【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症への活動制限の緩和により、社会経済活動の回復への動きがみられる一方で、新型コロナウイルスの変異株による感染再拡大、ウクライナ情勢の悪化や円安の進行を背景としたエネルギー、原材料価格の高騰などによる物価上昇に伴う景気減速が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。消費者金融業界におきましては、引き続き大手各社における新規成約件数が前年同期比で増加するなど、回復傾向が続いております。また、利息返還請求については、着実に減少しているものの、外部環境の変化等の影響を受けやすいことから、引き続き注視が必要な状況です。このような環境のもと、当社グループにおきましては、経営テーマとして「Go(new)Standard. ~お客様志向の深化~」を掲げ、経営テーマを具現化させるため、事業多角化、海外ビジネス強化等による「事業ポートフォリオの分散」とIT技術分析、システム内製化等の「デジタル技術の利活用」に重点をおいて取り組むとともに、経営課題の一つである利息返還請求へ対応しつつ、「成長性」と「収益性」の両立によるアセットの拡大や、連結利益最大化に向けた経営資源の適正化に努めてまいります。なお、アイフルグループでは創業から50年以上にわたり、企業シンボルとして安心感や誠実さを象徴するハートマークを用いてきましたが、この先の50年、100年を見据え未来に新たな価値を提供していく企業姿勢にふさわしいイメージへのアップグレードを行うため、VI(ビジュアルアイデンティティ)を刷新し、 2022年7月7日より新しく「アートシンボル」及び「社名ロゴ」の使用を開始しております。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの営業収益は107,583百万円(前年同期比9.2%増)となりました。その主な内訳といたしましては、営業貸付金利息が62,351百万円(前年同期比9.3%増)、包括信用購入あっせん収益が15,294百万円(前年同期比10.3%増)、信用保証収益が12,532百万円(前年同期比6.7%増)となっております。営業費用につきましては、9,938百万円増加の89,828百万円(前年同期比12.4%増)となりました。その主な要因といたしましては、広告宣伝費が3,138百万円増加の11,368百万円(前年同期比38.1%増)、貸倒引当金繰入額が2,823百万円増加の28,815百万円(前年同期比10.9%増)となったことなどによります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの営業利益は17,755百万円(前年同期比4.6%減)、経常利益は18,320百万円(前年同期比3.4%減)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、非支配株主に帰属する四半期純利益435百万円を計上した結果、16,869百万円(前年同期比7.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、2022年4月1日付で従前「その他」に含まれていたすみしんライフカード株式会社は、報告セグメントであるライフカード株式会社を存続会社とする吸収合併により消滅しております。以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分により組み替えた数値で比較しております。
(アイフル株式会社)〔ローン事業〕ローン事業につきましては、テレビCMやWEBを中心とした効果的な広告展開のほか、お客様の利便性向上に向け、公式サイトやスマホアプリ、申込フォーマットの改修やゆうちょ銀行とのATM提携開始、セブン銀行ATMで国内初の「マイナンバーカードを利用した所得情報の提出」サービスを開始するなど、お客様の声をもとにサービス向上に継続的に取り組み、新規成約件数や営業貸付金残高の増加に努めております。その結果、当第3四半期連結累計期間における当社の無担保ローン新規成約件数は21万2千件(前年同期比38.6%増)、成約率は32.2%(前年同期比1.5ポイント減)となりました。また、当第3四半期連結会計期間末における無担保ローンの営業貸付金残高は474,594百万円(前期末比5.5%増)、有担保ローンの営業貸付金残高は2,687百万円(前期末比23.2%減)、事業者ローンの営業貸付金残高は9,849百万円(前期末比14.1%増)、ローン事業全体の営業貸付金残高は487,131百万円(前期末比5.5%増)となりました(債権の流動化によりオフバランスとなった営業貸付金8,164百万円が含まれております。)。
〔信用保証事業〕信用保証事業につきましては、個人及び事業者の与信ノウハウや独立系の強みを活かし、保証残高拡大に向けた商品の多様化や新規保証提携の推進に取り組んでまいりました。その結果、当第3四半期連結会計期間末における個人向け無担保ローンの支払承諾見返残高は137,389百万円(前期末比8.3%増)、事業者向け無担保ローンの支払承諾見返残高は39,645百万円(前期末比24.8%増)となりました。なお、事業者向け無担保ローンの支払承諾見返残高のうち2,657百万円はアイフルビジネスファイナンス株式会社への保証によるものであります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社の営業収益は66,511百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は13,808百万円(前年同期比12.2%増)、経常利益は26,140百万円(前年同期比94.4%増)、四半期純利益は25,049百万円(前年同期比90.1%増)となりました。
(ライフカード株式会社)〔包括信用購入あっせん事業〕包括信用購入あっせん事業につきましては、入会フォームや公式サイト、スマホアプリの改修やあと分割の支払回数の追加などで利便性向上を図り、新規カード発行数の増加や既存カードの稼動率向上などに努めております。また、Vプリカアプリのリリースやフィンテック事業者との提携による企業間決済サービスの開始など、クレジットカードを軸としたキャッシュレス事業の拡大・収益基盤強化に取り組んでおります。その結果、当第3四半期連結累計期間における取扱高は532,157百万円(前年同期比7.8%増)、当第3四半期連結会計期間末における包括信用購入あっせん事業に係る割賦売掛金残高は107,594百万円(前期末比5.7%増)となりました(債権の流動化によりオフバランスとなった割賦売掛金6,376百万円が含まれております。)。
〔カードキャッシング事業〕カードキャッシング事業における、当第3四半期連結会計期間末の営業貸付金残高は22,987百万円(前期末比2.7%減)となりました(債権の流動化によりオフバランスとなった営業貸付金1,627百万円が含まれております。)。
