【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。そのため、経営成績の状況の説明において、売上高については前年同期比(%)を記載しておりません。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社の事業が関連するソフトウェア国内市場において、2022年度の市場規模見込は1兆8,643億円となっております。外部サービスとの柔軟な連携性に加え、新型コロナウイルスの感染拡大を背景にしたテレワークの普及、電子帳簿保存法などの法改正によるペーパーレス化の進展、デジタルトランスフォーメーションの重要性が高まっており、時間や場所にとらわれず利用が可能であり、自社でシステム運用する必要がないSaaS(※)の導入が国内で進んでおります。2026年度においてはソフトウェアの国内市場2兆4,607億円のうち、SaaSは1兆6,681億円、比率は全体のおよそ7割となることが予測されており、今後もSaaSの需要は高まることが見込まれております。(富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2022年版」)
当事業年度においては、新型コロナウイルスの感染症拡大に対して、行動制限や水際対策の緩和により徐々に経済活動が再開されたものの、ウクライナ情勢の長期化、物価上昇による世界的な金融引き締め、それに伴う急激な為替の変動などにより、依然として先行きの不透明な状況であります。
当社が提供する「安否確認サービス」は、災害時に従業員等の安否確認を自動で行うクラウドサービスであります。地震をはじめ、津波や特別警報などにも連動して自動で安否確認を送信します。利用者が回答した最新の情報を、管理者権限を持つユーザーが、いつでもリアルタイムで確認することができます。全社で利用できる掲示板だけでなく、限定されたメンバーのみが利用できる、グループメッセージ機能を備えています。これにより、災害対策本部をオンライン上に設置し、運営することが可能となっております。パンデミックをはじめとした非常時の連絡手段としても有用であり、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、情報共有ツールとしての認知が拡大いたしました。
当社が提供する「kintone連携サービス」は、サイボウズ株式会社の提供する「kintone」と連携することで、より便利にkintoneを利用するためのクラウドサービスであります。外部とも連携した帳票の作成やWebフォームの作成、kintoneのデータを外部に公開するなど、用途に応じた6つの製品を提供しております。新型コロナウイルスの感染拡大の影響のもと、各企業においてリモート勤務をはじめとする多様な働き方が普及してきたことや地方自治体などにおいてもデジタルトランスフォーメーションによる需要が高まったことなどから、kintone連携サービスが利用される機会が拡大しております。
当社が提供する「トヨクモ スケジューラー」は、従来のグループスケジューラーがもつ社内の日程調整に加えて、社外の人との日程調整もできる新しいコンセプトのスケジューラーであります。予定を作成する際、サイボウズ株式会社の提供する「kintone」、「cybozu.com」と連携することで手入力の手間を省いたり、WebミーティングのURLをワンクリックで発行したりすることが可能であります。当サービスは日程調整を目的としたサービスのため、業種や規模を問わずご利用いただけるものであり、競合他社は多いものの市場規模は大きいと考えております。
なお、各サービスにおいては、便利に使えるだけでなく、誰でも簡単に操作できることを第一に、機能追加及びメンテナンスを継続しております。
これらの結果、当事業年度における売上高は1,937,067千円、営業利益は639,331千円(前期比52.8%増)、経常利益は638,749千円(同51.5%増)、当期純利益は427,037千円(同48.9%増)となりました。
なお、当社は法人向けクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
※ SaaS:Software as a Service(利用者がインターネット等を利用し、事業者のサーバーに接続して利用する形態)のこと
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は前事業年度末に比べ405,129千円増加し、2,610,296千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加394,657千円によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は前事業年度末に比べ228,441千円増加し、975,355千円となりました。これは主に、広告宣伝費等に係る未払金及び未払費用の増加45,641千円、未払法人税等の増加34,261千円、契約負債(前事業年度は前受収益)の増加114,532千円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は前事業年度末に比べ176,687千円増加し、1,634,940千円となりました。これは、自己株式の取得による減少199,540千円、繰越利益剰余金の増加376,228千円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ394,657千円増加し、2,296,011千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は650,139千円(前事業年度は443,366千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上638,749千円、契約負債の増加額114,532千円、法人税等の支払額181,342千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4,662千円(前事業年度は162,461千円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出4,662千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は250,819千円(前事業年度は469千円の獲得)となりました。これは、配当金の支払額50,680千円、自己株式の取得による支出200,138千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりです。なお、当社は法人向けクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
法人向けクラウドサービス事業
1,937,067
-
(注)1.当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。そのため、当事業年度に係る販売高については、前年同期比を記載しておりません。
2.前事業年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
3.当事業年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については次のとおりであります。
相手先
当事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
SB C&S株式会社
201,653
10.4
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
また、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。そのため、経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容の説明において、売上高については前年同期比(%)を記載しておりません。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成に当たり、決算日における財政状態及び会計期間における経営成績に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、この見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当社はRX Japan株式会社主催の「オフィス防災EXPO」、サイボウズ株式会社主催の「Cybozu Days」「Cybozu Circus」等、安否確認サービス及びkintone連携サービス等に関連するイベントへの参加による顧客へのアプローチに加え、当事業年度においても引き続きテレビCM、交通広告等のマス広告を利用し、当社及び当社サービスの知名度向上に努めてまいりました。
以上の結果、安否確認サービスの有償契約数は3,125件(前事業年度末比15.9%増)、kintone連携サービス等の有償契約数は8,139件(同30.3%増)となり、各サービスにおける有償契約数の増加により、当事業年度における売上高は1,937,067千円となりました。
(売上原価、売上総利益)
収益認識に関する会計基準の適用により、サイボウズ株式会社からのライセンス仕入高等を控除した純額で収益を認識する方法に変更しております。
以上の結果、当事業年度における売上総利益は1,877,487千円(前年同期比33.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当社の販売費及び一般管理費は、主に人件費、広告宣伝費及びその他の経費で構成されております。事業拡大に応じて正社員を6名増員し昇給も行ったことから、人件費が増加しました。また、広告活動の強化により、広告宣伝費は141,350千円増加しました。
以上の結果、当事業年度における営業利益は639,331千円(同52.8%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
特に大きな営業外収益、営業外費用は発生しておりません。
以上の結果、当事業年度における経常利益は638,749千円(同51.5%増)となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
特別損益は発生しておりません。法人税等に関しては211,711千円となりました。
以上の結果、当期純利益は427,037千円(同48.9%増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の資金需要のうち主なものは、既存サービスの向上及び新規サービス開発に伴う人材採用費及び人件費、サービス知名度向上のための広告宣伝費であります。運転資金については自己資金により賄う方針です。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。当社は経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減するため、常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、人材の確保及び育成等に努めてまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
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