【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第1四半期の連結業績は、売上高908億4千9百万円(前年同期比4.4%増、為替変動の影響を除いた実質前年同期比1.5%増)、事業利益25億2百万円(前年同期比54.7%減)、営業利益23億6千1百万円(同77.5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益15億7千8百万円(同80.0%減)となりました。当社グループは、前年度よりスタートした3ヵ年の中期経営計画「Vision(ビジョン)2030 1st(ファースト) STAGE(ステージ)」の3つの成長戦略である、「4つの提供価値領域における成長加速」、「成長に向けた事業基盤への変革」、「変革を実現するダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しています。国内においては、食料品をはじめとする生活必需品の価格が上昇し消費マインドに弱さがみられるなど、厳しい経営環境ではありましたが、ハブラシ、洗濯用洗剤で高付加価値の新製品を投入するとともに、ハミガキ、点眼剤等では主力ブランドの育成に取り組みました。海外事業では、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野の拡大に注力するとともに、新たにベトナムへの参入を決定しました。併せて、国内外において昨年に引き続き販売促進の効率化に努めました。しかしながら、原材料価格の影響による原価の上昇や、本社移転に伴う一時費用の発生などに加え、前第1四半期に土地の譲渡益を計上した反動により減益となりました。
[経営成績の概況]
当第1四半期(百万円)
前第1四半期(百万円)
増減率
売上高
90,849
87,030
4.4%
事業利益
2,502
5,521
△54.7%
営業利益
2,361
10,489
△77.5%
親会社の所有者に帰属する四半期利益
1,578
7,891
△80.0%
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。(注)前年同期の営業利益には、連結子会社が所有していた土地の譲渡益が含まれています。(2022年1月31日付譲渡)
[セグメントごとの経営成績]
売上高
セグメント利益(事業利益)
当第1四半期(百万円)
前第1四半期(百万円)
増減率
当第1四半期(百万円)
前第1四半期(百万円)
増減率
一般用消費財事業
60,049
59,698
0.6%
1,054
3,607
△70.8%
産業用品事業
14,706
13,055
12.6%
1,010
796
26.8%
海外事業
34,266
28,760
19.1%
1,567
865
81.2%
その他
5,767
2,534
127.5%
423
78
437.2%
小計
114,789
104,049
10.3%
4,055
5,348
△24.2%
調整額
△23,939
△17,019
―
△1,553
172
―
合計
90,849
87,030
4.4%
2,502
5,521
△54.7%
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント内およびセグメント間の内部売上高を含んでおります。
① 一般用消費財事業当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」で構成されています。全体の売上高は、前年同期比0.6%の増加となりました。セグメント利益は、前年同期比70.8%の減少となりました。
当第1四半期(百万円)
前第1四半期(百万円)
増減率
売上高
60,049
59,698
0.6%
セグメント利益
1,054
3,607
△70.8%
[売上高の分野別状況]
当第1四半期(百万円)
前第1四半期(百万円)
増減率
オーラルケア分野
15,431
15,550
△0.8%
ビューティケア分野
5,486
5,943
△7.7%
ファブリックケア分野
13,899
13,779
0.9%
リビングケア分野
4,980
5,152
△3.3%
薬品分野
5,526
5,306
4.1%
その他の分野
14,724
13,966
5.4%
(オーラルケア分野)当分野は、「ハミガキ」、「ハブラシ」、「デンタルリンス」等で構成されています。ハミガキは、「NONIO(ノニオ)プラスホワイトニング ハミガキ」や「クリニカアドバンテージ ハミガキ」が好調に推移したものの、一部ブランドにおいて販売促進の内容を見直したことから、全体の売上は前年同期を下回りました。ハブラシは、「ビトイーンライオン」が前年同期を下回りましたが、新製品「LION(ライオン)電動アシストブラシ」の出荷もあり、全体の売上は前年同期を上回りました。デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ)マウスウォッシュ」が前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。以上により、分野全体の売上は、前年同期比0.8%の減少となりました。
(ビューティケア分野)当分野は、「ハンドソープ」、「ボディソープ」、「制汗剤」等で構成されています。ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」、「キレイキレイ薬用液体ハンドソープ」がともに前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。ボディソープは、「hadakara(ハダカラ)ボディソープ 泡で出てくるタイプ」が好調に推移したものの、液体タイプが前年同期を下回り、全体の売上は前年同期比微減となりました。以上により、分野全体の売上は、前年同期比7.7%の減少となりました。
(ファブリックケア分野)当分野は、「柔軟剤」、「洗濯用洗剤」等で構成されています。柔軟剤は、「ソフラン アロマリッチ」が前年同期を下回りましたが、新製品の出荷があったことから、全体の売上は前年同期を上回りました。洗濯用洗剤は、液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス) ニオイ専用」が前年同期を下回るとともに、一部の粉末洗剤の販売を終了したこともあり、全体の売上は前年同期を下回りました。以上により、分野全体の売上は、前年同期比0.9%の増加となりました。
(リビングケア分野)当分野は、「住居用洗剤」、「台所用洗剤」等で構成されています。住居用洗剤は、「ルックプラス バスタブクレンジング」が前年同期を上回ったものの、「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前年同期を下回り、全体の売上は前年同期比微減となりました。台所用洗剤は、「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」が伸びなやみ、全体の売上は前年同期比微減となりました。以上により、分野全体の売上は、前年同期比3.3%の減少となりました。
