【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々及びご遺族の皆様へは謹んで哀悼の意を表しますとともに、医療従事者の皆様のご尽力には心より深く敬意を表します。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策として実施された個人消費や企業活動への制限は一部緩和されたものの、新型コロナウイルス感染症の変異株を含む第4波ともいえる感染者の再拡大もあり、経済の先行きは依然として不透明感が続くと想定されます。また、当社グループが事業の主体を置く住宅市場におきましては、2020年4月~2021年3月の新設住宅着工戸数は812千戸となり、持家が前年比7.1%の減少、貸家が前年比9.4%の減少、分譲住宅が前年比7.9%の減少、全体では前年比8.1%の減少となり経営環境は厳しい状況で推移しました。このような経営環境のもと、当社グループでは、主力製品のマンション向け床板用のパーティクルボード(以下PBという)を中心とする製造販売から、長尺構造用パネル用PB「壁武者」を第二の柱とすべく、最新鋭設備の佐倉工場において生産体制の構築・改善及び営業力強化に努めてまいりました。しかし、このような経営環境により、販売量の減少に伴い生産調整を実施する等、厳しい状況が続いております。当連結会計年度の業績は、第二の柱となる長尺構造用パネル用PB「壁武者」が、大手ビルダーを中心に販売を伸ばしてきているものの、総じて厳しい販売状況で推移し、売上高は7,211,868千円(前年同期比7.0%減)となり、佐倉工場の減価償却費負担は依然として大きく、営業損失は2,536,034千円(前年同期は、3,294,807千円の損失)、経常損失は2,310,837千円(前年同期は、3,342,859千円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は1,558,504千円(前年同期は、1,667,087千円の利益)となりました。なお、当社グループは木材環境ソリューション事業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報として重要性が乏しいため、セグメント情報の記載は省略しております。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動において1,846,127千円の資金が減少し、投資活動において489,356千円の資金が減少し、財務活動において85,345千円の資金が減少した結果、前連結会計年度末に比べ2,420,829千円減少し、当連結会計年度末には1,505,626千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、減少した資金は1,846,127千円(前年同期は2,040,900千円の減少)となりました。減価償却費1,946,109千円(資金の増加)、たな卸資産の減少952,361千円(資金の増加)、税金等調整前当期純損失2,508,473千円、法人税等の支払い1,834,306千円により減少したことが主たる要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、減少した資金は489,356千円(前年同期は9,264,475千円の増加)となりました。主として、有形固定資産の取得による支出469,023千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、減少した資金は85,345千円(前年同期は6,809,490千円の減少)となりました。これは主として、短期借入による収入300,000千円、長期借入による収入1,126,732千円、長期借入金の返済による支出365,969千円、社債の償還による支出1,140,209千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
(1)
生産実績当社グループでは木材環境ソリューション事業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報として重要性が乏しいため、当連結会計年度より生産実績は木材環境ソリューション事業のみ記載しております。
セグメントの名称
第76期(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)
生産高(千円)
前年同期比(%)
木材環境ソリューション事業
5,282,699
67.6
合計
5,282,699
67.6
(注) 1.金額は、製造原価によっております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)
受注実績当社グループは、概ね見込生産を行っておりますので受注実績につきましては、記載を省略しております。
(3) 販売実績当社グループでは木材環境ソリューション事業及びその他の事業でありますが、その他の事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報として重要性が乏しいため、当連結会計年度より販売実績は木材環境ソリューション事業とその他の事業に区分して記載しております。
セグメントの名称
第76期(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
木材環境ソリューション事業
6,829,112
92.9
その他の事業
382,755
95.2
合計
7,211,868
93.0
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
第75期(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
第76期(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
SMB建材株式会社
2,023,594
26.1
1,514,322
21.0
伊藤忠建材株式会社
1,134,986
14.6
1,025,014
14.2
双日建材株式会社
821,472
10.6
698,428
9.7
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。当社は、連結財務諸表の作成に際して、資産・負債の金額及び偶発債務等の注記事項の開示並びに会計期間における収益・費用の金額に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載しております。新型コロナウイルス感染拡大にかかる会計上の見積り金額への影響は、「第5 経理の状況1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」、「第5 経理の状況2.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 (a) 財政状態の分析 (流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は5,276,446千円となり、前連結会計年度末に比べ2,155,376千円減少いたしました。未収還付法人税等が1,079,029千円増加したものの、現金及び預金が2,420,829千円、商品及び製品が993,541千円減少したことが主たる要因であります。 (固定資産) 当連結会計年度末における固定資産の残高は9,904,931千円となり、前連結会計年度末に比べ1,461,678千円減少いたしました。減価償却により機械装置及び運搬具が1,421,516千円減少したことが主たる要因であります。
(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は3,844,096千円となり、前連結会計年度末に比べ962,461千円減少いたしました。短期借入金が300,000千円、1年内返済予定の長期借入金が778,116千円、資産除去債務が154,166千円増加した一方、未払法人税等が1,848,642千円減少したことが主たる要因であります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は6,731,336千円となり、前連結会計年度末に比べ1,156,619千円減少いたしました。社債が970,000千円、資産除去債務が213,727千円減少したことが主たる要因であります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は4,605,943千円となり、前連結会計年度末に比べ1,497,974千円減少いたしました。利益剰余金が1,558,504千円減少したことが主たる要因であります。
(b) 経営成績の分析① 売上高当連結会計年度における売上高は、長尺構造用パネル用PB「壁武者」が、大手ビルダーを中心に販売を伸ばしてきているものの、新型コロナウイルス感染症の影響などもあり新築住宅着工戸数が812千戸(前年同期比8.1%減)となるなど、総じて厳しい販売状況で推移し、売上高は7,211,868千円(前年同期比7.0%減)にとどまりました。
② 営業損失及び経常損失佐倉工場の減価償却の負担により、営業損失は2,536,034千円(前年同期は、3,294,807千円の損失)、経常損失は2,310,837千円(前年同期は、3,342,859千円の損失)となりました。
③ 親会社株主に帰属する当期純利益固定資産除却及び操業休止関連費用により特別損失として203,518千円、法人税等還付税額を1,077,128千円計上したことにより親会社株主に帰属する当期純損失は1,558,504千円(前年同期は、1,667,087千円の利益)となりました。
(c) キャッシュ・フローの状況の分析「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(d) 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(e) 資本の財源及び資金の流動性について当社グループの運転資金需要は主として、製造費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、佐倉工場の建築及び新木場リサイクリング工場の改修にともなう設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は7,928,835千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,505,626千円となっております。
(f) 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、日本の総人口の減少と低出生率を鑑みると、新設住宅着工戸数が大幅に上昇する可能性は少ないと判断しております。また新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、更に新設住宅着工戸数が減少したときに備え、今期においても生産調整や損益分岐点を下げるように努め、利益を計上できる体制を構築するよう心掛けております。
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