【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績等の概要
①業績 (単位:百万円)
売上収益
事業利益(※)
営業利益
親会社の所有者に
帰属する当期利益
2022年12月期
478,422
9,312
10,106
5,450
2021年12月期
437,159
8,142
22,029
12,331
増減率(%)
9.4
14.4
△54.1
△55.8
※事業利益は、売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、恒常的な事業の業績を測る当社グループ独自の利益指標です。
<売上収益>
売上収益は、食品飲料事業及び不動産事業が減収となった一方で、外食需要の回復やアメリカの売上数量が好調に推移したことで酒類事業が増収となり、全体では前期比9.4%増、413億円増収の4,784億円となりました。
<事業利益>
事業利益は、不動産事業が減益となった一方で、構造改革効果が寄与した外食事業や食品飲料事業が増益となり、全体では前期比14.4%増、12億円増益の93億円となりました。
<営業利益>
営業利益は、事業利益が改善した一方で、前年の投資不動産の売却益の反動等により、119億円減益の101億円となりました。
<親会社の所有者に帰属する当期利益>
親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の減益等により、前期比69億円減益の54億円となりました。また、基本的1株当たり利益は69.96円(前期158.30円)となり、親会社所有者帰属持分比率は26.0%(前期27.3%)となりました。
以下、報告セグメント別の概況は記載のとおりです。
〔酒類事業〕
・売上収益は、業務用市場の回復、価格改定、アメリカの家庭用市場における好調な販売、2022年8月末に持分の100%を取得し、連結子会社化したSTONE BREWING CO.,LLCが当社グループに加わったこと等により、前期から増収となりました。
・事業利益及び営業利益は、原材料高騰等により変動費が増加したものの、増収効果及び外食事業の構造改革効果により、前期から増益となりました。
■売上収益 3,346億円(前期比450億円、15.5%増)
■事業利益 77億円(前期比23億円、42.1%増)
■営業利益 89億円(前期比68億円、315.0%増)
酒類事業に属する国内酒類、海外酒類、外食の詳細は次のとおりです。
(国内酒類)
・当期は、新型コロナウイルスの感染の波が断続的に繰り返されたことにより、業務用市場の需要は一時的に落ち込むこともありましたが、前期の緊急事態宣言発出等による飲食店での酒類提供制限時より影響は穏やかでした。また、価格改定による需要減退の影響も限定的であったこともあり、日本国内のビール類総需要は、前期比103%程度になったと推定されます。
・そのような中、当社グループの国内におけるビール類合計の売上数量は、業務用商品の売上数量の増加により、前期比103%となりました。また、RTD(※)の売上数量は前期比103%となり、引き続き好調に推移しました。
(海外酒類)
・新型コロナウイルス感染症対策により経済再開が進み、業務用市場の需要は前期より回復傾向にあるものの、北米におけるビール類総需要は、アメリカ、カナダともに前期を下回ったと推定されます。
・そのような中、海外ブランドのビールの売上数量は、カナダでは業務用市場の回復により前期を上回りました。さらに、サッポロブランドビールの売上数量は、アメリカでの業務用市場が回復したことや、家庭用への取り組みの強化が奏功したことによりアメリカにおける売上数量は前期比110%となり、前期に引き続き過去最高を記録しました。
・また、特にアメリカにおけるサッポロブランドビールの更なる伸長に向けた製造拠点の獲得と、新たなブランド獲得によるビール事業の拡大等を目的として、2022年8月末にSTONE BREWING CO.,LLCの持分を100%取得し、連結子会社化しました。
(外食)
・新型コロナウイルスの影響を受け、パブレストラン・居酒屋業界の需要は不安定な状況が続いていますが、営業上の規制が解除された2022年4月以降、新型コロナウイルス感染症の再拡大等により上下動はありながらも、緩やかな回復基調に転じております。コロナ禍において進めてきた不採算店舗の閉鎖等の構造改革が貢献し、前期と比較し大幅に赤字が縮小しました。
※ RTD : Ready To Drinkの略。購入後そのまま飲める、缶チューハイ等のアルコール飲料
〔食品飲料事業〕
・売上収益は、カフェ事業の売却、郊外型の自販機オペレーター子会社1社の清算と、それに伴う自動販売機の削減による売上数量の減少等もあり、前期から減収となりました。
・事業利益及び営業利益は、原材料高騰の影響を受けたものの、価格改定の実行、カフェ事業の売却等の構造改革による利益改善の効果が寄与し、前期から増益となりました。
■売上収益 1,229億円(前期比25億円、2.0%減)
■事業利益 18億円(前期比11億円、148.2%増)
■営業利益 23億円(前期は34億円の損失)
・業務用市場や自動販売機における需要は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けてはいるものの、各種制限緩和により回復し、国内における飲料総需要は、前期比102%と推定されます。
・そのような中、国内では、キレートレモンは7年連続で過去最高出荷を更新する等、健康意識の高まりを背景にレモン飲料が堅調に推移したものの、不採算自動販売機の削減による売上数量の減少等により、飲料全体の売上数量は前期比98%となりました。
