【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新たな変異株の出現による感染再拡大がありましたが、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種の浸透やその後の行動制限の緩和などにより、社会活動が緩やかに再開し、回復の兆しがみられました。その一方で、ウクライナ情勢を受けた世界的な資源価格の高騰及び日米の金利差拡大を背景とした急速な円安の進行を起因とする物価上昇など、わが国経済に大きな影響を与える事象も依然として存在しており、先行き不透明な状況は依然として継続しております。
当社グループが属する医療・介護業界につきましては、2023年1月1日現在、65歳以上人口が3,621万人、総人口の29.0%(総務省統計局人口推計-2023年1月報-)を占めるなど高齢化が確実に進行しており、当社グループに係るサービスの市場規模はますます拡大するものと思われます。
こうした環境の中、当社グループは、介護医療関連事業の主力サービスである「CS(ケア・サポート)セット」をより普及・拡大させるために、当連結会計年度に営業を開始した松本支店(長野県松本市)及び松山支店(愛媛県松山市)を含めた全国27ヶ所の本支店から、営業活動を施設(病院及び介護老人保健施設等)に対して展開してまいりました。
これにより、当社グループにおける当連結会計年度の新規契約の施設数は290施設、契約終了施設数は44施設となり、当連結会計年度末のCSセット導入数は、前連結会計年度末より246施設増加し2,060施設となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は36,264,883千円(前期比14.6%増)、営業利益は3,391,238千円(同21.2%増)、経常利益は3,411,896千円(同21.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,082,698千円(同9.3%増)となりました。
なお、特別損失に投資有価証券評価損376,637千円を計上しております。これは、2020年から続く新型コロナウイルス感染拡大による営業活動制限等の影響で、当社投資先の業績が計画値を下回った結果、当該投資有価証券の1株当たり純資産額が大幅に減少することになったため、当該投資有価証券の減損処理を行ったものであります。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、16,072,150千円となり、前連結会計年度末と比べて2,124,349千円増加しました。
このうち、流動資産は14,075,718千円となり、前連結会計年度末と比べて1,945,734千円増加しました。これは主に、現金及び預金が403,972千円、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は売掛金として表示)が355,498千円、未収入金が900,652千円、商品が173,390千円増加したためであります。
一方、固定資産は、1,996,431千円となり、前連結会計年度末と比べて178,614千円増加しました。これは無形固定資産が12,949千円、投資その他の資産が28,826千円減少したものの、有形固定資産が220,390千円増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、7,082,441千円となり、前連結会計年度末と比べて618,364千円増加しました。このうち、流動負債は7,011,890千円と前連結会計年度末と比べて594,826千円の増加となりました。これは主に、未払消費税等が101,673千円減少したものの、買掛金が699,485千円増加したためであります。
固定負債は、70,551千円と前連結会計年度末と比べて23,537千円の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、8,989,708千円となり、前連結会計年度末に比べて1,505,985千円の増加となりました。自己資本比率は前連結会計年度末から比べて2.2%上昇し、55.9%となりました。
純資産合計の増加は、主に利益剰余金の増加によるものであり、株主に対する配当金の支払い545,391千円が生じたものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上2,082,698千円により利益剰余金が1,537,307千円増加したためであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ403,971千円増加し、6,011,732千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は1,581,443千円(前期比524,755千円の収入減少)となりました。法人税等の支払いで1,081,977千円の資金が減少したものの、年間を通じた営業活動により2,663,358千円の資金が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は624,513千円(前期比266,835千円の支出増加)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出210,766千円、有形固定資産の取得による支出318,395千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は552,958千円(前期比61,191千円の支出減少)となりました。これは主に株主への配当金の支払554,748千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業セグメントは、介護医療関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
(2)受注実績
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
介護医療関連事業
36,264,883
114.6
合計
36,264,883
114.6
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
a. 財政状態
(資産・負債)
当社の資産、負債の大部分を占める現金及び預金、売掛金、未収入金、貸倒引当金、買掛金の年度別残高推移は以下のとおりとなっております。
(単位:千円)
回次
第25期
第26期
第27期
第28期
第29期
決算年月
2018年12月
2019年12月
2020年12月
2021年12月
2022年12月
売掛金
2,477,293
2,779,071
3,279,413
3,891,204
4,246,702
未収入金
1,180,556
1,697,463
1,765,497
1,957,416
2,858,068
貸倒引当金
△357,801
△431,490
△441,059
△486,903
△478,813
小計
3,300,049
4,045,043
4,603,851
5,361,717
6,625,957
買掛金
2,745,825
3,340,056
4,157,946
4,868,493
5,567,979
差引
554,223
704,987
445,904
493,223
1,057,978
現金及び預金
3,057,392
3,472,071
4,497,677
5,632,051
6,036,023
合計
3,611,616
4,177,058
4,943,582
6,125,275
7,094,002
当社の主力サービスであるCSセットを導入する施設が順調に増加するとともに、利用者数が増加していることを背景に、売掛金、未収入金、買掛金の各期末残高も増加傾向となっております。
一方で、請求回収業務の運用改善を継続することで、売掛金、未収入金の回収サイトの短縮化が図られ、現金及び預金は増加傾向にあります。このことから、当社グループのキャッシュ・フロー獲得能力は年々、向上しているものと考えております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、8,989,708千円となり、前連結会計年度末に比べて1,505,985千円の増加となりました。自己資本比率は前連結会計年度末から比べて2.2%上昇し、55.9%となりました。
