【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当第1四半期連結累計期間は、「第4
経理の状況」において四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していないため、キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容は記載しておりません。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年6月30日)におけるわが国経済は、コロナ禍の終息に向けた動きが加速し、景気は緩やかに回復いたしました。一方、物価高や世界的な金融引き締め政策の影響による経済の減速等、先行き不透明な状況が続いております。
食品業界では原材料費の高騰等に伴う様々な商品の値上げ拡大による影響が大きく、節約志向が一段と強まりました。一方、外食業界におきましては、行動制限も緩和され回復傾向ではありますが、原材料やエネルギー価格の上昇、労働力不足による人件費上昇等、依然として経営環境は厳しいものとなっています。
このような状況のもと、当社グループは、商品、レストラン、ショップを通して「おいしさと健康」をお客様に提供し、ファンを基盤にした経営、マーケティングの強化、商品の強みを生かした価値訴求のさらなる追求を行ってまいりました。
商品事業では営業改革による営業力強化を行うとともに、前期に行った価格改定の浸透も徐々に進んだこと等により増収となりました。店舗事業では、顧客満足を追求した施策と新規出店を行ったことにより大幅な増収となり、グループ全体での当第1四半期連結累計期間の売上高は24億67百万円(前年同期比8.8%増)と増収となりました。
利益面では、商品事業において原材料費の高騰が影響したものの、利益構造改革により店舗事業が再黒字化を達成したこと等により営業利益は55百万円(前年同期は25百万円の損失)、経常利益は57百万円(前年同期は21百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2百万円(前年同期は23百万円の損失)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度末より報告セグメントの変更を行っており、従来「食品事業」「レストラン事業」としていた報告セグメントの名称を「商品事業」「店舗事業」に変更しております。また、従来「食品事業」に含めていた「直販事業」は、変更後のセグメント区分において「店舗事業」に含めております。前年同期比較・分析については、変更後のセグメント区分に基づいております。
①商品事業
・ドレッシングカテゴリー
収益基盤のドレッシングカテゴリーでは、発売から42年の主力商品「ピエトロドレッシング和風しょうゆ」が、2023年5月初めに累計出荷本数3億本を達成いたしました。これを記念し、これまでの感謝を込め、お客様の願いを叶える「ありがとうチャレンジ」企画や様々な感謝イベントを実施いたしました。また春夏限定で発売した「ピエトロドレッシングうめ」や新商品の「ピエトロドレッシングプレミアムフレンチ」が好調に推移いたしました。前期に行った価格改定は一部では浸透が進み、ドレッシングカテゴリーは前年同期並みの販売額を確保しましたが、当四半期での本格回復までには至りませんでした。引き続き、商品の価値訴求、ブランド力向上を図り、新価格の浸透に向け注力してまいります。
・パスタカテゴリー
第2の柱であるパスタカテゴリーでは、ボトル入りパスタソース「おうちパスタシリーズ」4種のアソートセットやお試し2種セットを発売し、新たな需要拡大を図ってまいりました。
また、手軽で本格的なレトルトパスタソース「洋麺屋ピエトロ」は“レストランの味をご家庭で”の強みを活かした提案やエリア販促の強化を行った結果、固定ファンも増え、堅調に推移いたしました。
プレミアムパスタ麺「AGNESI」は“ピエトロレストランで使用されているプレミアムパスタ麺”として認知拡大を図ったことにより、家庭用、業務用ともに前年同期を上回る販売額となりました。
しかしながら、新型コロナウイルスによる行動制限の解除等による内食需要の落ち着きもあり、パスタカテゴリー全体での販売額は前年同期を下回る結果となりました。
・冷凍商品カテゴリー
成長事業である冷凍商品カテゴリーでは、シェフ自らが開発に携わり、レストランクオリティの味が家庭で楽しめる点を強みとし、冷凍パスタを中心にピザ、ドリア、グラタンなどの拡販強化を行ってまいりました。プレミアム冷凍商品として、レストランとの相乗効果を狙った周辺店舗への配荷や量販店への提案を強化した結果、前年同期の販売額を大きく上回りました。
・その他カテゴリー
フライドオニオン「PATFUTTE(パットフッテ)」シリーズは、レストランのテーブルに常備して自由にお試しいただける“テーブルマーケティング”や店頭化推進を行ったこと等により、店頭物販だけでなく、流通商品としても順調に販売額を伸ばしました。
さらに通信販売では、通常のギフト販売のほか、オンラインストアやアプリ、新規ECモールへの出店を行う等、EC販売の強化を行ってまいりました。
利益面では、主原料価格の高騰の影響があったものの、価格改定の効果や製造原価低減に努めた結果、セグメント売上高は15億19百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益は4億41百万円(前年同期比1.1%増)の増収増益となりました。
②店舗事業
・レストラン店舗
レストラン店舗では、味、雰囲気、サービスの総合点を磨き、顧客満足度向上を図ってまいりました。おいしさをさらに追求した高付加価値メニューや季節のフルーツを贅沢に使用したデザートの提供やディナーメニューの強化、より質の高いサービスを追求するためのスタッフ研修のさらなる強化等の施策を行ったことにより、顧客単価、来客数ともに上昇いたしました。さらに、テイクアウトメニューの拡充、デリバリーへの対応、レストランでのテーブルマーケティングによる店頭での物販強化にも取り組んでまいりました。また出店戦略としては、未出店エリアへの出店を積極的に行いました。これらの結果、レストラン店舗の販売額は前年同期を大きく上回りました。
・直販店舗
スープカテゴリーでもあるPIETRO A DAYブランド等の直販店舗では、コロナ禍で中断していたスープの試食を本格的に再開する等、スープのおいしさをお客様に直接伝えるマーケティングや期間限定のPOP UP店舗の出店も継続的に行い、PIETRO A DAY商品のさらなる認知拡大に取り組んでまいりました。季節やイベントに応じたギフトボックスの導入を強化したことで、「プチギフト」「パーソナルギフト」の需要が増加し、順調に販売数量を伸ばしました。
店舗の新規出店につきましては以下のとおりです。
出店時期
店舗名
2023年4月
ピエトロ イオンモール新潟南店
2023年4月
ピエトロ イオンモール札幌発寒店
2023年5月
ピエトロ 東京ドームシティ ラクーア店
2023年6月
PIETRO MIOMIO 福岡大名ガーデンシティ店
利益面におきましては、レストラン店舗の売上が好調だったことに加え、原材料や諸費用の価格上昇に伴うメニューの見直しや価格改定の効果、人員配置の効率化等により、再黒字化を達成いたしました。
以上の結果、セグメント売上高は9億8百万円(前年同期比22.6%増)、セグメント利益は8百万円(前年同期は36百万円の損失)と増収増益となりました。
③その他(本社ビルの賃貸等)事業
その他(本社ビル等の賃貸等)事業におきましては、売上高は39百万円(前年同期比0.7%増)セグメント利益は18百万円(前年同期比5.1%減)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ33百万円減少し87億98百万円となりました。これは主に有形固定資産(純額)が1億64百万円増加する一方、現金及び預金が1億91百万円減少したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1億7百万円増加し38億81百万円となりました。これは主に未払金が11百万円、未払法人税等が18百万円、流動負債のその他が64百万円、資産除去債務が35百万円増加する一方、賞与引当金が32百万円、長期借入金(1年内含む)が30百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1億41百万円減少し49億16百万円となりました。これは前期決算の剰余金の配当1億45百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益2百万円の計上によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は販売費及び一般管理費に含まれており、その総額は24百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。