【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外景気の下振れや物価上昇、金融資本市場の変動等が及ぼすリスクは注視すべきものの、この間の新型コロナウイルス感染症対策や各種政策の効果により、緩やかに持ち直しております。特に当社が事業基盤とする集客エンタテインメント市場は、集客制限の緩和に伴い、ライブ・イベント開催の動きが活発化しており、明らかに復調に転じています。特に、第3四半期以降は、これまで抑制されてきたエンタメ活動への反動消費もあり、音楽公演の全国ツアーや大規模フェス、プロスポーツの国際大会等の大型案件が続々と開催されました。
この間、2022年11月には、当社創業50周年を記念し、株主の皆様やお取引先様約8千名を無料にてご招待し、これまでのご支援への感謝の想いをお伝えする特別イベントを、当社所有の「ぴあアリーナMM」で開催させて頂きました。
以上のような市場の回復に加え、獲得案件数の増加、公演ごとの単価が上昇したことにより、チケット販売も好調に推移しました。加えて、ぴあアリーナMMの稼働日数も復調し、出版販売においても前期商品が引き続き好調であること等により、「収益認識に関する会計基準」を適用しなかった場合の売上高は2,000億円規模となり、過去最高の2018年度の売上高1,799億69百万円を上回る水準となりました。一方、当期は上記のような創業50周年を記念した全国各地の様々なジャンルの主催イベントの開催費用の計上や、チケット販売の回復による各種費用も増加しましたが、営業利益・経常利益とも、2022年11月10日に公表済みの業績予想どおりに着地しております。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、後述の特別利益に加え、来期以降の業績回復を見据えて税効果(繰延税金資産)を積み増し、法人税等調整額△230百万円(益)を計上した結果、過去最高益となりました。
なお、2022年8月には、当社の連結子会社であるぴあネクストスコープ株式会社について、当社保有株式の一部を株式会社朝日新聞社及び日本アジア投資株式会社に譲渡したことに伴う特別利益6億78百万円を計上しております(株式の譲渡に伴い、社名も「ぴあ朝日ネクストスコープ株式会社」に変更されました)。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、連結売上高327億63百万円(対前年同期比126.8%)、営業利益8億20百万円(前年度は営業損失8億33百万円)、経常利益6億円(前年度は経常損失8億45百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益14億15百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失11億22百万円)となりました。
売上に貢献した主なイベントや商品は次のとおりであります。
<イベント>
「プロ野球公式戦」「サッカーJリーグ」
「リポビタンDチャレンジカップ2022」
「Mr.Children」
「LADY GAGA」 「Maroon5」
「Bruno Mars」 「RED HOT CHILI PEPPERS」
「ONE OK ROCK」 「Perfume」
「UVERworld」 「SEKAI NO OWARI」
「BiSH」「Mrs.GREEN APPLE」
「松任谷由実」「Superfly」
「JO1」 「NCT DREAM」 「INI」
「2022 MAMA AWARDS」 「ROCK IN JAPAN FES2022」
「WILD BUNCH FEST.2022」 「劇団☆新感線」
「Fantasy on Ice 2022」 「浅田真央アイスショー」
「STARS ON ICE」「シルク・ドゥ・ソレイユ」
<商品>
「ジェイソン流お金の増やし方」
「羽生結弦語録Ⅱ」
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローでの93億55百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローでの35億64百万円の減少及び財務活動によるキャッシュ・フローでの37億97百万円の減少により、前連結会計年度末と比べ19億94百万円増加し、当連結会計年度末には、263億56百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は、93億55百万円(前連結会計年度は130億58百万円の収入)となりました。この主要因は、税金等調整前当期純利益が12億50百万円、減価償却費が23億54百万円、売上債権の増加が58億91百万円、仕入債務の増加が115億65百万円であったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、35億64百万円(前連結会計年度は27億1百万円の支出)となりました。この主要因は、有形固定資産の取得による支出が12億81百万円、無形固定資産の取得による支出が22億33百万円であったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、37億97百万円(前連結会計年度は11億32百万円の支出)となりました。この主要因は、借入金の返済が38億15百万円であったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、レジャー・エンタテインメント関連事業の単一セグメントであります。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
レジャー・エンタテインメント関連事業(百万円)
1,795
63.0
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
レジャー・エンタテインメント関連事業(百万円)
1,755
147.8
c.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
レジャー・エンタテインメント関連事業(百万円)
32,763
126.8
(2)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。このため、繰延税金資産、貸倒引当金、投資の減損、固定資産の減損の見積り及び仮定設定の判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、継続して評価を行っております。
実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を与えると考えております。
1)繰延税金資産
当社グループは、企業会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額である一時差異等について税効果会計を適用し、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の合理的な見積り可能期間内の課税所得の見積り額を限度として、当該期間内の一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しております。