また、自己資本利益率は、前連結会計年度に比べ、2.6%低下し、25.3%となりました。
b. 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ14.6%増の36,264,883千円となりました。これは、当連結会計年度に営業を開始した松本支店(長野県松本市)及び松山支店(愛媛県松山市)を含めた全国27ヶ所の本支店から、当社グループの主力サービスであるCSセットを全国に普及・拡大させるために営業活動を施設(病院及び介護老人保健施設等)に対して展開した結果、本サービスを導入する施設が1,814施設から2,060施設と順調に増加したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ14.6%増の27,237,759千円となりました。これは主に、売上高拡大に伴い商品仕入が増加したことによるものです。
当連結会計年度における売上総利益率は前連結会計年度と同様、24.9%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は前連結会計年度に比べ14.6%増の9,027,124千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ11.0%増の5,635,885千円となりました。従業員数の増加による給与手当の増加及び法定福利費の増加、請求件数等の増加に伴う通信費、外注費の増加などの増加要因があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響及び社内におけるコスト削減の取り組みにより、販管費率は前連結会計年度に比べ0.6%低下し、15.5%となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益率は前連結会計年度に比べ0.6%上昇し、9.4%となり、当連結会計年度における営業利益は前連結会計年度に比べ21.2%増の3,391,238千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、営業外収益27,826千円、営業外費用7,168千円となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ21.1%増の3,411,896千円となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損失は投資有価証券評価損を計上したため、376,637千円となりました。
当連結会計年度の法人税等合計は、952,560千円となりました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ9.3%増の2,082,698千円となりました。
c. 経営戦略の現状と見通し
当連結会計年度(2022年12月期)は、2020年12月期を初年度とする中期経営計画期間(以下「当中期計画期間」といいます)の最終会計年度であります。当中期計画期間では「CSセット事業の国内普及・拡大と海外展開」、「入院セット関連業務受託事業の開始・拡大」、「海外展開を含めた新事業開発」の3つを経営戦略の主たる柱としました。
当中期計画期間の3年間は、新型コロナウイルス感染拡大による想定外の企業活動制限の影響で、当初計画した経営戦略を実行できず、計画未達となった取り組みもある一方で、企業活動が制限されるという環境下でも、主力事業であるCSセット事業の成長拡大及び将来のさらなる成長につながる取り組みを積極的に行いました。
具体的には、沖縄支店、千葉支店、松本支店及び松山支店の開設により、CSセット事業の営業網拡大を図るとともに、CSセットR・CSセットLCの導入拡大を進めました。また、CSセットの商品を自社で配送する自社物流を運用開始させ、自社配送件数を順調に増やし、CSセット事業の新たな強みにつながる取り組みを行いました。
さらに、当社と株式会社エルタスクとの合併や株式会社琉球エランの設立により、グループ体制の見直しによる経営体質強化を図るとともに、株式会社エランサービスを含めたグループ各社がそれぞれの強みを活かして事業を推進しました。株式会社エランサービスは、同社の強みである個人請求・カスタマーサポート業務を他社から受託する新たな事業を開始し、徐々に事業規模を拡大させております。株式会社琉球エランは、沖縄県内に根差した企業として、沖縄県内のCSセット拡大に注力し、順調にCSセットの導入件数を増やしております。
新事業開発では、キクミミサービスの開始、クラシコ株式会社との共同によるオリジナル患者衣「lifte」の開発、退院時に紙おむつ等を販売する退院セットの開発、電子カルテ事業の開発を進めました。
海外展開については、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で、活動が停滞し当初計画に比べて進捗が遅れたものの、インドにおいてリネンサプライ業を営むQuick Smart Wash Pvt. Ltd.に対する投資を皮切りに、同社との関係強化及びインドにおけるヘルスケアビジネスの市場調査に着手しました。
コーポレート・ガバナンスについては、2020年3月から、監査等委員会設置会社への移行及び執行役員制度の導入を行い、経営の監督機能と執行機能を明確に分けることで、ガバナンスの強化を図りました。
2023年12月期から始まる次期中期経営計画期間は、これらの取り組みをさらに進化させ、当社グループのさらなる事業拡大に向けて活動してまいります。
国内事業については、当中期計画期間において開始した各種の取り組みをさらに推進し、CSセット事業の付加価値向上と競争力強化を図り、さらなる事業規模の拡大を図ります。
海外事業については、投資先企業とのより一層の関係強化を図り、インドにおける事業展開を本格的に検討してまいります。また、インドに次ぐ新興国での事業展開を見据えて、積極的な成長投資を検討してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の源泉及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要としては、人材投資、システム投資及び新規事業投資が挙げられます。
人材投資については、今後の契約施設数の増加を見据えて、引き続き、従業員の採用を計画しており、これによる人件費の増加を見込んでおります。システム投資については、規模の拡大に伴い、効率的な事業運営へ変化させるためのシステム化の推進に取り組んでまいります。また、新規事業投資については、新たな収益の柱を構築するため、新規事業の検討を積極的に進めてまいります。
上記の各資金需要に係る財源は、当面、営業キャッシュ・フローを基礎とした自己資金を考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、採用している重要な会計方針は、本書「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますので、あわせてご参照ください。
当社グループの連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債、収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積りを行う必要があります。その見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づく合理的と考えられる様々な要因を考慮して行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、固定資産の減損損失の判定、繰延税金資産の回収可能性の判定における今後の経営成績及び将来キャッシュ・フローの見積りでは、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は今後、当連結会計年度と同程度の影響が継続するとの前提に基づいて会計上の見積りを行っております。
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