【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第3四半期の連結業績は、売上高2,861億4千1百万円(前年同期比6.9%増、為替変動の影響を除いた実質前年同期比3.9%増)、事業利益172億2千5百万円(前年同期比32.2%減)、営業利益223億9千6百万円(同12.1%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益171億7百万円(同10.1%減)となりました。 当社グループは、本年度よりスタートした3ヵ年の中期経営計画「Vision(ビジョン)2030 1st(ファースト) STAGE(ステージ)」の3つの成長戦略である、「4つの提供価値領域における成長加速」、「成長に向けた事業基盤への変革」、「変革を実現するダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しています。 新型コロナウイルスの流行継続やウクライナを取り巻く情勢の深刻化など、経済の先行きが不透明な中、当社においても、資源価格の高騰や為替の変動による原材料等のコスト上昇が顕在化し、経営環境は厳しさを増していますが、中期経営計画初年度の目標達成に向け全社一丸となって取り組んでいます。国内事業では、ハミガキ、ハブラシ、住居用洗剤、解熱鎮痛薬等において高付加価値品の育成に重点的に取り組むとともに、海外事業では、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野の拡大、洗濯用洗剤等のホームケア分野の競争力強化に注力しました。併せて、国内外において販売促進の効率化やコストダウンの一層の推進など収益性の確保に努めました。
[経営成績の概況]
当第3四半期(百万円)
前第3四半期(百万円)
増減率
売上高
286,141
267,592
6.9%
事業利益
17,225
25,394
△32.2%
営業利益
22,396
25,477
△12.1%
親会社の所有者に帰属する四半期利益
17,107
19,029
△10.1%
(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。(注)営業利益には、連結子会社が所有していた土地の譲渡益が含まれています。(2022年1月31日付譲渡)
[セグメントごとの経営成績]
売上高
セグメント利益(事業利益)
当第3四半期(百万円)
前第3四半期(百万円)
増減率
当第3四半期(百万円)
前第3四半期(百万円)
増減率
一般用消費財事業
193,009
187,024
3.2%
8,972
15,970
△43.8%
産業用品事業
42,333
36,855
14.9%
2,396
2,393
0.1%
海外事業
96,267
81,406
18.3%
3,358
4,775
△29.7%
その他
11,287
22,822
△50.5%
867
1,747
△50.3%
小計
342,898
328,108
4.5%
15,595
24,886
△37.3%
調整額
△56,756
△60,515
―
1,630
508
―
合計
286,141
267,592
6.9%
17,225
25,394
△32.2%
(注)連結子会社であるライオンケミカル㈱の事業構成の変化を踏まえ、第1四半期連結会計期間より、従来「産業用品事業」に集約していた同社の事業を「産業用品事業」と「一般用消費財事業」に分離しています。なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報についても、この変更を反映したものに組み替えて表示しています。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント内およびセグメント間の内部売上高を含んでおります。
① 一般用消費財事業当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」で構成されています。全体の売上高は、前年同期比3.2%の増加となりました。セグメント利益は、前年同期比43.8%の減少となりました。
当第3四半期(百万円)
前第3四半期(百万円)
増減率
売上高
193,009
187,024
3.2%
セグメント利益(事業利益)
8,972
15,970
△43.8%
[売上高の分野別状況]
当第3四半期(百万円)
前第3四半期(百万円)
増減率
オーラルケア分野
52,043
49,884
4.3%
ビューティケア分野
19,805
18,508
7.0%
ファブリックケア分野
43,934
44,020
△0.2%
リビングケア分野
17,068
18,313
△6.8%
薬品分野
17,912
18,480
△3.1%
その他の分野
42,244
37,817
11.7%
(オーラルケア分野)ハミガキは、「クリニカアドバンテージ ハミガキ」が好調に推移するとともに、新製品「システマハグキプラス プレミアムハミガキ よくばりな美白」や「クリニカPRO(プロ) ハミガキ」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前年同期を上回りました。ハブラシは、「クリニカアドバンテージ ハブラシ」や「NONIO(ノニオ) ハブラシ」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。 デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ) プラスホワイトニングデンタルリンス」が好調に推移するとともに、昨年発売した「システマ ハグキプラス プレミアム デンタルリンス」も加わり、全体の売上は前年同期を上回りました。
(ビューティケア分野)ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。 ボディソープは、「hadakara(ハダカラ) ボディソープ」が順調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。
(ファブリックケア分野)柔軟剤は、「ソフラン プレミアム消臭」が前年同期を下回りましたが、「ソフラン アロマリッチ」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。 洗濯用洗剤は、液体洗剤「トップ クリアリキッド」や「香りつづくトップ」が前年同期を下回りましたが、液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス) ニオイ専用」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。漂白剤は、「ブライト」シリーズが前年同期を下回り、全体の売上は前年同期を下回りました。
