営を継続しながら園児の募集にも注力し、充足率の向上を目指してまいりました。ウェアラブルIoT事業においては、引き続き導入園の拡大に向けて保育博への出展等の営業強化に注力するとともに、午睡中の見守りに特化した「おひるねバンド」型の新製品“cocolin lite”の開発に取り組んでまいりました。“cocolin lite”では、午睡中の姿勢の変化の誤検知が限りなくゼロであるウェアラブルならではの特長をそのままに、リスクの高い午睡時の体動変化の検知に特化することで、着脱が容易であるメリットを付加することにより、幅広く保育施設のニーズに対応しながら導入園の拡大を目指してまいります。
以上の結果、当四半期におけるその他事業の売上高は、前年同期比10.5%減の44百万円となり、セグメント利益は36百万円の損失となりました。
以上のとおり、当第2四半期においては、アパレル事業における在庫消化のための値引き販売増とM&Aに関連する一時費用の計上により営業損失が前期に比べ拡大しましたが、アパレル事業においては計画に沿った店舗閉鎖と本社スリム化を着実に実行し赤字解消に向けた転換を推し進めており、不動産事業では四半期を通じて一定の稼働率を維持していることから、年度を通じた利益貢献が見込まれる状況にあります。今後も事業構造の改革を推進し、業績改善、黒字化に向け、一層の努力を重ねてまいります。
財政状態当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ、61億25百万円増加し87億12百万円となりました。期首に株式会社キムラタンエステート(旧和泉商事有限会社)の株式取得を行い子会社化したことに伴い、同社が所有する収益不動産及びのれんが増加したことが主要因であり、有形固定資産の増加56億87百万円、無形固定資産の増加12億70百万円が主な内訳であります。一方で現金及び預金3億83百万円、受取手形及び売掛金1億12百万円が減少したことに加え、アパレル事業縮小に伴う閉店セールにより在庫消化が進み、商品及び製品が3億87百万円減少しました。負債は、前連結会計年度末と比べ、59億77百万円増加し84億44百万円となりました。総資産と同様に株式会社キムラタンエステート(旧和泉商事有限会社)の子会社化により、借入金が58億85百万円増加したことが主要因であります。純資産は、前連結会計年度末と比べ、1億47百万円増加し2億67百万円となりました。主な増加要因は、2022年6月3日開催の取締役会決議に基づく新株式の発行(DES)による資本金及び資本剰余金の増加8億9百万円と、第16回新株予約権の権利行使(69,000個)による資本金及び資本剰余金増加1億30百万円であります。主な減少要因は親会社株主に帰属する四半期純損失7億93百万円であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の3.8%から2.9%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1億48百万円と前年同期と比べ75百万円(102.6%)の増加となりました。資金調達においては、取引金融機関とは定期的に業績改善に向けた取組み状況等に関する協議を行うなど、引き続き緊密な関係維持を継続しております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、2億2百万円の支出(前年同四半期は1億24百万円の支出)となり、前年同四半期と比べ支出は77百万円(62.2%)増加しました。アパレル事業の縮小に伴う店舗の閉店セール実施により、棚卸資産が3億89百万円と大幅に減少し、店舗減少等による売上債権が1億16百万円減少しましたが、税金等調整前当期純損失7億88百万円、M&Aにより取得した子会社を主とした法人税等の支払1億17百万円等により支出が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、13億86百万円の支出(前年同四半期は1億6百万円の支出)となりました。子会社株式の取得による支出19億56百万円と、取得した子会社の有形固定資産の売却による収入5億円がその主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、12億67百万円の収入(前年同四半期は65百万円の支出)となりました。第三者割当増資や新株予約権行使での株式発行による収入1億22百万円、新規借入による78億96百万円の調達と64億79百万円の返済及び、社債の償還による支出1億50百万円、並びに借入手数料の支払額1億20百万円が主な要因であります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間において、特記すべき事項はありません。
(7) 従業員数
① 連結会社の状況当第2四半期連結累計期間において、当社グループはアパレル事業の縮小を実行しており、本社人員のスリム化と店舗の閉店を順次行っております。これに伴い、アパレル事業の従業員数は12名減少しております。なお、従業員数は就業人員数であります。
② 提出会社の状況当第2四半期累計期間において、当社はアパレル事業の縮小を実行しており、本社人員のスリム化を行っております。これに伴い、アパレル事業の従業員数は、10名減少しております。なお、従業員数は就業人員数であります。