当社グループの経営環境の変化等による見積りの見直しが必要となった場合、翌連結会計年度において、回収が見込まれない繰延税金資産を取り崩す可能性があります。
2)貸倒引当金
当社グループは、取引先の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。取引先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
3)投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、特定の取引先に対する少数持分を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上しております。公開会社への株式の投資の場合、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には、減損処理を行い、30%から50%程度下落した場合には、回復可能性を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。非公開会社への投資の場合、それらの会社の純資産額が、欠損により50%以上下落した場合に、明らかに回復見込みがある場合を除き、減損を計上しております。
将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または回収不能が発生した場合には、更に評価損の計上が必要となる可能性があります。
4)固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額と回収可能価額との差額を減損損失として計上しております。
減損損失の判定の前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の当該資産又は資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
a.経営成績
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の総資産は、747億98百万円(前連結会計年度末は645億98百万円)となり、101億99百万円増加しました。流動資産は513億60百万円(同428億52百万円)となり、85億8百万円の増加、固定資産は234億38百万円(同217億46百万円)となり16億91百万円の増加となりました。
流動資産増加の主な要因といたしましては、現金及び預金並びに売掛金の増加によるものです。また、固定資産増加の主な要因は、ソフトウエア並びに投資有価証券の取得によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、704億43百万円(前連結会計年度末は617億91百万円)となり86億52百万円増加いたしました。流動負債は564億34百万円(同387億32百万円)となり、177億1百万円増加し、固定負債は140億9百万円(同230億58百万円)と90億49百万円減少いたしました。
流動負債増加の主な要因といたしましては、買掛金並びに1年以内返済予定の長期借入金が増加したことによるものであります。また、固定負債減少の主な要因は、長期借入金の減少によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、43億54百万円(前連結会計年度末は28億7百万円)で15億46百万円増加いたしました。
純資産増加の主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。
2)経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高327億63百万円(対前年同期比126.8%)、営業利益8億20百万円(前年度は営業損失8億33百万円)、経常利益6億円(前年度は経常損失8億45百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益14億15百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失11億22百万円)となりました。
なお、売上高及び営業利益他の概況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループが事業基盤とする集客エンタテインメント市場は、集客制限の緩和に伴い、ライブ・イベント開催の動きが活発化しており、明らかに復調に転じています。特に、第3四半期以降は、これまで抑制されてきたエンタメ活動への反動消費もあり、音楽公演の全国ツアーや大規模フェス、プロスポーツの国際大会等の大型案件が続々と開催されました。
また、当社シンクタンクのぴあ総研の調査・分析によれば、以下のように予想しております。
リアル公演が開催できない代わりとして、オンラインでのコミュニケーションや公演配信が活発化しているものの、リアル公演の代替とはなり得ないと多くの人が感じ、リアル公演の価値を再認識するきっかけとなりました。前述のように、2022年度の当社グループのチケット販売は、コロナ前を上回る水準に達しております。また、2023年以降も、アフターコロナでの新たなビジネスモデルを描きながら、安定した成長を実現すると予測しております。
c.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、設備投資需要として、チケッティングシステムのソフトウエア開発費用となります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大及び今般のコロナ禍からの市場の回復によりチケット販売が好調に推移し、キャッシュ・フローが良化傾向にあるなか、現行の金融機関とのシンジケートローン契約を見直し、中長期的な財務基盤の安定化を目的として必要な資金を確保するため、新たなシンジケートローン契約を締結しております。金融機関とは良好な関係を維持しており、今後の当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
経営の主たる指標としては、「自己資本比率」と「ROE」を活用しております。すなわち、資本コストを十分認識した財務体質の強化に努めるとともに、中期的にみて妥当と見込まれる「自己資本比率」と「ROE」の維持、向上を図りつつ、企業価値の持続的増大に努力して参りたいと考えております。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、レジャー・エンタテインメント関連事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
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