【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1,776,603千円となり、前連結会計年度末に比べ259,516千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が144,314千円、のれんが84,794千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は624,114千円となり、前連結会計年度末に比べ54,977千円増加いたしました。これは主に、契約負債が68,172千円、買掛金が7,795千円増加した一方、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が14,982千円、未払法人税等が6,275千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,152,489千円となり、前連結会計年度末に比べ204,538千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益184,552千円を計上したことにより、利益剰余金が増加したことによるものであります。この結果 、自己資本比率は64.9%(前連結会計年度末は62.5%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響はありましたが、規制の緩和等、経済社会活動の正常化が進んだことで、景気は一部に弱さがみられたものの、緩やかに持ち直しました。先行きについては、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中、各種政策の効果等もあり、景気は持ち直していくことが期待されます。一方、世界的な金融引締めが続く中で、海外景気の下振れが、わが国の景気下押しリスクとなっております。また、物価上昇や供給面での制約、金融資本市場における変動等の影響に十分注意する必要があり、依然として不透明な状況にあります。
当社グループが事業展開するソフトウェア業界におきましては、企業の生産性向上や業務効率化、テレワークに関連したシステムへの投資需要拡大が引き続き見込まれます。政府が推進する「働き方改革」への取り組みに加え、感染症への対応を鑑みた在宅勤務やモバイルワーク等テレワークの実施、オフィス勤務とリモートワークを併用したハイブリッド勤務の増加等、「新しい働き方」が定着しつつあります。
このような状況の中、当社グループは、『仕事をラクに。オモシロく。』というビジョンのもと、『次のいつもの働き方へ。』をミッションに掲げ、オフィスの生産性向上に貢献すべく、企業向けグループウェア製品「rakumo」の機能強化及び更なる拡販に注力しました。
販売面においては、これまでのチャネル別営業組織から、「顧客規模別」及び「営業プロセス」の2軸により分割した営業組織へ再編を行いました。これにより、既存のインバウンド型営業(クライアントからのアプローチ)での案件創出力を向上させるとともに、アウトバウンド型営業(当方からのアプローチ)にも積極的に取り組むことで、新たな案件創出に尽力いたしました。
加えて、クライアントニーズを勘案した既存製品の機能追加・改善や、契約直後の顧客に対するフォロー・設定サポートを実施する等、お客様満足度の向上や解約率低減にも努めました。
なお当社は、2022年6月30日付で、社内SNS型日報アプリ「gamba! (ガンバ)」をクラウド上にて提供している株式会社gambaの全株式を取得し、連結子会社といたしました。本連結子会社化により、当社及び当社パートナー網が有する顧客基盤を活用し「gamba!」の利用者数拡大に取り組むとともに、同社との相乗効果を発揮することで、「rakumo」の新規顧客獲得も加速させてまいります。
費用面では、為替変動による影響が一部あったものの、継続的な費用低減施策や、売上高の順調な成長により、売上原価率は改善いたしました。一方、販売部門への投資及び一過性のgamba社買収関連費用等もあり、販管費率は上昇しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1,096,831千円(前連結会計年度比13.8%増)、営業利益は232,297千円(同1.9%増)、経常利益は225,500千円(同1.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は184,552千円(同2.2%減)となりました。
なお、当社グループはITビジネスソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、サービス別の経営成績は、以下の通りであります。
(SaaSサービス)
当サービスにおいては、新規顧客の増加やライセンス追加などにより堅調に推移し、2022年12月末のクライアント数は2,334社(2021年12月末比132社増)、ユニークユーザー数は502千人(同54千人増)となりました。
分業制による専門性向上や商談創出力の向上を企図した営業組織の再編、パートナー等との共催を含めた各種ウェビナーの実施、製品間連携を訴求したパック製品の販売強化等を進めました。
加えて、流入数・顧客獲得増加を目的とした製品ホームページの継続的な更新を実施した他、教育分野への注力としてコンソーシアム参画や導入事例の掲載、コンテンツマーケティングの実施等、各種施策にも積極的に取り組みました。
また、契約・利用開始直後の顧客や更新顧客に対するフォローの実施、利用者アンケートや個別インタビュー等を通じた既存製品の各種機能開発等も実施し、新規クライアントの獲得やユニークユーザー数の増加、ユーザー1人当たり単価の増加に尽力しました。
さらに、gamba社の買収によって、SaaSサービスの強化に努めました。
この結果、SaaSサービスの売上高は960,894千円(前連結会計年度比17.0%増)となりました。
(ソリューションサービス)
当サ―ビスにおいては、既存顧客への業務支援案件の継続的な提供を行ったことに加え、ライセンスサービスに関する新規導入支援案件の受注・提供等により、売上高は48,775千円(前連結会計年度比7.7%増)となりました。
(ITオフショア開発サービス)
当サービスにおいては、既存顧客からのラボ型開発案件が安定的に推移しました。一方、SaaSサービスに注力したこともあり、単発の受託開発については減少いたしました。
