【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で急速に悪化した後、持ち直しておりましたが、緊急事態宣言の再発令を受けて年度末にかけて再び弱い動きとなりました。鉱工業生産は、国内外の需要の落ち込みや世界各国の工場停止に伴うサプライチェーン障害により大幅に減少した後、経済活動の持ち直しを受けて回復しております。企業収益は急速に悪化した後、年央以降は製造業を中心に回復しており、それに連れて設備投資も下げ止まりつつあります。個人消費は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた店舗休業や外出自粛の影響で急速に落ち込んだ後、持ち直しておりましたが、緊急事態宣言の再発令を受けて対面型サービス消費を中心に弱い動きとなりました。
当社グループが属する動物医療業界におきましては、犬猫飼育頭数は減少傾向にありますが、一方で新規犬猫飼育頭数はここ2年間で増加傾向にあり、特に2020年には新型コロナウイルス感染症に伴う巣ごもりの影響等により、過去5年で最多となりました。また、犬猫の高齢化に伴い、疾病が多様化する中で飼い主の動物医療に対する多様化・高度化要請は高まってきております。
このような環境の中、当社グループは、社長を対策本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、全社的な対応方針の決定や具体的な施策の実行により、従業員とその家族、来院する飼い主の安全確保、感染拡大防止に最優先に取り組んでまいりました。
動物病院は「社会生活を維持する上で必要な施設」として、事業の継続を要請されてきたことや、動物の二次診療サービスは急なニーズに応えるものが多いことから、新型コロナウイルス拡大による業績への影響は、比較的軽微でありました。
症例実績を発表する場である学会や各種セミナーが開催不可能な状況となるなど、マイナスの影響もありましたが、当社グループは日頃の診療活動を通じた一次診療施設とのコミュニケーション強化を継続することによって、動物医療業界における信頼の獲得、認知度の向上と、それに伴う紹介症例数の増加に努めてまいりました。全体として初診数(新規に受け入れた症例数)は6,926件(前連結会計年度比6.9%増)、総診療数(初診数と再診数の合計)は27,269件(前連結会計年度比7.8%増)、手術数は2,108件(前連結会計年度比6.6%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,847,833千円(前連結会計年度比4.2%増)と増収となりましたが、利益面では、主に従業員の増加及び待遇改善に伴う人件費増加の影響から、営業利益405,543千円(前連結会計年度比5.8%減)、経常利益410,963千円(前連結会計年度比8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益285,190千円(前連結会計年度比8.8%減)と減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動による資金の増加504,393千円、投資活動による資金の減少69,570千円、財務活動による資金の減少469,428千円の結果、前連結会計年度末に比べ34,606千円減少し、1,114,671千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、504,393千円(前連結会計年度比6.2%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益411,995千円、減価償却費220,033千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、69,570千円(前連結会計年度比25.6%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出65,506千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、469,428千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入200,000千円、及び長期借入金の返済による支出529,837千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
動物医療関連事業の性格上、受注の記載になじまないため、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当社グループは、動物医療関連事業の単一セグメントであります。当連結会計年度の販売実績を売上種類別に示すと、次のとおりであります。
売上種類の名称
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
二次診療サービス(千円)
2,337,321
104.75
画像診断サービス(千円)
489,501
99.86
その他(千円)
21,010
168.55
合計(千円)
2,847,833
104.16
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.グループ間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は5,844,116千円となり、前連結会計年度末と比べて84,626千円減少いたしました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ、6,619千円減少し、1,457,888千円となりました。これは主に現金及び預金の減少によるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ、78,006千円減少し、4,386,228千円となりました。これは主に減価償却によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は3,507,928千円となり、前連結会計年度末と比べて286,917千円減少いたしました。
流動負債は914,760千円となり、前連結会計年度末に比べ73,904千円増加いたしました。これは主に設備投資による未払金が増加したことによるものであります。また、固定負債は2,593,168千円となり、前連結会計年度末に比べ360,821千円減少いたしました。これは主に長期借入金の返済によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は2,336,188千円となり、前連結会計年度末と比べて202,290千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益285,190千円によるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、2,847,833千円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、売上の増加等により、1,853,169千円(前連結会計年度比7.4%増)となりました。
この結果、売上総利益は994,664千円(前連結会計年度比1.3%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、589,120千円(前連結会計年度比2.0%増)となりました。
この結果、営業利益405,543千円(前連結会計年度比5.8%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度においては、家賃収入等の営業外収益30,051千円、支払利息等の営業外費用24,630千円を計上しております。
この結果、経常利益は410,963千円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益は411,995千円(前連結会計年度比8.8%減)となりました。法人税等を112,152千円、法人税等調整額を14,652千円計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は285,190千円(前連結会計年度比8.8%減)となりました。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
d.経営戦略の現状と見通し
次連結会計年度におけるわが国の経済の見通しについては、国内における経済活動の持ち直しにより景気は回復基調となるものの、米中貿易摩擦の長期化、国内外における新型コロナウイルス感染症の影響が継続するなど、景気の先行きは不透明な状況が続くものと予想されます。
このような経営環境の中、当社グループは、従業員とその家族、来院する飼い主の安全確保、感染拡大防止に最優先に取り組むとともに、日頃の診療活動を通じた一次診療施設とのコミュニケーション強化を継続することによって、初診数の増加(当連結会計年度比3%程度)を図ってまいります。
現在大阪府箕面市において開院準備中の大阪病院につきましては、準備の一環として、診療を行う獣医師や動物看護師などの増員を図る計画であります。優秀な人材確保につながる大学・専門学校・各種団体との関係性強化や人脈形成に努めるとともに、積極的な採用活動を行ってまいります。一方、建設計画の見直しに伴う設計変更と、箕面市との条例再協議・許可取得等に6ヶ月程度の時間が必要となったため、着工予定を2021年11月とし、開院予定を2022年11月に延期するものであります。
中長期的に、動物医療業界における総合的な企業となるべく、飼い主や一次診療施設の利便性を高めるシステムやサービスの開発・販売を進めつつ、M&Aも活用した事業領域の拡大にもチャレンジしてまいります。
以上の施策により、次連結会計年度の業績予想につきましては、売上高2,930百万円、営業利益410百万円、経常利益420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益290百万円を見込んでおります。
なお、新型コロナウイルス感染症の業績への影響については、可能な限り上記の業績見通しに織り込んでおりますが、今後の動向の変化に応じて適時に開示してまいります。
e.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善な経営戦略の立案、施策の実施に努めておりますが、流動的な市場環境においても継続的に利益を確保するため、顧客満足度及び社会貢献度の高い医療サービスを提供し続けることが重要と認識しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの必要資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。
今後の資金需要のうち、主なものは、新病院の開業や既存病院における新医療機器導入等の設備投資や、M&A等の戦略的投資等であります。
これらの資金については、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要に応じて金融機関から借入を行う等の資金調達を実行してまいります。
なお、現在開業を準備しております大阪病院の建物、医療機器等に充当する設備投資資金につきましては、主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金の水準を満たす流動性を確保しております。
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