・海外では、シンガポールにおいて、新型コロナウイルス感染症の拡大による各種制限が緩和されたことで、シンガポール国内の売上収益は前期比103%となりました。また、シンガポール国外への輸出も好調に推移し売上収益は前期比115%となりました。
・なお、伸長するレモン事業を中心とした成長分野へ経営資源を集中させるため、2022年4月にカフェチェーン「カフェ・ド・クリエ」を展開するポッカクリエイト社の全株式を譲渡しました。また、2022年11月には郊外型の自動販売機オペレーター子会社であるパブリックベンディングサービス社を清算しました。
〔不動産事業〕
・売上収益は、2021年6月の「恵比寿ファーストスクエア」の売却や、当期から開始した「恵比寿ガーデンプレイス」でのオフィスの空調更新工事による稼働率低下の影響等により、前期から減収となりました。
・事業利益は、売上収益の減収の影響により、前期から減益となりました。
・営業利益は、前期の「恵比寿ファーストスクエア」の売却益の反動等により、前期から減益となりました。
■売上収益 207億円(前期比11億円、5.2%減)
■事業利益 65億円(前期比18億円、21.5%減)
■営業利益 54億円(前期比238億円、81.4%減)
・首都圏のオフィス賃貸市場では、稼働率及び平均賃料水準は2022年年初より回復には至っておりません。
・そのような中、当社グループの不動産事業では、大型複合施設の「恵比寿ガーデンプレイス」のオフィス稼働率が、市況悪化の影響や空調機能の長期修繕の開始もあり、低下しました。一方で、2022年11月のセンタープラザ開業後の来館者及び売上は順調に推移しています。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産、負債、資本の状況とそれらの要因は次のとおりです。
(単位:百万円)
区分
2021年12月期
2022年12月期
増減額
流動資産
167,806
179,431
11,625
非流動資産
426,745
459,687
32,942
資産合計
594,551
639,118
44,568
流動負債
210,535
219,515
8,979
非流動負債
220,688
252,402
31,714
負債合計
431,224
471,917
40,694
資本合計
163,327
167,201
3,874
負債及び資本合計
594,551
639,118
44,568
(資産)
資産合計は、連結子会社の売却により売却目的で保有する資産等が減少した一方、STONE BREWING CO.,LLCの買収によるのれん、有形固定資産の増加等によって、前連結会計年度末と比較して446億円増加し、6,391億円となりました。
(負債)
負債合計は、未払法人所得税、連結子会社の売却により売却目的で保有する資産に直接関連する負債の減少等があった一方、社債及び借入金(流動)、シンジケートローンによる借入を実施したことにより社債及び借入金(非流動)の増加等によって、前連結会計年度末と比較して407億円増加し、4,719億円となりました。
(資本)
資本合計は、期末配当の実施による利益剰余金の減少等があった一方で、為替相場の変動によるその他の資本の構成要素の増加により、前連結会計年度末と比較して39億円増加し、1,672億円となりました。
(各種財務指標)
流動比率は、流動資産が116億円増加し、流動負債が90億円増加したことにより、前連結会計年度の79.7%から81.7%に2.0ポイント増加しております。
親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度の27.3%から26.0%に減少しております。これは、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上、在外営業活動体の換算差額の増加等により親会社の所有者に帰属する持分が増加した一方、STONE BREWING CO.,LLCの買収等により資産合計が増加したことによるものです。
親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は、前連結会計年度の7.9%から3.3%に減少しております。これは、前年の投資不動産の売却益の反動等により親会社の所有者に帰属する当期利益が減少したことによるものです。
ネットD/Eレシオは、前連結会計年度の1.1倍から1.4倍に増加しております。これは、親会社の所有者に帰属する持分が増加した一方で、社債及び借入金(流動及び非流動)の増加等でネット有利子負債が増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ20億円、11%減少し、当連結会計年度末には154億円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(単位:百万円)
区分
2021年12月期
2022年12月期
増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー
30,308
7,814
△22,493
投資活動によるキャッシュ・フロー
20,729
△46,137
△66,867
フリー・キャッシュ・フロー
51,037
△38,323
△89,360
財務活動によるキャッシュ・フロー
△53,080
36,465
89,546
現金及び現金同等物に係る換算差額
777
△131
△908
現金及び現金同等物の増減額(△減少)
△1,266
△1,988
△722
現金及び現金同等物の期首残高
19,734
17,368
△2,366
売却目的保有に分類される処分グループに係る資産に含まれる現金及び現金同等物(△は減少)
△1,100
-
1,100
現金及び現金同等物の期末残高
17,368
15,380
△1,988
