【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和が進み、経済活動が正常化に向かい、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、原材料・エネルギー価格の高騰や急速な円安進行による為替動向の懸念、物価上昇など、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。世界経済につきましても、ウクライナ情勢の長期化や中国のコロナ感染者の急増による景気への影響、資源高・物流停滞・円安等の複合的な要因から物価が上昇しており、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの事業に関連する市場におきましては、中国のコロナウイルス感染症の再拡大と厳しい感染封じ込めの影響を受けたものの、業界の設備投資意欲は、国内・海外共に回復しており、需要は堅調に推移しております。しかし、急激な原材料やエネルギー価格の上昇などがコスト面で不安定な状況となりました。このような市場環境のもと、当社グループは、2024年3月期を最終年度とする第3期中期経営計画に基づいた事業活動を推進し、中長期的な視点から持続的な成長と安定した収益確保に向けて取り組んでまいりました。
この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、受注高は25,321百万円(前年同四半期比7.5%減)、売上高は26,042百万円(同8.2%増)となりました。このうち、国内売上高は6,475百万円(同17.5%増)、海外売上高は19,566百万円(同5.4%増)となり、海外比率は75.1%となりました。利益につきましては、主要部材の仕入価格高騰の影響を受け、営業利益は913百万円(前年同四半期比31.9%減)、経常利益は1,090百万円(同26.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は259百万円(同71.4%減)となりました。
製品別の売上の状況は、次のとおりであります。
1.射出成形機
射出成形機につきましては、受注は国内、海外共に減少しましたが、売上は国内では、自動車や工業部品関連、日用雑貨や容器類などの生活用品関連が増加しました。海外におきましては、中国でのIT電子機器や医療機器関連の小型機が減少しましたが、アジアの自動車関連や米国や欧州における生活用品関連の中大型機が増加しました。この結果、受注高は19,788百万円(前年同四半期比2.6%減)、売上高は20,353百万円(同9.8%増)となりました。このうち、海外売上高は15,246百万円(同5.5%増)となり、海外比率は74.9%となりました。
2.ダイカストマシン
ダイカストマシンにつきましては、受注は国内、海外共に減少しました。売上は国内では、自動車関連が微減となりました。海外におきましては、中国や東アジアの自動車関連が増加しました。この結果、受注高は5,533百万円(前年同四半期比21.5%減)、売上高は5,688百万円(同2.8%増)となりました。このうち、海外売上高は4,319百万円(同5.0%増)となり、海外比率は75.9%となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、22,901百万円となり、前連結会計年度末に比べて247百万円増加しました。これは、主に現金及び預金の減少899百万円及び売上債権の減少185百万円があったものの、棚卸資産の増加1,337百万円があったことによるものであります。
固定資産は、8,175百万円となり、前連結会計年度末に比べて310百万円減少しました。これは、主に繰延税金資産の減少191百万円及び有形固定資産の減少68百万円があったことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、8,788百万円となり、前連結会計年度末に比べて53百万円減少しました。これは、主に仕入債務の増加343百万円があったものの、未払費用の減少200百万円及び未払法人税等の減少144百万円があったことによるものであります。
固定負債は、2,431百万円となり、前連結会計年度末に比べて271百万円減少しました。これは、主に長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替による減少160百万円及び退職給付に係る負債の減少117百万円があったことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、19,857百万円となり、前連結会計年度末に比べて262百万円増加しました。これは、主に配当を行ったことによる利益剰余金の減少666百万円があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加259百万円及び為替換算調整勘定の増加583百万円があったことによるものであります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は485百万円であります。
(4)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設計画は、次のとおりであります。
事業所名(所在地)
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着手年月
完了予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額(百万円)
本社
(兵庫県明石市)
新事務所棟兼
物流倉庫建設(注2)
445
5
自己資金
2022年
8月
2023年
9月
(注1)
(注1)完成後の増加能力は、合理的な算定が困難であるため、記載を省略しております。
(注2)当該建物は完成後、国内子会社の東洋機械エンジニアリング㈱へ賃貸する予定となっております。