【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、大きく停滞した経済活動は徐々に回復しつつありますが、輸出、生産活動には持ち直しの動きがみられるものの、このところそのテンポは弱く、また、設備投資、雇用・所得環境、個人消費の回復は鈍く、依然として厳しい状況にあります。先行きは、ワクチン接種の普及により感染者数が減少し、経済活動の本格的な回復が期待されますが、不透明な状況にあります。
消費者心理は、雇用・所得環境など経済情勢の先行き不透明感から厳しい状況にあります。また、消費者の購買行動は、新型コロナウイルス感染防止から人との接触を控える行動様式が続き、食料品などの日常品購買が中心になっていますが、節約志向は依然として続いています。
水産物流通業界におきましては、新型コロナウイルス感染防止に伴う世界的な行動自粛などの影響により、内食関連需要は一部伸長するものの、外食・宿泊・インバウンド関連需要や輸出の回復は鈍く、加えて業種・業態の垣根を越えた販売競争が繰り広げられるなど、極めて厳しい経営環境下にありました。
このような環境にあって、当社グループは、全体最適のグループ経営のもと、販売力・調達力の強化、顧客起点志向の追求、地域に対応したソリューションの提供、業務の効率化、諸経費の削減などに注力し積極的な事業活動を展開してまいりました。
そのうえで、『OUGグループ中期経営計画2021』(2021年度~2023年度)を実践することにより、バリューチェーンの最適化を意識したグループ役職員の個々の行動変容を通じ、業績を向上させてまいります。
この結果、当第2四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて11,010百万円増加し、89,752百万円となりました。これは主に、棚卸資産の増加7,604百万円、売上債権の増加2,794百万円によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べて10,178百万円増加し、65,079百万円となりました。これは主に、借入金の増加9,010百万円、支払手形及び買掛金の増加1,850百万円によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて831百万円増加し、24,672百万円(自己資本比率27.5%)となりました。これは主に、利益剰余金の増加892百万円によるものであります。
b.経営成績
当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は156,104百万円(前年同四半期比111.7%)となりました。損益面では、売上総利益は13,864百万円(前年同四半期比108.0%)となり、営業利益1,790百万円(前年同四半期比166.8%)、経常利益1,940百万円(前年同四半期比159.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,225百万円(前年同四半期比156.4%)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<水産物荷受事業>
中央卸売市場を核とする集荷販売機能をもつ水産物荷受事業は、一部外食・中食向け販売に回復傾向が見られる中、内食関連販売も堅調に推移しており、販売価格の上昇により販売数量は減少しましたが、売上高は拡大し、利益面については調達コスト上昇による売上総利益率の低下や販管費の増加から、売上高97,555百万円(前年同四半期比109.2%)、セグメント利益1,388百万円(前年同四半期比86.4%)となりました。
<市場外水産物卸売事業>
全国各地を網羅する販売拠点を活かした幅広い流通網をもつ市場外水産物卸売事業は、量販店関連の販売が堅調に推移するとともに、外食・宿泊関連の販売にも回復傾向が見られて業績は改善しましたが、調達コストの上昇や物流経費等増加分の価格転嫁が遅れ、売上高59,635百万円(前年同四半期比115.1%)、セグメント損失41百万円(前年同四半期はセグメント損失700百万円)となりました。
<養殖事業>
九州、四国にて、ハマチ、ブリ、マグロの養殖を展開する養殖事業は、飼料、資材、燃料費等の値上げによる生産コストの上昇が続く中、販売数量は減少しましたが、販売価格の高値安定が支えとなり、売上高4,112百万円(前年同四半期比119.4%)、セグメント利益503百万円(前年同四半期比260.4%)となりました。
<食品加工事業>
消費地にある食品加工センターでの水産加工、量販店向けの米飯加工、カット野菜加工、飲食事業者向けの加工・調理サービスなどを行う食品加工事業は、輸入原材料の調達コスト高騰による販売数量の減少や生産コスト、販管費の増加により、売上高2,092百万円(前年同四半期比97.2%)、セグメント損失41百万円(前年同四半期はセグメント損失17百万円)となりました。
<物流事業>
物流センターにおいて、搬入された水産物等を量販店等の配送先別に仕分け・配送を行う物流事業は、配送コストや人件費、光熱費等の増加により、売上高798百万円(前年同四半期比85.5%)、セグメント損失10百万円(前年同四半期はセグメント損失7百万円)となりました。
<その他>
グループの水産物流通を補完するリース事業等その他は、売上高1,757百万円(前年同四半期比117.9%)、セグメント損失71百万円(前年同四半期はセグメント損失105百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて320百万円増加し、2,911百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは7,715百万円の支出(前年同四半期は5,145百万円の支出)となりました。これは主に、仕入債務の増加1,700百万円(前年同四半期は1,174百万円の増加)がありましたが、棚卸資産の増加7,604百万円(前年同四半期は7,826百万円の増加)、売上債権の増加2,794百万円(前年同四半期は585百万円の減少)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは643百万円の支出(前年同四半期は610百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出474百万円(前年同四半期は445百万円の支出)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは8,678百万円の収入(前年同四半期は5,653百万円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払330百万円(前年同四半期は331百万円の支払)がありましたが、借入金の増加による純収入9,010百万円(前年同四半期は5,987百万円の純収入)によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。