【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、2030年に向けた中長期ビジョン「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる」を掲げています。2022年4月より2025年3月までの3年間を対象とする中期経営計画においては、①経営基盤(ガバナンス)の強化、②アジア・北米での展開を加速、③国内の深掘りと新領域への挑戦、④サステナブル経営の推進を基本方針として、持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの事業環境は、日本国内において新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、旅行や外食およびインバウンド消費が回復する一方で、物価上昇による消費者の節約志向の高まりが見られました。海外でも世界的な金融引き締めによる景気減速が見られるなど、国内外とも予断を許さない状況が続いています。
このような状況の中、当第2四半期連結累計期間の売上高は、『国内食品事業』、『国内化成品その他事業』が前年同期を上回る実績を確保し、446億13百万円(前年同期比9億82百万円、2.3%増)となりました。
利益面では、海外事業が販売数量の減少などにより減益となりましたが、国内食品事業および国内化成品その他事業において原材料等の高騰に対する価格改定の効果が出たことなどにより、営業利益は45億96百万円(前年同期比10億39百万円、29.2%増)、経常利益は52億20百万円(前年同期比10億71百万円、25.8%増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は36億67百万円(前年同期比5億21百万円、16.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
〔国内食品事業〕
『家庭用食品』の売上高は、前年同期を上回りました。海藻商品では昨秋発売の新商品「ふりかけるザクザクわかめ®」シリーズが、乾燥わかめ「ふえるわかめちゃん®」の減少分をカバーし、売上高は前年同期を上回りました。ドレッシングは、春に先行発売し、2023年8月に全国発売した「インドカレー屋さんの謎ドレッシング®」がSNSを中心に話題となり、出荷数量が70万本を突破しました。一方で主力の「リケンのノンオイル」シリーズがTVCM放映時期の見直しや、2023年8月に価格改定を実施した影響で販売数量が減少し、ドレッシング全体の売上高は前年同期を下回りました。食塩無添加のだしの素「素材力だし®」の売上高は前年同期を上回りました。
『業務用食品』の売上高は、前年同期を上回りました。調味料類を中心に外食産業向けの需要回復による販売が伸長したほか、海藻商品でCVS向けの販売が伸長しました。また、引き続き原材料価格などの高騰を受けた価格改定や商品の見直しを進めました。
『加工食品用原料等』の売上高は、前年同期を上回りました。価格改定による増収効果に加え、原料の供給不安や食品ロス問題への対応など多様化する顧客ニーズに合わせた食品用改良剤の提案を進めた結果、販売数量が回復傾向となりました。また、医薬品向けのマイクロカプセルの販売が好調に推移しました。
利益面では、原材料価格の高騰の影響を受けたものの、価格改定効果や広告宣伝費の減少により、営業利益は前年同期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、前年同期から28億52百万円(10.1%)増加した310億82百万円となり、営業利益は35億75百万円(前年同期比14億35百万円増)となりました。
〔国内化成品その他事業〕
『化成品(改良剤)』では、化学工業用分野(プラスチック・食品用包材・農業用フィルム・ゴム製品・化粧品など)において、顧客ニーズをとらえたソリューションビジネスを展開しています。化成品業界における需要減少の影響により販売数量が減少した一方で、前期中に推進した価格改定の効果により、売上高および営業利益ともに前年同期を上回りました。
『その他』の事業では、飼料用油脂の売上が前年同期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、前年同期から2億79百万円(8.0%)増加した37億71百万円となり、営業利益は3億42百万円(前年同期比2億64百万円増)となりました。
〔海外事業〕
海外事業では、主に食品用改良剤、化成品用改良剤を世界各地に販売しています。サプライチェーンの安定化に伴う顧客の在庫調整や世界的な景気減速の影響により販売数量が減少したことに加え、油脂相場および海上運賃の下落を受けた価格改定を行ったことにより、全ての地域で売上高が前年同期を下回りました。特に欧州や北米では前年同期に大きく増加した反動で、大幅な減収となりました。利益面では、物流コストの減少が増益要因となったほか、日本の「アプリケーション&イノベーションセンター」と海外の「アプリケーションセンター」の連携によりスペシャリティ品の提案を進めましたが、販売数量減少の影響をカバーするには至りませんでした。
この結果、当セグメントの売上高は、前年同期から23億52百万円(18.4%)減少した104億23百万円となり、営業利益は9億84百万円(前年同期比6億15百万円減)となりました。
財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は1,139億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ86億90百万円増加しました。主な増加は、投資有価証券33億65百万円、受取手形及び売掛金23億24百万円、現金及び預金19億23百万円、棚卸資産8億18百万円であります。
負債は365億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ26億96百万円増加しました。主な増加は、支払手形及び買掛金17億68百万円、その他固定負債14億80百万円、その他流動負債5億79百万円、主な減少は、長期借入金13億9百万円であります。
純資産は773億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ59億93百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益の計上で36億67百万円増加し、剰余金の配当で11億87百万円減少したこと、その他有価証券評価差額金が23億28百万円増加したこと、為替換算調整勘定が12億円増加したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の残高は184億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億33百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは46億49百万円の収入となりました。主な増加は、税金等調整前四半期純利益51億81百万円、仕入債務の増加額17億68百万円、減価償却費16億71百万円であり、主な減少は、売上債権の増加額21億96百万円、法人税等の支払額10億11百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは7億29百万円の支出となりました。主な減少は、有形固定資産の取得による支出7億54百万円であります。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは39億20百万円の純収入となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは26億73百万円の支出となりました。主な減少は、長期借入金の返済による支出13億9百万円、配当金の支払額11億88百万円であります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、16億24百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。