【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績当連結会計年度における当社グループの事業環境は、前半に新型コロナウイルス感染症が拡大したものの、後半には社会経済活動の持ち直しの動きがみられました。一方で、ロシアのウクライナ侵攻などに起因するエネルギー価格の高騰や急速な円安による経済への影響など、先行き不透明な状況が続きました。また、エネルギーの自由化による競争が一層厳しさを増す中、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、脱炭素社会を目指す動きがさらに加速するなど、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。このような状況のもと、当社グループは、ガスの販売拡大を中心とした積極的な営業活動や保安の強化に取り組むとともに、当社独自のエネルギーマネジメントシステム「EMINEL(エミネル)」のサービスの普及拡大、北海道内の自治体との連携によるエネルギー地産地消の拡大等、「総合エネルギーサービス事業」の展開に向けた取組みに加え、太陽光発電設備の新設等、低炭素・脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速してまいりました。連結売上高につきましては、都市ガス販売量および電力販売量の増加に加え、原料費調整制度による販売単価の上昇等により、前連結会計年度に比べ37.7%増の174,840百万円となりました。経常利益は、都市ガスおよび電力販売量の増加等に加え、原料調達の取り組み成果や業務改革の推進等により、同83.4%増の13,395百万円となりました。2020年に収受した都市計画に伴う道路用地補償金の当期戻入益を特別利益として408百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、同90.2%増の9,963百万円となりました。なお、当社グループの連結業績は、冬季から春先にかけてガスおよびLPG販売等エネルギー関連の需要が大きく、多くの売上が計上されるという季節的変動要因があります。セグメント別の業績は次のとおりであります。
① ガス当連結会計年度末の取付メーター件数は、積極的に天然ガスの普及拡大を図った結果、新設件数が8年連続で1万件を超え、家庭用を中心に新設件数が撤去件数を上回ったことで、前連結会計年度末に比べ1.1%増加し、同6,278件増の600,882件となりました。なお、当社の小売お客さま件数につきましては、同963件減の492,520件となりました。都市ガス販売量は、家庭用につきましては、春先と冬季の気温が高く推移したことにより、同2.0%減の216百万㎥となりました。業務用につきましては、観光業の回復等により、ホテルや飲食店を中心に稼働率が向上したこと等により、同1.5%増の386百万㎥となりました。以上の結果、他のガス事業者向け卸供給を含めました総販売量は同0.9%増の626百万㎥となりました。ガス全体の売上高は、都市ガス販売量が増加したことに加え、原料費調整制度による販売単価の上昇等により、同51.3%増の112,853百万円となりました。セグメント利益は、ガス販売量の増加および原料調達の取り組み成果や業務改革の推進等により、同85.6%増の13,498百万円となりました。
② 電力 当連結会計年度末のお客さま件数は、WEBマーケティング等のデジタルを活用した営業等による家庭用分野のお客さま件数の拡大等により、前連結会計年度末に比べ11.6%増加し、24,316件増の234,083件となりました。また、電力販売量は、お客さま件数の増加等により低圧の販売量が増加したことに加え、市場への販売量を拡大したことにより、同10.3%増の979百万kWhとなりました。売上高は、低圧販売量や市場への販売量拡大に加え、燃料費調整制度による販売単価の上昇等により、前連結会計年度に比べ30.0%増の28,749百万円となりました。セグメント利益は、発電および調達電力の単価上昇に加え、燃料費調整制度における上限を超過したことにより、同30.0%減の674百万円となりました。
③ エネルギー関連売上高は、原料費調整制度における販売単価の上昇等によるLPG事業および熱事業の増収や、ガス機器等の器具販売の増収により、前連結会計年度に比べ14.3%増の36,574百万円となりました。セグメント利益は、器具販売の増収等により、同14.0%増の1,312百万円となりました。
④ その他売上高は、ITサービス事業の増収等により、前連結会計年度に比べ14.0%増の3,359百万円となり、セグメント利益は大型物件の減少等により、同10.8%減の265百万円となりました。
(目標とする経営指標の実績)2022年度における当社グループの経営指標の実績は下記のとおり。
項目
2022年度
連結売上高
1,748億円
連結営業利益
133億円
連結有利子負債
805億円
自己資本比率
35.8%
(注) 1 本書面では、ガス量はすべて1㎥当り45メガジュール(10,750キロカロリー)で表示しております。
(2) 財政状態当連結会計年度末の総資産につきましては、設備投資および原材料在庫が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ23,364百万円増加し、183,797百万円となりました。負債は、社債の発行等により、同14,563百万円増加し、115,801百万円となりました。純資産は、利益剰余金の増加等により、同8,800百万円増加し、67,996百万円となりました。
(3) キャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、原料LNGの高騰に伴う棚卸資産の増加等により、前連結会計年度に比べ13,017百万円減少し、6,695百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出の増加等により、同11,456百万円支出額が増加し、22,561百万円の支出となりました。これらを合計した当期のフリー・キャッシュ・フローは15,866百万円のマイナスとなりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行等により、9,032百万円の収入となりました。なお、有利子負債につきましては、社債の発行等により、同10,347百万円増加し、80,547百万円となりました。現金及び現金同等物の期末残高は同6,846百万円減少し、2,719百万円となりました。