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、78億円(前期比225億円、74%減)となりました。これは主に、法人所得税等の支払額100億円、退職給付に係る資産及び負債の増減額57億円、棚卸資産の増減額50億円の減少要因があった一方、減価償却費及び償却費212億円、税引前利益114億円の増加要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、461億円(前期は207億円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入19億円があった一方で、STONE BREWING CO.,LLC買収による連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出226億円、投資不動産の取得による支出127億円、有形固定資産の取得による支出80億円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、365億円(前期は531億円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出166億円があった一方、シンジケートローンの長期借入による収入500億円があったことによるものです。
なお、当連結会計年度末のセグメント別の設備投資額等の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
酒類
食品飲料
不動産
その他
全社又は消去
連結合計
EBITDA(注)
2022年12月期
18,898
4,385
11,495
18
△4,916
29,879
2021年12月期
15,477
3,747
13,687
37
△4,308
28,639
増減
3,422
638
△2,192
△19
△608
1,241
設備投資
(支払ベース)
2022年12月期
6,391
2,144
12,785
-
1,006
22,326
2021年12月期
7,143
5,068
8,218
-
845
21,274
増減
△752
△2,924
4,567
-
161
1,052
減価償却費及び
償却費
2022年12月期
11,843
2,617
5,036
-
1,738
21,234
2021年12月期
11,166
4,132
5,461
0
1,901
22,660
増減
677
△1,515
△425
△0
△163
△1,426
(注) EBITDA(事業利益+減価償却費)算出の際の減価償却費につきまして、飲食店舗の家賃にかかるリース資産の減価償却費を除いております。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来に関する事項には不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループは、過去の実績又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しています。
重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ① 業績」に記載のとおりです。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、概ね「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
中でも、当社グループでは海外での事業展開を進めており、日本国内の景気動向のみではなく、事業活動を行っている国・地域の経済動向及びその他の要因により影響を受ける可能性があり、リスク管理体制を一層強化する取り組みを進めます。
経営環境が依然として不透明な状況が続く中、環境変化への対応力を一層高める取り組みを進めます。
④事業戦略と見通し
・次期は、「Beyond150 ~事業構造を転換し新たな成長へ~」をテーマに、「中期経営計画(2023~26)」の1年目として、構造改革を断行し、成長戦略の実現を目指します。
・ウクライナ情勢や原材料高騰による物価上昇により、消費者の生活防衛意識が高まることが懸念される等、依然として先行きは不透明な状況が続くことが想定されます。しかしながら、国内・海外共に新型コロナウイルスと共存する「ウィズコロナ」の生活様式が浸透する中、新型コロナウイルスの影響は限定的となることが想定され、外食事業や業務用商品の需要は緩やかな回復が続く見通しです。
・このような中、当社グループは構造改革の断行と成長の加速により収益力の強化を図ります。酒類事業や食品飲料事業においては、更なる原材料高騰が見込まれますが、価格改定に加えて、コスト削減や不採算事業の抜本的な見直し等の構造改革で利益を確保して参ります。不動産事業では、長期的な時間軸で、賃貸中心から総合的に資産価値向上を図る事業体に転換し、収益性と資産効率の向上を図ります。また、海外事業では、北米酒類、海外飲料の売上拡大を図り、グループの成長ドライバーにしていきます。これらの取り組みにより、グループ全体の収益力向上に努めます。
・以上により、売上収益4,900億円、事業利益135億円、営業利益95億円、親会社の所有者に帰属する当期利益55億円を見込んでおります。
〔酒類事業〕
(国内酒類)
・次期は、2023年10月の酒税改定を見据えたビール強化とRTD強化により一層注力します。RTDは売上の成長と共に、仙台工場のRTD設備稼働により、生産性向上に努めて参ります。原材料高騰は当期に引き続き国内酒類の業績に強く影響を与えるものの、価格改定や品種ミックス改善に努めること等によりその影響を吸収していく見通しです。
(海外酒類)