この結果、売上高は87,161千円(前連結会計年度比10.1%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ144,263千円増加し、当連結会計年度末には1,384,056千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は275,026千円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上221,830千円、契約負債の増加額41,458千円、減価償却費の計上38,743千円、法人税等の支払額39,065千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は92,266千円(同72.7%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出46,227千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出34,041千円、投資有価証券の取得による支出10,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は47,290千円(前連結会計年度は11,217千円の獲得)となりました。これは、長期借入金の返済による支出57,240千円、株式の発行による収入9,950千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは新規案件について受注残が発生するものの、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
前連結会計年度比(%)
金額(千円)
前連結会計年度比(%)
SaaSサービス
821,489
120.8
960,894
117.0
ソリューションサービス
45,284
99.8
48,775
107.7
ITオフショア開発サービス
97,006
99.7
87,161
89.9
合計
963,779
117.2
1,096,831
113.8
(注)1.当社グループは、ITビジネスソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
ソフトバンク株式会社
186,682
19.4
204,636
18.7
株式会社電算システム
124,394
12.9
147,367
13.4
株式会社USEN Smart Works
102,563
10.6
115,200
10.5
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態に関する状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
また、経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
(売上高)
当社グループの主要サービスは、料金を顧客企業の使用期間及びユーザー数に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益(リカーリングレベニュー)を得ることができる「サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル」であるため、売上高及び営業利益を特に重視しております。
当連結会計年度における売上高は、1,096,831千円(前連結会計年度比13.8%増)となりました。サービス別の売上高につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、399,796千円(前連結会計年度比9.8%増)となりましたが、売上原価率は前連結会計年度の37.8%から1.3ポイント改善し、36.5%となりました。これは、当社グループの主要サービスである「SaaSサービス」において、売上高の成長に加え、変動費率((Google社向けサーバー費用+セールスフォース社のプラットフォーム利用料+gambaサーバー費用)÷SaaSサービス売上高)が当連結会計年度末時点で10.6%となり、高い限界利益率(89.4%)を実現できたことによるものであります。
この結果、売上総利益は697,035千円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、464,737千円(前連結会計年度比25.1%増)となりましたが、売上高販管費率は前連結会計年度の38.6%から3.8ポイント上昇し、42.4%となりました。これは主に、営業部門への投資及びgamba社買収費用等によるものであります。この結果、営業利益は232,297千円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、48千円(前連結会計年度は81千円)となりました。これは主に、受取利息によるものであります。
また、営業外費用は6,845千円(前連結会計年度は6,370千円)となりました。これは主に、為替差損、支払利息によるものであります。
この結果、経常利益は225,500千円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は発生しておりません(前連結会計年度も発生しておりません)。
また、特別損失は3,670千円となりました(前連結会計年度は29,398千円)。これは、和解金によるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は184,552千円(前連結会計年度比2.2%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの主な資金需要は、労務費、サービス提供のためのライセンス原価やプラットフォーム利用料、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの営業費用及び成長に向けた投融資等の必要資金に関しては、営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金及び各種資本政策等による資金調達等、財務状況のバランスを見ながら対応していくこととしております。
なお、当連結会計年度末時点において、現金及び預金が1,435,554千円、有利子負債控除後のネット・キャッシュも1,385,554千円あるため、当社グループにおきましては、当面の資金流動性に影響は与えないものと考えております。
また、当社グループのビジネス特性上、新型コロナウイルス感染症による資金繰りへの影響は限定的と考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、引き続き不透明な状況とはなりますが、以前と比較し顧客の業績悪化等に与える影響は限定的になっていると想定され、現時点では業績等への影響は限定的であると判断しております。
重要な会計方針のうち、見積りや仮定等により連結財務諸表に重要な影響を与えると考えている項目は次のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(無形固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくために、経営者は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
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