【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日) 等を適用しております。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いておりますが、当第 3四半期累計期間の損益に与える影響は軽微であります。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連 結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日~2022年9月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限緩和が継続し回復の兆しが見られたものの、7月以降第7波の急拡大に加えて、世界的な半導体等の部品不足や資源価格の高騰、ウクライナ情勢の長期化、急激な円安の進行等もあり、依然として不透明な状況が続いております。
ケーブルテレビ業界におきましては、日本ケーブルテレビ連盟が策定した「2030ケーブルビジョン」のもと、業界内外のパートナーシップによる連携サービスの実現などを目指す取り組みとして、2022年9月25日に「CATV Online Challenge CUP」(全国ケーブルテレビ横断eスポーツ大交流会実行委員会主催)が開催されました。放送と通信両方のノウハウを持ち、地域密着が特徴であるケーブルテレビ事業者が、近年注目を集めているeスポーツを地域活性化・共生社会の実現ツールとして活用し、自治体や地元企業と連携してBtoB・BtoGビジネスへ繋げていく動きを推進しております。
また、動画配信プラットフォーム「ロコテレ動画」のサービス実証も開始され、約6ヶ月間にわたり株式会社ニューメディアを中心とした全国ケーブルテレビ26社のコンテンツをIP配信することの有効性や事業モデル等について評価・検討されるなど、2030年のCATVのオールIP化に向け、業界一体となった様々なプロジェクトが推進されております。
これらを背景としたネットワークの高速化・安定化に対する継続したニーズの高まりに対応すべく、受注活動を展開してまいりましたが、前期計上したような大型工事案件の受注に至らなかったことや、一部機器の長納期化に伴う工事の遅れ、また一部顧客の機器購買計画変更の影響などにより、前年同四半期比減収となりました。また、利益面では減収に加え、円安の進行と部品供給不足の影響による売上原価上昇のため、減益となっております。
以上により、連結売上高は7,514百万円(前年同四半期比22.4%減)、営業利益は284百万円(同70.3%減)、経常利益は324百万円(同69.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は201百万円(同72.1%減)となりました。
<新型コロナウイルス感染拡大に対する当社及び当社グループの対応と事業への影響>
当社及び当社グループは、「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策本部」を社内に設置しお客様、お取引先様、当社役員ならびに従業員及びそのご家族の安全確保と感染拡大防止を最優先に、政府・自治体等の指示に従い、時差出勤や在宅勤務の推進とWeb会議システムを活用した営業活動等、感染防止対策と健全な事業の継続に向けた対応を随時実施してまいりました。
今後、状況の進展及び事業の進捗を踏まえ、適時開示の必要性が生じた場合には、速やかに開示いたします。
a.財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は7,254百万円となり、前連結会計年度末に比べ142百万円増加いたしました。これは主に商品及び製品が375百万円、原材料及び貯蔵品が284百万円、仕掛品が64百万円増加、完成工事未収入金が584百万円減少したことによるものであります。固定資産は3,350百万円となり、前連結会計年度末に比べ127百万円増加いたしました。
この結果、総資産は10,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ269百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は4,407百万円となり、前連結会計年度末に比べ194百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が1,650百万円増加、支払手形及び買掛金が522百万円、未払法人税等が319百万円、賞与引当金が138百万円減少したことによるものであります。固定負債は967百万円となり、前連結会計年度末に比べ115百万円減少いたしました。これは主に長期未払金が99百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は5,374百万円となり、前連結会計年度末に比べ78百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は5,231百万円となり、前連結会計年度末に比べ190百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益201百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は49.3%(前連結会計年度末は48.8%)となりました。
b.経営成績
