【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染者数が過去最高を記録する日が続くなど大きな波を迎え、また新たな変異株による感染拡大の懸念が増す状況の中で、依然として先行きの見通しが立ちにくい状況にありました。しかしながらワクチン接種の進捗とともに、感染、発症、重症化の各面で予防効果が認められたことなどにより、新型コロナウイルスへの対応と社会経済活動の両立を標榜するウィズコロナ政策が進み、経済活動への制限は緩和され、景気の持ち直しへの期待が強くなりました。
当社グループの業績においては、建設機械産業向け鍛造品の需要が引続き力強く推移し、業績回復の趨勢を支えました。一方、自動車産業向け鍛造品においては、半導体不足の長期化を主因とした自動車生産活動の回復の遅れから、当社グループの受注にも影響がありました。またウクライナ情勢等を受けた資源価格ならびにエネルギー価格の上昇は、収益回復への足かせとなりました。以上のように好悪両面の入り混じった経済環境に直面しましたが、受注の回復に加え、中期経営計画達成に向けた諸施策を実施することにより、当社グループの業績は総じて改善基調となりました。
このような状況下、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、主力の鍛造事業で受注回復の傾向が見られ、前年同四半期比24億57百万円増加の105億58百万円となりました。また利益については、売上高の増加に伴い、営業利益が3億89百万円(前年同四半期は2億23百万円の利益)、経常利益は5億15百万円(同2億93百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億65百万円(同1億55百万円の利益)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの業績をより適切に反映させるために、全社費用の配賦基準を見直し、事業セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行っております。以下の前年同四半期比較については、変更後の算定方法に基づき算定した前年同四半期の数値を用いて比較しております。
鍛造事業
当社グループの主要事業である鍛造事業は、受注の回復により売上高は前年同四半期比18億85百万円増加の85億93百万円、セグメント利益は製造部門での操業度の上昇等により2億72百万円(前年同四半期は2億9百万円の利益)となりました。各分野の状況は以下のとおりです。
① 自動車産業向け
鍛造品の主要マーケットである国内自動車産業の海外生産及び部品現地調達の拡大により、同産業に関わる鍛造品の国内需要は減少傾向にありますが、前年同四半期に比べ新型コロナウイルス感染症の影響は軽減され、当第2四半期連結累計期間での業績は回復基調となっております。しかしながら、車載用半導体不足を起因とした自動車生産活動の停滞の影響が長引いたことにより、需要の回復度合いは抑制されたものと考えられます。
タイ国の子会社においては、車載用半導体不足による自動車生産台数減少の影響を一部受けながらも、前年同四半期に比して自動車産業からの受注が回復し、業績は堅調に推移しております。新型コロナウイルス感染症対策としては、社内感染の極小化を目的とした保守的な出社制限等を実施するなど、慎重な管理のもと日々の業務を運営しております。
② 建設機械産業向け
建設機械産業は、建設機械ならびに鉱山機械の市況が順調に推移することにより、関連する鍛造部品の受注が引続き高水準で推移し、当初想定を上回る業績を上げております。
③ その他産業向け
建築資材や工作機械部品など、自動車関連以外のマーケットでの受注実績が積み上がっており、販路拡大に向けた企業努力は結実しつつあります。
建機事業
仮設機材の販売・リースを行う建機事業は、首都圏での再開発事業や社会インフラの改修整備等が堅調なことから、仮設機材の需要が回復基調にありました。収益性の良化を図った商品設定も奏功し、売上高は前年同四半期比70百万円増加の9億69百万円、セグメント利益は32百万円(前年同四半期は19百万円の損失)と黒字に転じました。
物流事業
金属製パレットの製造販売を中心とした物流事業は、自動車製造業を営む取引先が半導体不足の影響から生産を抑制すると同時にパレットを買い控える傾向にありましたが、当第2四半期連結累計期間においては比較的大きな数量の取引が複数成約し、業績が改善しました。この結果、売上高は前年同四半期比4億95百万円増加の8億82百万円、セグメント利益は41百万円(前年同四半期は16百万円の損失)と、建機事業同様黒字に転じております。
不動産事業
不動産事業の売上高は、入居状況が堅調に推移し、前年同四半期比5百万円増加の1億14百万円となり、セグメント利益は66百万円(前年同四半期は66百万円の利益)となりました。
財政状態は、次のとおりです。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ17億49百万円増加し、374億36百万円となりました。資産の主な増減は以下のとおりです。
主な増減は、流動資産では、売上債権が売上高増加等により6億94百万円増加したこと、現金及び預金が4億80百万円増加したこと、主に鍛造事業において受注回復に伴う生産の増加並びに鋼材価格の上昇により棚卸資産が5億65百万円増加したことなどにより、流動資産合計は前連結会計年度末に比べ17億56百万円増加し、216億3百万円となりました。また、固定資産は、有形固定資産が設備更新や海外資産における為替相場の変動影響により1億12百万円増加したこと、投資有価証券が時価の下落により1億47百万円減少したこと等により、固定資産合計は前連結会計年度末に比べ7百万円減少し、158億32百万円となりました。
流動負債では、主に鍛造事業において受注回復に伴う仕入の増加及び鋼材価格の上昇により、仕入債務が6億30百万円増加したことなどにより、流動負債合計は前連結会計年度末に比べ6億86百万円増加し、118億4百万円となりました。また、固定負債では、繰延税金負債が74百万円増加したこと、株式給付引当金が制度改定の影響も含め24百万円増加したこと、退職給付に係る負債が24百万円増加したことなどにより、固定負債合計は前連結会計年度末に比べ1億26百万円増加し、15億92百万円となりました。
純資産は、利益計上したものの配当金支払いにより利益剰余金が1億3百万円減少したこと、その他有価証券評価差額金が82百万円減少する一方で為替換算調整勘定が10億97百万円増加したことにより、その他の包括利益累計額合計が10億15百万円増加し、純資産合計は前連結会計年度末に比べ9億36百万円増加し、240億39百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前年同四半期末に比べ8億67百万円増加し、60億45百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、5億73百万円(前年同四半期は12億86百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が5億15百万円となったことのほか、減価償却費相当の資金留保、売上債権及び棚卸資産ならびに仕入債務の増加、法人税等の支払などが要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、3百万円(前年同四半期は10億2百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金(3ケ月超)の純減少額4億95百万円、ならびに既存設備の更新投資等の有形固定資産取得による支出4億99百万円などによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は2億71百万円(前年同四半期は3億75百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金99百万円による資金の増加及び配当金3億68百万円の支払いなどによります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。