【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症の行動制限が緩和されたことにより、人の移動の増加やインバウンド消費などから経済活動が回復へ向かう一方、人手不足による建設事業の着工遅れや欧州における地政学リスクの長期化、欧米の金融引き締め、中国経済の回復の遅れなど不安定な状況が続きました。ステンレス特殊鋼業界におきましては、ステンレス一般材は半導体製造装置や建材分野での生産調整が継続する中でマーケットの荷動きが低迷し、在庫調整局面が継続しました。当社グループの戦略分野である高機能材につきましては、世界的なインフレ影響を受け耐久消費財関連需要が弱含んだ状況となりましたが、環境・エネルギー関連分野の需要は比較的堅調に推移しました。このような外部環境のもとで販売数量は想定より厳しい状況で推移したものの、今年度よりスタートしました「中期経営計画2023」で掲げた施策によりロールマージンの確保に努めたほか、円安による為替メリットや主要原料であるニッケルの価格相場下落と販売価格との時間差などもあり、収益面については想定した水準を確保することができました。その結果、当連結累計期間における当社単体の販売数量につきましては前年同期比26.5%減(高機能材12.9%減、一般材30.1%減)、連結売上高は93,907百万円(前年同期比2,459百万円減)となりましたが、利益面(連結)につきましては営業利益12,901百万円(前年同期比250百万円増)、経常利益12,858百万円(前年同期比542百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益9,032百万円(前年同期比367百万円増)となりました。当第2四半期連結会計期間末における総資産の額は219,764百万円となり、前連結会計年度末対比2,531百万円減少しております。これは主として売上債権の減少(△2,352百万円)、棚卸資産の減少(△1,676百万円)、及び現金及び預金の増加(1,387百万円)によるものであります。当第2四半期連結会計期間末における負債の額は134,410百万円となり、前連結会計年度末対比8,266百万円減少しております。これは主として未払法人税等の減少(△4,265百万円)、1年内返済予定の長期借入金の減少(△1,846百万円)及び長期借入金の減少(△1,718百万円)によるものであります。当第2四半期連結会計期間末における純資産の額は85,354百万円となり、前連結会計年度末対比5,735百万円増加しております。これにより自己資本比率は38.8%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前四半期純利益の計上、売上債権の減少及び棚卸資産の減少等により10,989百万円の収入(前年同期比16,192百万円の収入増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形及び無形固定資産の取得による支出等により、2,574百万円の支出(前年同期比3,818百万円の支出減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、主として長期借入金の返済による支出等により7,128百万円の支出(前年同期比13,710百万円の支出増加)となりました。この結果、当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物残高は、換算差額を含めて13,196百万円となり、前年同期比5,584百万円増加いたしました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、470百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。