〔信用保証事業〕信用保証事業につきましては、個人及び事業者の与信ノウハウや独立系の強みを活かし、保証残高拡大に向けた商品の多様化や新規保証提携の推進に取り組んでまいりました。その結果、当第3四半期連結会計期間末における個人向け無担保ローンの支払承諾見返残高は27,386百万円(前期末比2.1%増)、事業者向け無担保ローンの支払承諾見返残高は1,224百万円(前期末比7.7%増)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるライフカード株式会社の営業収益は26,753百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は1,832百万円(前年同期比43.2%減)、経常利益は1,955百万円(前年同期比41.7%減)、四半期純利益は1,540百万円(前年同期比55.9%減)となりました。
(その他)当第3四半期連結累計期間における報告セグメントに含まれない連結子会社7社(AIRA & AIFUL Public Company Limited、アイフルビジネスファイナンス株式会社、AG債権回収株式会社、AGキャピタル株式会社、AGギャランティー株式会社、AGミライバライ株式会社、AGメディカル株式会社)の営業収益は 14,776百万円(前年同期比26.5%増)、営業利益は1,089百万円(前年同期比50.5%減)、経常利益は1,152百万円(前年同期比46.8%減)、四半期純利益は1,562百万円(前年同期比23.3%増)となりました。
② 財政状態
当第3四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べ109,634百万円増加の1,045,277百万円(前期末比11.7%増)となりました。増加の主な要因は、営業貸付金が42,661百万円、割賦売掛金が20,825百万円などの債権残高が増加したことなどによるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ92,239百万円増加の871,356百万円(前期末比11.8%増)となりました。増加の主な要因は、資金調達関連が66,485百万円増加したことなどによるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ17,394百万円増加の173,921百万円(前期末比11.1%増)となりました。増加の主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことなどによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ14,635百万円増加の53,782百万円(前期末比37.4%増)となりました。当第3四半期連結累計期間における、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは46,234百万円の支出(前年同期比456.4%増)となりました。これは主に、営業貸付金及び割賦売掛金の増加による資金の減少などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは3,307百万円の支出(前年同期比21.7%増)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは64,081百万円の収入(前年同期比147.6%増)となりました。これは主に、社債及び借入れによる収入が返済による支出を上回ったことなどによるものであります。
(3) 経営方針・経営戦略等及び対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等及び対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 流動性及び資金需要当社グループは、以下に掲げる事項に対して流動性のある資金を必要としております。ア.運転資金当社グループは、金融事業を主たる事業としており、ローン事業におけるお客様の資金需要に対する資金、信販事業における信用購入あっせんに対する資金、債権管理回収事業における金融機関等からの債権の買い取りに対する資金、ベンチャーキャピタル事業における新興企業に対する投資のための資金などを必要としております。また、支払利息等の金融費用をはじめ、人件費や賃借料等の運転資金を必要としております。イ.設備投資当社グループは、事業の営業基盤拡充を目的とした設備やIT機器への投資に対して資金を必要としております。ウ.法人税等の支払い当社グループは、法人税等の納付に対する資金を必要としております。
② 資金調達当社グループは、金融事業を主たる事業としており、事業拡大に必要な資金は外部から調達しております。安全性の観点及び強固な調達基盤構築のため、金融機関からの間接調達と社債等の直接調達の双方を行うことで資金調達の多様化を図っております。また、その時々の調達環境を考慮したうえで当社グループにとって有利な調達手法を選択することで、資本コストの引き下げにも努めております。事業活動によって得た貸付金の利息入金から必要経費を除いた資金においては、貸付資金としての事業資金や株主還元のための資金、手元現預金とすることを基本方針としております。当社グループは、各事業における営業活動、新規事業・海外事業に対する投資及び債務の返済等に対応するため、手元現預金が必要であり、当第3四半期連結会計期間末の決算日の資金、今後の事業活動によって確保されるであろう将来のキャッシュ・フローは、翌1年間の営業活動を維持するのに十分な水準にあるものと考えております。
③ 契約債務当社グループは、お客様へのご融資などの営業活動等に対して資金を必要としており、金融機関等からの借入れ(債権流動化含む。)や社債の発行等により資金調達を行っております。ア.短期有利子負債当社グループの短期有利子負債は、金融機関等からの借入れであります。当第3四半期連結会計期間末の短期有利子負債は95,534百万円であります。その平均利率は1.55%であります。 イ.長期有利子負債当社グループの長期有利子負債は、社債及び金融機関等からの借入れであります。当第3四半期連結会計期間末における長期有利子負債(1年以内に返済又は償還が予定されている長期借入金及び社債を含みます。)は451,352百万円であります。長期有利子負債のうち、金融機関等からの借入れは406,352百万円であり、その平均利率は1.04%であります。また社債の発行による資金調達は45,000百万円であり、その平均利率は0.96%であります。社債に係る償還満期までの最長期間は3年(2025年12月)であります。
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