(薬品分野)当分野は、「解熱鎮痛薬」、「点眼剤」、「ニキビ薬」等で構成されています。解熱鎮痛薬は、新型コロナウイルス関連需要が落ち着く中、「バファリンA」や「バファリン プレミアム」が前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。点眼剤は、「スマイル40ゴールド」シリーズが好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。ニキビ薬は、「ペアアクネクリームW」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。足用冷却シートは、インバウンド需要の回復により前年同期を大幅に上回りました。以上により、分野全体の売上は、前年同期比4.1%の増加となりました。
(その他の分野)当分野は、ペット用品、ギフト・ノベルティ、歯科ルート品等で構成されています。ペット用品は、オーラルケア品が好調に推移するとともに、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。ギフト・ノベルティは、市場縮小等の影響を受け、前年同期を下回りました。以上により、分野全体の売上は、前年同期比5.4%の増加となりました。
② 産業用品事業当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「モビリティ分野」、二次電池用導電性カーボン等の「エレクトロニクス分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前年同期比12.6%の増加となりました。セグメント利益は、前年同期比26.8%の増加となりました。
当第1四半期(百万円)
前第1四半期(百万円)
増減率
売上高
14,706
13,055
12.6%
セグメント利益
1,010
796
26.8%
モビリティ分野では、タイヤの防着剤が順調に推移し、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。エレクトロニクス分野では、二次電池用導電性カーボンが堅調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。業務用洗浄剤分野では、ハンドソープが前年同期を下回りましたが、衣料用洗剤が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。
③ 海外事業海外は、タイ、マレーシア等の東南・南アジア、中国、韓国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前年同期比19.1%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は9.5%の増加)となりました。セグメント利益は、前年同期比81.2%の増加となりました。
当第1四半期(百万円)
前第1四半期(百万円)
増減率
売上高
34,266
28,760
19.1%
セグメント利益
1,567
865
81.2%
[地域別状況]
当第1四半期(百万円)
前第1四半期(百万円)
増減率
東南・南アジア
売上高
20,876
18,404
13.4%
セグメント利益
875
374
133.6%
北東アジア
売上高
13,389
10,356
29.3%
セグメント利益
692
490
41.1%
(注)前期にバングラデシュ人民共和国に合弁会社を設立したことから、従来の「東南アジア」の表記を「東南・南アジア」に
変更しております。
(地域別の状況)東南・南アジア全体の売上高は、前年同期比13.4%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は2.7%の増加)、セグメント利益は133.6%の増加となりました。タイでは、洗濯用洗剤が数量ベースで伸びなやみましたが、ボディソープ「植物物語」が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。また、マレーシアでは洗濯用洗剤が前年同期を下回りましたが、為替変動の影響により円貨換算後の全体の売上は前年同期を上回りました。北東アジア全体の売上高は、前年同期比29.3%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は21.6%の増加)、セグメント利益は41.1%の増加となりました。中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」ならびにハブラシ「システマ」が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。また、韓国では、洗濯用洗剤が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。
④ その他その他(建設請負事業等)では、全体の売上高は、前年同期比127.5%の増加となりました。セグメント利益は、前年同期比437.2%の増加となりました。
当第1四半期(百万円)
前第1四半期(百万円)
増減率
売上高
5,767
2,534
127.5%
セグメント利益
423
78
437.2%
(2) 財政状態の状況資産合計は、現金及び現金同等物の減少等により、前連結会計年度末と比較して113億4千3百万円減少し、4,579億3千5百万円となりました。資本合計は、2億4百万円増加し、2,793億7千2百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は57.7%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債務及びその他の債務の減少等により、112億4千9百万円の資金の減少となりました。(前年同期は42億5千4百万円の資金の減少)投資活動によるキャッシュ・フローは、関係会社株式の取得による支出等により、127億5千万円の資金の減少となりました。(前年同期は29億5千万円の資金の減少)財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により、51億4千8百万円の資金の減少となりました。(前年同期は138億7千4百万円の資金の減少)以上の結果、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ289億2千1百万円減少し、721億5千7百万円となりました。また、前第1四半期連結会計期間末に比べて47億6千9百万円減少しました。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は25億7千7百万円であります。