【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残るものの、行動制限が緩和され、個人消費の緩やかな回復が見られました。また、企業の設備投資や生産活動は堅調に推移し、緩やかに回復しました。
世界経済につきましては、欧米をはじめ各国で経済活動の再開が進む一方、中国のロックダウンの影響により、物流や生産活動が制限されるなど、経済活動は低調に推移しました。また、半導体不足、資源及び原材料価格の高騰によるインフレの進行、ウクライナ情勢の長期化などにより、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループの属しておりますエレクトロニクス業界につきましては、世界的な半導体や電子部品不足の影響があるものの、5GやAI、IoT分野に関連する活発な設備投資により需要は大きく伸長し、電子部品や半導体製造設備の生産活動は好調に推移しました。
このような状況下、当社グループは、「第10次中期経営計画(2021年~2023年)」の基本方針に基づき、オリジナル製品の拡販、海外事業の拡大、新たな収益基盤となる新規ビジネスの創出に取組みました。
この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は64,168百万円(前年同期比24.0%増)、営業利益は4,728百万円(前年同期比55.4%増)、経常利益は4,894百万円(前年同期比56.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,301百万円(前年同期比55.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内販売事業
当セグメントにつきましては、製造装置では、再生ウェーハや半導体材料の生産向けに「半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置」、通信用デバイスの生産向けに「電子部品製造装置」の販売が増加しました。電子機器及び部品では、半導体製造設備向けに「電子部品&アセンブリ商品」のコネクタやハーネス、「半導体」、「エンベデッドシステム」の産業用PC、「画像関連機器・部品」のカメラ・レンズの販売が増加しました。これらの要因により、売上、利益共に前年同期の実績を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は45,532百万円(前年同期比18.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は2,644百万円(前年同期比40.5%増)となりました。
国内製造事業
当セグメントにつきましては、製造装置を手掛ける装置事業部門では、通信用デバイス向け加工機や検査装置の販売が増加しました。電子機器及び部品を手掛ける部品事業部門では、特殊コネクタやハーネスの販売が増加しました。これらの要因により、売上、利益共に前年同期の実績を上回りました。
この結果、セグメント間の内部売上高を含めた当セグメントの総売上高は7,819百万円(前年同期比18.5%増)となりました。外部顧客への売上高は2,459百万円(前年同期比2.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は763百万円(前年同期比36.5%増)となりました。
海外事業
当セグメントにつきましては、電子機器及び部品では、中国及び東アジア市場で「画像関連機器・部品」、韓国市場で「半導体」の販売が増加しました。製造装置では、米国及び東南アジア市場で「半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置」の販売が増加しました。これらの要因により、売上、利益共に前年同期の実績を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は16,177百万円(前年同期比46.7%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1,370百万円(前年同期比111.5%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は54,006百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,598百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金が1,743百万円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が1,695百万円、商品及び製品が1,932百万円増加したことによるものであります。固定資産は7,005百万円となり、前連結会計年度末に比べ39百万円の減少となりました。これは主に投資その他の資産が81百万円増加したものの、有形固定資産が111百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は61,012百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,558百万円の増加となりました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は32,109百万円となり、前連結会計年度末に比べ483百万円の減少となりました。これは主に支払手形及び買掛金が713百万円増加したものの、契約負債が1,241百万円減少したことによるものであります。固定負債は3,569百万円となり、前連結会計年度末に比べ163百万円の増加となりました。
この結果、負債合計は35,679百万円となり、前連結会計年度末に比べ319百万円の減少となりました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は25,332百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,877百万円の増加となりました。これは主に剰余金の配当により998百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益により3,301百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は41.5%となり、前連結会計年度末との比較で3.1ポイントの上昇となりました。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 経営方針・経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(4) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は101百万円であり、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。