【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当事業年度における我が国経済は、繰り返す新型コロナウイルスの感染拡大に加え、大きな環境変化に直面する1年でした。感染拡大の一時的な収束と感染症対策の常態化により、業績が持ち直す企業が増えるなど、経済が緩やかに回復する兆しを見せる一方、資源・エネルギー高や円安による輸入品価格の高騰を背景とした国内の物価上昇は、今後の懸念材料となっています。また、海外においても、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、米国、欧州、中国、ロシアを取り巻く環境が深刻さを増すなど、国内外ともに先行きに対する不透明感が増す状況となっています。
フォーム印刷業界におきましては、特に公的部門で新型コロナワクチン接種券関係の特需が継続しましたが、テレワークやオンライン会議が日常化するニュー・ノーマルの中でビジネス・スタイルのペーパーレスにも一段と拍車がかかりました。
このような情勢のもと、当社は営業部門におきましては、引き続き新型コロナワクチン接種関係の公的需要の取り込みに注力し、接種券の印刷発送に加え、コールセンター業務と連携した予約システムの一括受注を図り、売上の拡大に努めました。
製造部門におきましては、様々な感染症予防対策を講じて生産力を維持しつつ、一層の省力化・人員配置の効率化に努めました。
また、セキュリティ委員会を通じて、サイバー攻撃対策などの情報セキュリティ対策を強化するとともに、法令遵守、内部統制、ISO、個人情報保護の諸活動を通じて各製造工程の質的な見直しを図り、社員教育を繰り返し行いました。
以上のとおり、営業・製造・管理各部門においてそれぞれの体質強化策を推進してまいりました結果、売上高11,994百万円(前期比25.4%増)、経常利益1,975百万円(前期比60.7%増)、当期純利益1,272百万円(前期比55.3%増)となり、前事業年度に比べ増収・増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ932百万円増加し、4,085百万円となりました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は1,588百万円(前年同期比491百万円の増加)となりました。これは主として税引前当期純利益1,861百万円、減価償却費295百万円、仕入債務の増加額199百万円、売上債権の増加額220百万円、独占禁止法関連損失109百万円、法人税等の支払額480百万円及び独占禁止法関連支払額166百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は252百万円(前年同期は250百万円の獲得)となりました。これは主として有価証券の償還による収入30百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入13百万円、投資有価証券の取得による支出211百万円及び固定資産の取得による支出82百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は403百万円(前年同期比32百万円の増加)となりました。これは配当金の支払201百万円及びリース債務の返済による支出194百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
製品区分
生産高(千円)
前年同期比(%)
ビジネスフォーム
2,839,275
107.7
一般帳票類
1,547,873
106.9
データプリント及び関連加工
7,312,749
140.4
合計
11,699,898
125.9
(注)1 当社は単一セグメントであるため、製品区分別に記載しております。
2 金額は販売価格で表示しております。
b.商品仕入実績
製品区分
金額(千円)
前年同期比(%)
サプライ商品
202,801
83.2
(注)1 当社は単一セグメントであるため、製品区分別に記載しております。
2 金額は実際仕入額で表示しております。
c.受注実績
製品区分
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
ビジネスフォーム
2,911,429
108.5
452,343
112.0
一般帳票類
1,579,097
108.1
178,362
121.2
データプリント及び関連加工
7,450,013
137.0
579,979
131.0
合計
11,940,539
124.6
1,210,685
121.8
(注)1 当社は単一セグメントであるため、製品区分別に記載しております。
2 金額は販売価格で表示しております。
d.販売実績
製品区分
販売高(千円)
前年同期比(%)
ビジネスフォーム
2,863,111
110.4
一般帳票類
1,547,873
106.9
データプリント及び関連加工
7,312,749
140.4
サプライ商品
271,147
86.1
合計
11,994,881
125.4
(注)1 当社は単一セグメントであるため、製品区分別に記載しております。
2 主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①.財政状態の分析
(資産)
当事業年度末の総資産は前事業年度末に比べて1,082百万円増加し、11,880百万円となりました。うち流動資産は6,094百万円(前年同期比1,219百万円の増加)、固定資産は5,786百万円(前年同期比136百万円の減少)となりました。流動資産の主な増加要因は、現金及び預金が932百万円、売上債権が220百万円増加したこと等によるものであります。また固定資産の主な減少要因は、投資有価証券が63百万円及び前払年金費用が56百万円増加しましたが、有形固定資産が244百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債は前事業年度末に比べて70百万円増加し、2,962百万円となりました。うち流動負債は2,549百万円(前年同期比228百万円の増加)、固定負債は412百万円(前年同期比157百万円の減少)となりました。流動負債の主な増加要因は、リース債務が57百万円、独占禁止法関連損失引当金が57百万円減少しましたが、買掛金が82百万円、支払手形が117百万円、未払法人税等が107百万円増加したこと等によるものであります。また固定負債の主な減少要因は、リース債務が136百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は前事業年度末に比べて1,011百万円増加し、8,918百万円となりました。うち株主資本は8,762百万円(前年同期比1,070百万円の増加)、評価・換算差額等は155百万円(前年同期比59百万円の減少)となりました。株主資本の主な増加要因は、利益剰余金が1,070百万円増加したことによるものであります。評価・換算差額等の減少要因は、その他有価証券評価差額金が59百万円減少したことによるものであります。
②経営成績の分析
当事業年度の売上高は前事業年度に比べ2,429百万円増加の11,994百万円、売上原価は前事業年度に比べ1,513百万円増加の8,548百万円、販売費及び一般管理費は前事業年度に比べ147百万円増加の1,477百万円となりました。この結果、営業利益は前事業年度に比べて768百万円増加の1,968百万円となりました。
営業外損益は前事業年度に比べて22百万円減益の6百万円となりました。これは、受取利息及び配当金等による営業外収益が34百万円、支払利息等による営業外費用が27百万円計上されたことによるものであります。この結果、経常利益は前事業年度に比べて746百万円増加の1,975百万円となりました。
特別損益は前事業年度に比べて92百万円減益の△113百万円となりました。これは、有価証券償還益等による特別利益が0百万円、独占禁止法関連損失等による特別損失が113百万円計上されたことによるものであります。この結果、当期純利益は前事業年度に比べて452百万円増加し、1,272百万円となりました。
③キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローは、営業活動で得た資金1,588百万円を、投資活動に252百万円および財務活動に403百万円使用しました。その結果、当事業年度の現金及び現金同等物の残高は、前事業年度に比べ932百万円増加し、4,085百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の主な資金需要は、製造費用や営業費用の運転資金及び設備投資資金であります。資金調達につきましては、運転資金の状況や設備投資計画に照らして必要な資金を、自己資金及び金融機関からの借入等により調達しております。なお、当事業年度末における有利子負債残高はリース債務の334百万円となっております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載しているとおりであります。
⑥経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載しているとおり、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上、売上高経常利益率(ROS)13%以上を目標としております。当事業年度は、ROEが15.1%、ROSが16.5%となっており、資本の効率的な運用と収益性の向上に努めてまいります。
⑦重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成において、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性から、これらの見積りと異なる場合があります。
当社が採用しております重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しているとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症が業績に及ぼす影響については、現在のところ限定的であり、会計上の見積りに大きな影響を及ぼす可能性はないとみております。
#C3948JP #光ビジネスフォーム #パルプ紙セクター