(資本の財源及び資金の流動性)当社グループにおける資金需要は、主に、設備投資、有利子負債返済、運転資金となります。資金調達に関しては、安定的な長期の調達を基本としつつ、期中に必要となる運転資金に関しては、マーケットの状況を勘案のうえ、短期借入金・短期社債(電子CP)等を調達する方針です。当連結会計年度末における有利子負債残高は80,547百万円となっております。なお、資金調達の多様化を図るため、主要な取引先金融機関との良好な取引関係維持に加え、国内2社の格付機関から格付を取得しております。株式会社日本格付研究所の格付は、「A+(安定的)」、株式会社格付投資情報センターの格付は、「A+(安定的)」となっております。また、当社グループ内の資金は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の導入により効率的な資金管理を行っております。
(4) 生産、受注及び販売の実績当社グループにおきましては、「都市ガス事業」が売上高及び営業費用共に連結財務諸表の大半を占めており、当該セグメントが当社グループの生産、受注及び販売活動の中心となっております。以下は、「都市ガス事業」における当社の生産、受注及び販売の実績について記載しております。
① 生産実績 当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
区分
生産量(千m3)
対前年増減率(%)
都市ガス
石狩LNG基地
569,861
△0.8
函館みなと工場
51,547
1.3
北見工場
10,868
1.3
計
632,276
△0.6
② 受注実績 都市ガス事業については、その事業の性質上、受注生産を行っておりません。
③ 販売実績
都市ガス販売実績 当連結会計年度における都市ガス販売実績は次のとおりであります。
区分
販売量
対前年増減率(%)
都市ガス
家庭用
216,935
千m3
△2.0
その他
386,664
千m3
1.5
計
603,599
千m3
0.2
他事業者向け供給
23,119
千m3
23.0
総販売量
626,718
千m3
0.9
月平均調定件数
462,637
件
△1.1
調定件数1件当たり月平均販売量
108.7
m3
1.4
区分
販売高(百万円)
対前年増減率(%)
都市ガス
家庭用
39,146
29.2
その他
51,635
65.5
計
90,782
47.6
取付メーター件数及び普及率 2023年3月末における地区別取付メーター件数及び普及率は次のとおりであります。
地区別
世帯数(世帯)
取付メーター件数(件)
普及率(%)
札幌地区
896,547
(1.0)
466,114
(1.4)
52.0
(0.4)
函館地区
112,869
(△0.5)
63,724
(△0.5)
56.5
(0.0)
小樽地区
43,876
(△1.1)
31,520
(△0.6)
71.8
(0.4)
千歳地区
47,006
(1.2)
21,106
(1.0)
44.9
(△0.2)
北見地区
44,150
(0.0)
18,418
(1.7)
41.7
(1.7)
計
1,144,448
(0.8)
600,882
(1.1)
52.5
(0.4)
(注) 1 世帯数は、供給区域の住民基本台帳及び各自治体の資料から推計した一般世帯数であります。 2 ( )内数値は対前年増減率(%)であります。
都市ガス料金供給約款料金に対しては、下記の料金が適用されます。この区分によるa基本料金およびb従量料金の合計とし、各月の使用量に応じてA・B・C・D・Eのいずれかの料金表が適用されます。また、一般ガス供給約款で定める料金以外に、選択約款による料金や個別交渉による大口向けの料金があります。
a 基本料金基本料金は、1か月につき次のとおりであります。
料金表種別
1か月の使用量
基本料金(税込)(ガスメーター1個につき)
A
0m3から15m3まで
946.00円
B
15m3を超え50m3まで
1,454.20円
C
50m3を超え200m3まで
2,013.00円
D
200m3を超え800m3まで
7,700.00円
E
800m3を超える場合
9,900.00円
b 従量料金従量料金は、使用量に次の単位料金を乗じて算定しております。
料金表種別
1か月の使用量
基準単位料金(税込)(1m3につき)
A
0m3から15m3まで
200.69円
B
15m3を超え50m3まで
166.81円
C
50m3を超え200m3まで
155.63円
D
200m3を超え800m3まで
127.20円
E
800m3を超える場合
124.45円
(注) 1 支払期限日(検針日の翌日から30日目)を経過した後に支払われる場合には、その経過日数に応じて1日当たり0.0274%の割合で算定した延滞利息が発生します。 2 上記の料金は1m3当たり45MJです。なお、消費税10%分が含まれております。3 当社は、為替レートや原油価格など外的な要因で変動する原料価格をガス料金に反映する原料費調整制度を導入しております。2022年4月から2023年3月までの調整額は次のとおりであります。
検針月
1m3当たり調整額(税込)
2022年4月
16.90
円
2022年5月
19.95
円
2022年6月
20.79
円
2022年7月
26.05
円
2022年8月
29.10
円
2022年9月
33.63
円
2022年10月
39.08
円 ※1
2022年11月
44.35
円
2022年12月
52.94
円
2023年1月
47.19
円 ※2
2023年2月
26.82
円 ※3
2023年3月
22.20
円 ※3
※1 2022年10月検針分より、原料費調整制度における平均原料価格の上限値を廃止しております。なお、2022年10月検針分から2023年3月検針分までの期間については、平均原料価格が上限値を超えた額の50%を反映しております。
※2 2023年1月検針分の1m3当たり調整額は、当社独自の「都市ガス料金の負担緩和策」として実施した値引き後の金額となっております。(1m3当たり調整額▲10.00円)※3 2023年2月検針分~3月検針分の1m3当たり調整額は、経済産業省の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に参画し実施した値引き後の金額となっております。(1m3当たり調整額▲30.00円) なお、年間契約量が1,000万m3以上のお客さまは本値引きの対象外とされております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、過年度実績や経営計画、入手可能で合理的な情報に基づく仮定等から会計上の見積りを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なる場合があります。
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