(リビングケア分野)台所用洗剤は、「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」が前年同期を下回り、全体の売上は前年同期を下回りました。 住居用洗剤は、浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」や「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前年同期を上回りましたが、トイレ用洗剤が前年同期を下回り、全体の売上は前年同期比微減となりました。
(薬品分野)解熱鎮痛薬は、市場が順調に推移する中、昨年発売した「バファリン プレミアムDX(ディーエックス)」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前年同期を上回りました。 点眼剤は、新製品が加わった「スマイル40ゴールド」シリーズが前年同期を上回り、全体の売上は前年同期を上回りました。ニキビ薬は、「ペアアクネクリームW」が前年同期を下回り、全体の売上は前年同期を下回りました。
(その他の分野)ペット用品は、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。 通信販売商品は、「腸まで届けるナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が前年同期を下回り、全体の売上は前年同期を下回りました。上記の他、製造子会社のグループ内部売上高が大幅に増加しました。
② 産業用品事業当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「モビリティ分野」、二次電池用導電性カーボン等の「エレクトロニクス分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前年同期比14.9%の増加となりました。セグメント利益は、前年同期比0.1%の増加となりました。
当第3四半期(百万円)
前第3四半期(百万円)
増減率
売上高
42,333
36,855
14.9%
セグメント利益(事業利益)
2,396
2,393
0.1%
モビリティ分野では、タイヤの防着剤が好調に推移し、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。 エレクトロニクス分野では、車載電池向けカーボンが好調に推移し、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。 業務用洗浄剤分野では、ハンドソープが前年同期を下回りましたが、厨房向け消毒用アルコールが好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。
③ 海外事業海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前年同期比18.3%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は7.6%の増加)となりました。セグメント利益は、東南アジアで原材料価格上昇の影響を大きく受けたこともあり、前年同期比29.7%の減少となりました。
当第3四半期(百万円)
前第3四半期(百万円)
増減率
売上高
96,267
81,406
18.3%
セグメント利益(事業利益)
3,358
4,775
△29.7%
[地域別売上状況]
当第3四半期(百万円)
前第3四半期(百万円)
増減率
東南アジア
売上高
61,108
51,247
19.2%
セグメント利益
1,485
3,111
△52.3%
北東アジア 売上高
35,159
30,158
16.6%
セグメント利益
1,873
1,663
12.6%
(地域別の状況)東南アジア全体の売上高は、前年同期比19.2%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は9.1%の増加)、セグメント利益は52.3%の減少となりました。 タイでは、洗濯用洗剤が前年同期を下回りましたが、ボディソープが好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を上回りました。 また、マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。 北東アジア全体の売上高は、前年同期比16.6%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は5.0%の増加)、セグメント利益は12.6%の増加となりました。 韓国では、洗濯用洗剤が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。 また、中国では、「システマ」ハブラシが前年同期を下回りましたが、日本からの輸入品の販売が増加し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を上回りました。
④ その他その他(建設請負事業等)では、全体の売上高は、前年同期比50.5%の減少となりました。セグメント利益は、前年同期比50.3%の減少となりました。
当第3四半期(百万円)
前第3四半期(百万円)
増減率
売上高
11,287
22,822
△50.5%
セグメント利益(事業利益)
867
1,747
△50.3%
(2) 財政状態の分析資産合計は、現金及び現金同等物の減少等により、前連結会計年度末と比較して109億4千万円減少し、4,170億8千5百万円となりました。資本合計は、63億6千4百万円増加し、2,713億7千8百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は61.6%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益等により、186億5千6百万円の資金の増加となりました。(前年同期は50億3百万円の資金の減少)投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、133億7千万円の資金の減少となりました。(前年同期は281億7千万円の資金の減少)財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により、192億3千万円の資金の減少となりました。(前年同期は96億3千9百万円の資金の減少)以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ121億4千1百万円減少し、851億9百万円となりました。また、前第3四半期連結会計期間末に比べて60億2千6百万円増加しました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は80億3千8百万円であります。