【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、長引くウクライナ情勢等の影響により、資源価格・エネルギー価格の上昇がみられる中、進行するインフレへの対応として米国や主要欧州諸国において急激な金融環境の引き締めが行われる等、慌ただしい環境の中で推移しました。日本経済につきましては、半導体不足や為替相場の急激な変動等の景気の下振れリスクを拭いきれないものの、ウィズコロナの下で各種政策の効果もあり、個人消費や企業の設備投資・生産活動に持ち直しの動きが見られる中で推移しました。耐火物業界の最大の需要先である鉄鋼業界におきましては、通期の国内粗鋼生産量は、半導体不足を起因とする自動車向け鉄鋼需要の低迷を主要因として、前年同期比8.1%減少し、8,785万トンとなりました。
このような状況の中、当社グループは第5次中期経営計画(2021年度~2023年度)の中間年度にあたる2022年度において、主要課題である「不定形商品の更なる競争力強化」に向け、前連結会計年度より当社赤穂工場(兵庫県)への最新鋭の不定形耐火物製造ライン建設と西日本地区における同製造拠点の集約に取り組んでおり、2024年4月からの新工場稼働に向け、建設工事は順調に進捗しております。
海外市場においては、2022年5月にCompagnie de Saint-Gobain(サンゴバン社、本社:フランス・パリ)との間で、同社のブラジルにおける耐火物事業及びアメリカにおける耐摩耗性セラミックス事業に関する譲受契約を締結し、同年12月に契約クロージングを行いました。これにより当社はインド・太平洋圏の主要市場全てにおいて生産拠点を確保し、海外事業のさらなる拡大に向けて体制を強化しました。
また、気候変動対策が世界的課題となる中、当社はCO2排出量を2030年度50%削減(2013年度比)、2050年度カーボンニュートラルの実現を目標といたしました。CO2排出量の少ない燃料への転換、太陽光発電の検討等を行うと共に、環境配慮型商品の開発・販売を推進し、地球環境への課題に対処してまいります。
当連結会計年度の経営成績は、上昇基調にある耐火物原料価格の販売価格への転嫁が進んだことを主要因として、売上高1,249億63百万円(前年同期比12.8%増)、営業利益108億44百万円(前年同期比7.3%増)、経常利益114億57百万円(前年同期比6.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は土地及び建物売却に伴う固定資産売却益の計上等により83億7百万円(前年同期比56.5%増)となりました。
次にセグメントの概況をご報告申し上げます。
<耐火物及び関連製品>
耐火物及び関連製品事業につきましては、耐火物原料価格の販売価格への転嫁が進んだこと等により、当連結会計年度の売上高は994億76百万円と145億75百万円(17.2%)の増収、セグメント利益は102億88百万円と8億36百万円(8.9%)の増益となりました。
<エンジニアリング>
エンジニアリング事業につきましては、各種窯炉補修作業等の減少により、当連結会計年度の売上高は244億87百万円と4億10百万円(1.7%)の減収となりましたが、工事案件の構成差によりセグメント利益は19億82百万円と1億57百万円(8.6%)の増益となりました。
<不動産>
不動産事業につきましては、当連結会計年度の売上高は9億98百万円と14百万円(1.5%)の増収、セグメント利益は4億93百万円と53百万円(12.2%)の増益となりました。
②財政状態の状況
<資産>
当連結会計年度末の総資産は、「商品及び製品」、「原材料及び貯蔵品」、「建物及び構築物(純額)」及び「のれん」の増加を主たる要因として前連結会計年度末に比べ241億91百万円増加し、1,439億1百万円となりました。
<負債>
負債は、「短期借入金」の増加を主たる要因として前連結会計年度末に比べ160億4百万円増加し、724億75百万円となりました。
<純資産>
純資産は、「利益剰余金」の増加を主たる要因として前連結会計年度末に比べ81億86百万円増加し、714億25百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ14億34百万円増加し、181億97百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動の結果得られた資金は102億81百万円(前年同期比8.3%増)となりました。これは主に「税金等調整前当期純利益」124億78百万円等による増加の結果であります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動の結果使用した資金は159億50百万円(前年同期比208.7%増)となりました。これは主に「有形固定資産の取得による支出」47億81百万円、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」109億97百万円等による増加の結果であります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動の結果得られた資金は68億36百万円(前年同期は33億48百万円の使用)となりました。これは主に「短期借入金の純増加額」111億25百万円等による増加と、「配当金の支払額」18億24百万円、「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出」21億44百万円等による減少の結果であります。
④生産、受注及び販売の状況
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
耐火物及び関連製品(百万円)
69,238
127.6
(注)金額は製造原価によっております。
(b)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
耐火物及び関連製品
100,971
114.9
26,107
124.3
エンジニアリング
25,120
115.7
2,345
136.9
合計
126,092
115.1
28,452
125.3
(注)金額は販売価格によっております。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
耐火物及び関連製品(百万円)
99,476
117.2
エンジニアリング(百万円)
24,487
98.3
不動産(百万円)
998
101.5
合計
124,963
112.8
(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
JFEスチール㈱
48,379
43.7
52,372
41.9
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の連結成績につきましては、上昇基調にある耐火物原料価格の販売価格への転嫁が進んだことを主要因として、売上高は前連結会計年度に比べ141億79百万円の増収となりました。
また、利益に関しては、在庫評価益の計上等により、前連結会計年度に比べ「営業利益」は7億36百万円、「経常利益」は7億41百万円のそれぞれ増益となりました。また、「親会社株主に帰属する当期純利益」は「経常利益」の増加に加えて、土地及び建物売却に伴う固定資産売却益の計上等から、29億98百万円の増益となりました。この結果ROSは前連結会計年度の9.7%から9.2%となりましたが、ROEは同8.8%から13.0%に上昇しました。
財政状態につきましては、原材料等の価格上昇及び需給逼迫への対応として「商品及び製品」並びに「原材料及び貯蔵品」が増加したことにより「流動資産合計」は914億34百万円となりました。また設備投資による「建物及び構築物(純額)」及び企業結合による「のれん」が増加したことにより「固定資産合計」は524億67百万円となりました。これにより、「総資産」は前連結会計年度末に比べて241億91百万円増加の1,439億1百万円となりました。
一方で、Compagnie de Saint-Gobain(サンゴバン社、本社:フランス・パリ)のブラジルにおける耐火物事業及び米国における耐摩耗性セラミックス事業の譲受資金及び運転資金に充当した「短期借入金」の増加等によって「負債合計」は前連結会計年度末に比べ160億4百万円増加し724億75百万円となりました。
また、「利益剰余金」の増加等によって「純資産」が前連結会計年度末に比べて81億86百万円増加し714億25百万円となりました。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の50.3%から47.3%に低下しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、前連結会計年度に比べて「税金等調整前当期純利益」が大幅に増加したこと等により「営業活動によるキャッシュ・フロー」は102億81百万円となり、「有形固定資産の取得による支出」47億81百万円、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」109億97百万円等「投資活動によるキャッシュ・フロー」の支出増加を差し引いた「現金及び現金同等物」の期末残高は、14億34百万円の増加となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金や長期運転資金の調達については、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金にリース債務を加えた有利子負債の残高は、343億3百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、181億97百万円となっております。
当連結会計年度末におきまして、前連結会計年度末に比べて短期借入金が117億5百万円増加しておりますが、これは海外事業の譲受資金の支払いに対応するものであり、2024年3月期における売上債権の回収と、遊休資産の売却代金により返済を行う計画であります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルスの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
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