・成長ドライバーとなるアメリカにおいて、STONE BREWING CO.,LLCとの早期のシナジー創出を図り、サッポロブランドビールの売上成長と生産及び物流体制の確立に向けて取り組むことにより収益力の強化に努めて参ります。カナダにおいては、原価高騰の影響を大きく受ける見通しでおりますが、スリーマン社のプレミアムブランドのビールの強化及びコスト構造改革により収益力回復を目指します。
(外食)
・新型コロナウイルスの影響により、パブレストラン・居酒屋業界の需要は不安定な状況が続くことが想定されるものの、緩やかな回復が続く見通しです。そのような中、外食ではポストコロナを見据えた強固な経営体制の構築を図るべく、YEBISU BAR、銀座ライオンといった注力業態へのリソースシフトを進め、更なる収益力改善に努めて参ります。
〔食品飲料事業〕
(国内食品飲料)
・次期は、成長事業であるレモン事業へのリソース集中に向けた取り組みを加速させて参ります。更なる原材料高騰が見込まれますが、価格改定に加えて、コスト削減やSKUの大幅な削減による生産性向上、不採算事業等の整理に伴う構造改革を実行することにより収益力の強化を図って参ります。
(海外飲料)
・海外飲料は、原材料高騰の影響を受けるものの、価格改定等によりその対策を講じます。シンガポールを起点にマレーシア、中東等の成長余地のある国で販売及びマーケティングの体制を強化することで、グループの成長ドライバーとしていきます。
〔不動産事業〕
次期は、恵比寿及び札幌エリアのコア物件の価値向上とまちづくりの推進により競争力強化を図りながら、資産回転型ビジネスモデルの構築を進めていきます。長期的な時間軸で、賃貸中心の収益基盤から、総合的な資産価値の向上に努めて参ります。
⑤当連結会計年度末の連結財政状態の分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ)キャッシュ・フローの分析
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりです。
2021年12月期
2022年12月期
親会社所有者帰属持分比率(%)
27.3
26.0
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)
28.6
40.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
8.3
37.9
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
20.1
4.5
親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分÷資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額÷資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー÷利払い
(注)1 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3 有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象
としております。
ⅱ)資金の流動性及び資金の調達について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、生産・販売活動のための製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資として酒類事業及び食品飲料事業における工場整備への投資、不動産事業による投資不動産への投資、また海外事業や新規事業等の成長分野に対するM&Aへの投資等によるものであります。
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を当社が一元管理しています。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っています。
現在そして将来の営業活動及び債務の返済等の資金需要に備え十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めています。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フロー、金融機関等からの借入れによって調達しています。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
今後の方針につきましては、「中期経営計画(2023~26)」の基本方針である「Beyond150 ~事業構造を転換し新たな成長へ~」をテーマに、経営課題への取り組みを推進します。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(kl)
前期比(%)
酒類事業(ビール・発泡酒・新ジャンル等)
754,002
2.8
酒類事業(ワイン・焼酎・RTD等)
98,326
5.2
食品飲料事業(飲料水等)
358,768
12.6
②受注実績
当社グループでは、ほとんど受注生産を行っておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前期比(%)
酒類事業
334,644
15.5
食品飲料事業
122,914
△2.0
不動産事業
20,724
△5.2
報告セグメント計
478,282
9.4
その他
140
△15.5
合計
478,422
9.4
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
国分グループ本社㈱
53,187
12.2
62,061
13.0