【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における国内外の経済情勢は、国内景気の穏やかな回復、米国経済の堅調な推移が見て取れるものの、一方でインフレの高止まりや金利高への警戒感、加えて中国経済の失速懸念など、依然として先行きは不透明な状況にあります。このような状況の中、当社グループの主要関連産業であります自動車産業におきましては、半導体供給不足による減産や生産調整に回復の兆しが表れてきているものの、中国市場においては局面の変化に伴う日系顧客での販売不振・減産の影響が進行しております。セキュリティ機器事業の関連産業であります住宅産業におきましては、新築住宅着工戸数は資材高騰の影響等により、戸建ての注文住宅・分譲住宅は減少、その他の賃貸住宅・マンションは前年度とほぼ同水準に推移しております。このような事業環境の中、当社グループは引き続き手許資金の流動性を確保しつつ、生産性の向上や経費削減等、変動費・固定費管理の徹底を推進してまいりました。この結果、当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は36,363百万円と前年同四半期に比べ、7,538百万円(26.2%)の増収となりました。利益につきましては、それぞれ営業利益は792百万円と前年同四半期に比べ、1,088百万円の増益(前年同四半期は295百万円の営業損失)、経常利益は1,475百万円と前年同四半期に比べ、1,094百万円(287.7%)の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,216百万円と前年同四半期に比べ、999百万円(459.7%)の増益となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
① 自動車部品事業(日本)自動車部品事業(日本)におきましては、半導体供給不足の緩和に伴う得意先での生産台数の増加などにより、売上高は4,916百万円と前年同四半期に比べ、724百万円(17.3%)の増収となりました。増収効果や合理化活動の進展などにより、セグメント利益は136百万円(前年同四半期はセグメント損失114百万円)となりました。
② 自動車部品事業(北米)自動車部品事業(北米)におきましては、半導体供給不足の緩和に伴う得意先での生産台数の増加に加えて、為替換算の影響等から、売上高は8,013百万円と前年同四半期に比べ、2,333百万円(41.1%)の増収となりました。一方、一過性の生産ロスの発生や一部合理化の遅れなどがあり、セグメント利益は9百万円(前年同四半期はセグメント損失369百万円)となりました。
③ 自動車部品事業(アジア)自動車部品事業(アジア)におきましては、ASEANで売上増となったものの、中国での日系車の販売不振・減産影響を大きく受け続けており、売上高は8,189百万円と前年同四半期に比べ、82百万円(1.0%)の増収に留まりました。固定費管理や経費削減の徹底を図ったものの中国での減収影響が大きく、セグメント損失は486百万円(前年同四半期はセグメント損失215百万円)となりました。
④ 自動車部品事業(欧州)自動車部品事業(欧州)におきましては、半導体供給不足の緩和に伴う得意先での生産台数の増加に加えて、為替換算の影響等から、売上高は8,021百万円と前年同四半期に比べ、2,520百万円(45.8%)の増収となりました。増収効果や合理化活動の進展などにより、セグメント利益は13百万円(前年同四半期はセグメント損失191百万円)となりました。
⑤ セキュリティ機器事業(日本)セキュリティ機器事業(日本)におきましては、建築資材の高騰を背景とした新築住宅着工減少の影響を受けているものの、大手賃貸住宅事業会社のプロジェクトによる受注が有り、住宅関連製品の売上は前年同期を上回りました。ロッカーシステム事業については、引き続き国内観光需要の回復によるレジャー・観光客の増加、猛暑によるプール来場客の増加で、コインロッカーのオペレーション収入は堅調な回復となりました。更に物販についてはホテル向けセルフクロークロッカーが好調に推移しました。なお、売上高は7,635百万円と前年同四半期に比べ、1,758百万円(29.9%)の増収、セグメント利益は1,032百万円と前年同四半期に比べ、229百万円(28.6%)の増益となりました。
⑥ セキュリティ機器事業(海外)セキュリティ機器事業(海外)におきましては、日本向け製品(電気錠)の生産増及びタイ国内の樹脂成形部品の受注増により、売上高は6,028百万円と前年同四半期に比べ、2,567百万円(74.2%)の増収、セグメント利益は582百万円と前年同四半期に比べ、337百万円(138.0%)の増益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前第2四半期連結会計期間末に比べ1,170百万円増加し、8,044百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは3,061百万円の収入(前年同四半期と比べて1,879百万円収入が増加)となりました。主な収入要因は、減価償却費であり、主な支出要因は、売上債権の増加額です。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは1,258百万円の支出(前年同四半期と比べて297百万円支出が減少)となりました。主な支出要因は、有形固定資産の取得による支出です。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは657百万円の支出(前年同四半期は692百万円の収入)となりました。主な支出要因は、長期借入金の返済による支出です。