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は7,514百万円(前年同四半期比22.4%減)、営業利益は284百万円(同70.3%減)、経常利益は324百万円(同69.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は201百万円(同72.1%減)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の総額は92百万円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループの主要取引先はケーブルテレビ事業者であります。ケーブルテレビは、多チャンネル放送サービス、地域に密着した放送サービス、更にはインターネット接続サービスも提供する総合的な情報通信基盤として成長してきましたが、情報通信分野では、いわゆるトリプルプレイ(放送、インターネット、電話)において大手キャリアとケーブルテレビ事業者の放送・通信の相互参入による競争が激化しております。
このような経営環境の中で、ケーブルテレビ事業者は加入者確保のために施設の高度化や新たなサービスを模索していくことが必須ではあるものの、政策の変化による資金調達の影響や新技術導入時期の調整等により、設備投資が大きく変化する場合、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。
(8)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、受注高は7,202百万円(前年同期は9,270百万円)となっており、受注残高は3,685百万円(同4,352百万円)となっております。
また、販売実績は7,514百万円(同9,678百万円)となっております。
(9)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更があったものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名
(所在地)
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着手及び完了予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額
(百万円)
着手
完了
提出会社
可児工場
(岐阜県可児市)
建物・製造設備等
500
-
新株予約権の発行及び行使による調達資金、自己資金
2023年1月
2025年12月
-
愛知電子(中山)有限公司
中山工場(中国広東省)
建物・製造設備等
-
提出会社からの投融資資金
2023年1月
2025年12月
-
提出会社
SYNC Labo(仮)(愛知県名古屋市)
建物
600
20
新株予約権の発行及び行使による調達資金、自己資金
2022年11月
2023年
9月
-
(注)1.完成後の増加能力につきましては、合理的な算出が困難なため、記載を省略しております。
2.2021年8月19日付「有価証券届出書」にて公表し、前事業年度の「有価証券報告書」にて一部修正いたしました「第一部 証券情報 第1 募集要項 2 新規発行による手取金の使途(2)手取金の使途」について重要な変更が生じております。
(1)変更の理由
2021年8月19日付「有価証券届出書」にて、新株予約権の権利行使による調達資金の一部使途については、内容が固まり次第、速やかにお知らせすることとしておりましたが、2022年6月21日付「第1回新株予約権の資金使途変更に関するお知らせ」にて、具体的な使途、金額、支出予定時期について以下のとおり変更した旨公表いたしました。
① 生産設備の増強資金
当初は、可児工場における製造設備等への設備投資と中国子会社への投融資を通じた設備投資資金に500百万円を充当する予定でしたが、様々な観点から検討した結果、新型コロナウイルス感染症の長期にわたる影響と地政学リスク、資源高、材料費・運賃高騰、円安進行など、国際情勢は当面不安定であることから、中国子会社を含めた生産設備の増強については優先順位を下げ、国内における技術開発投資を先行することとし、222百万円を②技術開発投資資金へ充当します。残資金278百万円の配分については、前述のとおり情勢が不安定であることから決定しておりませんが、今後内容が固まり次第、速やかにお知らせいたします。
② 技術開発投資資金
技術開発投資資金は273百万円を充当する予定でしたが、本新株予約権の行使とともに行使価額の修正が行われたことにより、調達する資金の合計額に変動が生じ、行使完了時点では43百万円を充当する予定となりその旨を前事業年度の有価証券報告書に記載いたしました。今回、顧客ニーズを考慮したシステム開発と開発要員の育成・確保及び本社機能拡充のための拠点建設資金の一部として300百万円、新規マーケットにおけるシェア拡大のための機器・システム開発に使用する測定器及び検証用機器購入に21百万円、保守サポート体制拡充のための検証設備投資に1百万円の合計322百万円を新たに充当します。
③ デジタル投資資金
主要基幹システム刷新に300百万円充当する予定でしたが、2022年1月より課題解決のためのデジタル化検討を進める中で調達資金の充当は200百万円とし、100百万円を②技術開発投資資金へ充当します。
(2)変更の内容
資金使途の変更の内容は以下のとおりです。変更箇所には下線を付しております。
<変更前>(2021年8月19日付開示内容)
具体的な使途
金額(百万円)
支出予定期間
① 生産設備の増強資金
500
2023年1月~2025年12月
② 技術開発投資資金
273
2022年7月~2025年6月
③ デジタル投資資金
300
2022年1月~2024年12月
合計
1,073
–
<変更後>
具体的な使途
金額(百万円)
支出予定期間
① 生産設備の増強資金
278
2023年1月~2025年12月
② 技術開発投資資金
365
2021年11月~2025年6月
③ デジタル投資資金
200
2022年1月~2024年12月
合計
843
–
変更前の合計は、当初行使金額で全ての本新株予約権が行使されたと仮定した場合の資金調達額であり、本新株予約権の行使とともに行使価額の修正が行われたことにより、資金調達額に変動が生じているため変更後の合計が異なっております。