【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績
契約の状況
当第3四半期会計期間の新契約の年換算保険料*1は、前年同期比98.9%の923百万円、新契約件数は、前年同期比100.5%の22,612件となりました。また、当第3四半期累計期間の新契約の年換算保険料は、前年同期比97.5%の3,030百万円、新契約件数は、前年同期比100.2%の76,404件となりました。
当第3四半期会計期間末の保有契約の年換算保険料は、前事業年度末比109.4%の23,528百万円、保有契約件数は、前事業年度末比109.8%の556,942件となりました。また、当第3四半期累計期間の解約失効率*2は、6.4%(前年同期6.6%)となりました。
*1.年換算保険料とは、1回当たりの保険料について保険料の支払い方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額をいいます。当社商品の保険料は全て月払いのみとなっているため、1ヶ月当たりの保険料に12を乗じたものを年換算保険料としています。
*2.解約失効率は、解約・失効の件数を月々の保有契約件数の平均で除した比率を年換算した数値です。
収支の状況
当第3四半期累計期間の保険料等収入は、保有契約の増加に伴う保険料の増加及び修正共同保険式再保険における再保険収入の増加に伴い、前年同期比115.4%の21,599百万円となりました。また、資産運用収益は、主に利息及び配当金等収入および金銭の信託運用益の増加等により、前年同期比113.1%の588百万円となりました。その他経常収益は、61百万円となりました。この結果、当第3四半期累計期間の経常収益は、前年同期比115.3%の22,249百万円となりました。
保険金等支払金は、主に新型コロナウイルス感染症に係る給付金の増加及び修正共同保険式再保険における再保険料の増加に伴い、前年同期比148.0%の9,137百万円となりました。保険金及び給付金支払額の保険料に対する割合は、前年同期の19.9%から27.5%となりました。なお、新型コロナウイルス感染症に係る保険金及び給付金支払額は1,326百万円です。責任準備金等繰入額は、前年同期比110.7%の5,612百万円となりました。責任準備金繰入額の保険料に対する割合は、前年同期の33.6%から32.2%となりました。資産運用費用は、主に有価証券売却損の計上により、93百万円となりました。事業費は、広告宣伝費を中心とした営業費用の投下等により、前年同期比113.8%の9,924百万円となりました。事業費のうち、営業費用は前年同期比109.6%の6,424百万円、保険事務費用は前年同期比116.1%の1,107百万円、システムその他費用は前年同期比125.4%の2,392百万円となりました。その他経常費用は、前年同期比95.3%の1,213百万円となりました。これらにより、当第3四半期累計期間の経常費用は前年同期比122.3%の25,980百万円となりました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の経常利益は、前年同期のマイナス1,948百万円に対して、マイナス3,731百万円となりました。四半期純利益は、前年同期のマイナス2,009百万円に対して、マイナス3,755百万円となりました。
また、生命保険会社の収益性を示す指標のひとつである基礎利益は、主に新型コロナウイルス感染症に係る給付金の増加により、前年同期のマイナス1,964百万円に対して、マイナス3,744百万円となりました。内訳は、危険差益1,662百万円、費差益マイナス5,430百万円、利差益24百万円となりました。
当社は、継続的な力強い新契約業績の成長を目指すとともに、財務健全性の維持を目的として、2019年度から新契約の一部(以下、出再契約)を対象とした修正共同保険式再保険を行っています。修正共同保険式再保険は、出再契約のリスク及び収支構造の一部を一定期間再保険会社に移転するもので、当該再保険を活用することで、新契約に係る費用の負担が、会計上の資本を急激に減少させる状況を緩和することが可能となります。具体的には、当該再保険では、新契約獲得の初年度に、出再契約に係る新契約費の一部を出再手数料として収受します。そのため、経常収益が増加します。一方、収受した出再手数料は、再保険貸に資産計上された後、一定の期間において再保険収支に基づいて段階的に償却されます。そのため、当該期間において、経常利益及び純利益は減少することとなります。再保険貸の償却が完了し、再保険契約を終了させると、その後の出再契約の利益は当社に帰属することとなります。以上により、当第3四半期累計期間においては、当該再保険により経常収益は4,213百万円増加(前年同期は3,577百万円増加)、経常利益及び四半期純利益は549百万円増加(前年同期は1,037百万円増加)しています。
(2) 財政状態
資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期会計期間末の総資産は、67,897百万円(前事業年度末67,820百万円)となりました。主な勘定残高として、高格付けの公社債を中心とする有価証券は、47,583百万円となりました。また、再保険貸4,522百万円のうち、修正共同保険式再保険に係る未償却出再手数料の残高は4,229百万円となりました。
負債は、責任準備金が増加したことから、51,031百万円(前事業年度末45,749百万円)となりました。主な勘定残高は、責任準備金47,908百万円、支払備金1,246百万円となりました。
純資産は、四半期純損失を計上したこと及びその他有価証券評価差額金が減少したことにより、16,866百万円(前事業年度末22,071百万円)となりました。これには、修正共同保険式再保険の活用により、利益剰余金を増加させる効果を含んでおり、資本の急激な減少を緩和しております。一方、収受した出再手数料は、再保険貸に資産計上された後、一定の期間において再保険収支に基づいて段階的に償却されます。それに応じて、当該期間において、純資産が減少することとなります。
当第3四半期会計期間末のソルベンシー・マージン比率は、3,140.6%(前事業年度末3,182.8%)となり、充分な支払余力を維持しております。
キャッシュ・フローの状況
当第3四半期累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、事業費が増加したものの、1,230百万円の収入(前年同期2,181百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有価証券の取得により、1,897百万円の支出(前年同期6,537百万円の支出)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、2百万円の支出(前年同期9,669百万円の収入)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当第3四半期会計期間末残高は、7,092百万円(前事業年度末7,761百万円)となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社の経営方針・経営戦略の重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
(7) 従業員数
当第3四半期累計期間において、事業の拡大に合わせて採用を増加した結果、当社の従業員数は前事業年度末より25名増加しました。
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