(3) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。また、当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1,033百万円であります。当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の内容は次のとおりであります。自動車部品事業では、グローバルで迅速に対応するとともに、将来の自動車部品の電動化等の技術動向をとらえ、コア技術を基盤とした継続的な新製品開発に取り組んでおります。一部製品に関しては顧客との共同開発も開始しております。中国においては現地顧客向けのアウトサイドハンドルを新たに受注し、短期間での開発に対応すべく、開発体制を構築し量産開発に着手しております。北米においては、既存顧客向けで培ったハンドルに関する知見を活用し、新規顧客向けのアウトサイドハンドルを量産開始いたしました。また、弊社のコア技術であるメッキ技術を活用した内装部品も新規顧客より受注し、量産を開始しております。引き続き、北米拠点の開発体制・製品品質・コスト競争力を活かした提案を行ってまいります。今後も、更なる新製品の市場投入に向けて、多様なアクセス製品を開発し、“Innovation for Access”を具現化してまいります。住設機器事業では、電気錠システムの更なる住宅市場(新築及び既築)への採用拡大に向け、継続的な新製品開発に取り組んでおります。ロッカーシステム事業では、持続可能な社会への取り組みとして食品ロス削減を目的に、新たなロッカーベース自販機の開発を進めております。ロッカータイプの特徴を活かすことで、新たな利用シーンに貢献できると期待しております。また、観光業界の回復を受けてホテル市場での手荷物預かりロッカーの導入が進んでいることから、今後のラインナップ構想を進めていきます。このように当社グループは環境、利便性に配慮した高付加価値製品の開発を推進してまいります。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの事業が関係する市場においては、国内外の企業とのグローバル競争が今後も予想されることから、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、当社グループは、グローバル市場の急激な変化に的確に対応するため、安定した収益基盤の確立とお客さまの価値観とニーズに対応した新事業・新商品開発により、競争力の維持強化に向けた様々な取り組みを進めてまいります。今後、当社グループの想定を超えてグローバル市場が悪化した場合や、お客さまのニーズに対応する製品を開発・提供できない場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社は海外グループ売上高が国内より高いため、為替変動により影響を受ける可能性があります。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当第2四半期連結会計期間末における総資産は67,040百万円となり、前連結会計年度末に比べ、5,400百万円の増加となりました。また、有利子負債は前連結会計年度末に比べ、4百万円減少し、17,833百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が1,208百万円増加したことや、受取手形及び売掛金が1,743百万円増加したこと等により、3,654百万円増加し、39,026百万円となりました。固定資産は、建物及び構築物が376百万円増加したことや、投資有価証券が600百万円増加したこと等により、1,748百万円増加し、28,011百万円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金が513百万円増加したことや、短期借入金が1,130百万円増加したこと等により、2,573百万円増加し、23,650百万円となりました。固定負債は、長期借入金が769百万円減少したこと等により、1,008百万円減少し、8,886百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定が2,340百万円増加したことや、利益剰余金が1,025百万円増加したこと等により、3,835百万円増加し、34,504百万円となりました。以上により、自己資本比率は前連結会計年度末の48.0%から1.9ポイント増加し、49.9%となりました。