【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は新型コロナウイルス感染症の第7波により新規感染者数が過去最多になり、感染が再拡大いたしました。しかしながら足元では、新規感染者数の「全数把握」について見直されるなど、ウィズコロナへ移行しつつあります。また世界経済においては、資源価格の高騰やインフレ率の高止まり、長引くウクライナ情勢の緊迫、欧米における金利上昇、円安等、依然として先行きは不透明な状況にあります。
住宅関連業界におきましては、住宅ローン金利が引続き低水準で推移しているほか、政府などによる各種住宅取得支援策の継続実施等の効果もあり、新築住宅需要は下支えされてきました。
しかしながら、世界的な資源価格の上昇や急激な円安に伴う原材料の高騰による建築資材全般に及ぶコストアップが住宅価格の上昇につながる等、住宅取得マインドの低下が懸念される状況が続いております。
このような状況のなか、当社グループは、木材関連事業では中期的な新設住宅着工戸数の減少に対応するため、新設住宅着工戸数に依存しない新規事業に取り組むことが重要な課題となっており、リフォーム市場やDIY、ECビジネスなどの個人向け市場、非住宅市場などに向けた製品展開を図ってまいります。こうした取り組みの一環として顧客ニーズの把握やライフスタイルの変化を的確に捉える必要がありますが、当社グループの主力製品である収納材は使い方やアレンジの幅が他の内装建材と比べ多様にあると考えております。更に近年お客様のライフスタイルも多様化してきたため、従来のカタログを主体とした製品紹介広告のみでは、当社製品をご利用になるお客様のより快適な暮らしができる使用方法を知りたいというニーズにお応えすることができないのではないかと考え、数年前から東京・名古屋・大阪により収納方法に焦点をあてた体験型ショールームを構築してきました。またDIYなどをお考えの皆様により当社の製品をお求めやすいようアマゾンや楽天市場などの販売経路の拡大にも努めてまいりました。
電線関連事業では、引き続き四国エリアを中心とした販売展開を行いましたが、依然として電材業界に寄与する商業施設物件などの新設が低迷するなか、競合他社との価格競争において厳しい状況が継続しております。また電線業界におきましては、銅をはじめとして鉄、ナイロン、ゴムなどの様々な素材が高騰、そして半導体、電子部品の供給不足が深刻化しており、先行きの売上減少、収益圧迫が懸念されます。このような状況のなか、当社グループは引き続き、徹底した原価管理や販売品目の見直しによる利益率改善に重点を置きつつ、販売の拡大に注力してまいります。
一般管工事関連事業では、西日本エリアにおける化学プラント物件向け配管工事、ライニング工事を中心とした事業展開をしております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顧客の設備投資案件が減少しておりましたが、設備改修案件が回復基調にあります。収束以降の更なる収益拡大に向けて鉄工関連の受注も併せて獲得できるよう現場管理の人員強化等、体制の整備に注力してまいります。
a.財政状態
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は17,042百万円となり、前連結会計年度末に比べ309百万円増加いたしました。これは主に原材料及び貯蔵品1,593百万円の増加、仕掛品474百万円の増加、電子記録債権1,440百万円の減少等によるものであります。固定資産は11,875百万円となり、前連結会計年度末に比べ944百万円増加いたしました。これは投資その他の資産1,615百万円の増加、有形固定資産の651百万円の減少等によるものであります。
この結果、総資産は28,918百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,254百万円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は5,534百万円となり、前連結会計年度末に比べ122百万円増加いたしました。これは主に短期借入金943百万円の増加、支払手形及び買掛金438百万円の減少、未払法人税等258百万円の減少等によるものであります。固定負債は1,920百万円となり、前連結会計年度末に比べ524百万円増加いたしました。これは主に長期借入金288百万円の増加、繰延税金負債132百万円の増加等によるものであります。
この結果、負債合計は7,455百万円となり、前連結会計年度末に比べ647百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は21,463百万円となり、前連結会計年度末に比べ607百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定475百万円の増加、利益剰余金39百万円の増加等によるものであります。
b.経営成績
当第2四半期連結累計期間の売上高は11,474百万円(前年同四半期比9.4%増)、営業利益は659百万円(前年同四半期比41.9%減)、経常利益は788百万円(前年同四半期比31.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は232百万円(前年同四半期比64.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 木材関連事業
当セグメントにおける、国内市場については、収納材を中心にお客様のニーズを第一に製品の生産・販売活動に注力した結果、新規販売先の開拓や新規採用品の増加に繋がり、販売先の拡大が継続しているものの、世界的なインフレ基調と大幅な円安相場の影響により主に原材料価格が高騰したことで、製造原価の上昇によるセグメント利益率の低下は避けられない状況となりました。また、海外市場については、フランス子会社の合板製造販売事業において、販売価格の値上げや製造工程の見直しによる赤字幅の縮小を目指しております。しかし、ロシアウクライナ問題に起因するエネルギー価格の急激な高騰が製造コストを大幅に上昇させる等、経営を取り巻く状況は厳しさを増しております。引き続き、安価なグレードの合板の生産比率が高くなるという生産上の課題に対して、より市場価格の高い高品質な合板の生産比率を上げることや歩留を改善するための設備投資等の梃入れを行い、経営状況の改善に取り組んでまいります。この結果、当セグメントの経営成績は、売上高10,398百万円(前年同四半期比8.0%増)、セグメント利益589百万円(前年同四半期比44.3%減)となりました。
② 電線関連事業
当セグメントでは、地方における電材業界に寄与する物件の新設が減少傾向にあることに対応するため、新規顧客の開拓、小口販売の拡充などの営業強化に取り組みましたが、電材仕入価格の上昇に反して同業各社におけるシェア拡大のための価格競争が激化したことでセグメント利益率は低下する状況となりました。この結果、当セグメントの経営成績は売上高810百万円(前年同四半期比29.5%増)、セグメント利益21百万円(前年同四半期比25.8%減)となりました。
③ 一般管工事関連事業
当セグメントでは、顧客の設備投資および設備改修工事が増加傾向にあり、安定的に工事物件を受注することができました。この結果、当セグメントの経営成績は売上高265百万円(前年同四半期比13.7%増)、セグメント利益36百万円(前年同四半期比0.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ937百万円減少し、2,394百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、支出した資金は1,073百万円(前年同四半期は1,203百万円の収入)となりました。
これは、主な増加要因としては、売上債権の減少額1,620百万円、税金等調整前四半期純利益750百万円等であるのに対し、減少要因として、棚卸資産の増加額1,924百万円、法人税等の支払額696百万円、仕入債務の減少額547百万円、その他(営業活動)275百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は996百万円(前年同四半期比132.8%増)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出553百万円、投資不動産の取得による支出421百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は922百万円(前年同四半期は138百万円の支出)となりました。
これは、主に短期借入金の純増額782百万円、長期借入れによる収入500百万円、配当金の支払額193百万円、長期借入金の返済による支出159百万円等によるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、44百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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