【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、ワクチン接種の進行とともに、社会経済活動の再開に向けた行動制限の段階的緩和により、景気回復が図られております。しかしながら、新たな変異株の流行による感染再拡大の影響、米国の金利上昇による急激な円安進行や長期化するウクライナ情勢の影響による資源価格の高騰、物価上昇に伴う個人消費の低迷が懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような経営環境の下、当フジボウグループは、中期経営計画『増強21-25』において、計画期間5年間の前半3年を「高収益体質への転換と種まき」ステージと位置づけ、各事業の成長基盤の増強に取り組んでおります。計画2年目となる当連結会計年度は、研磨材事業では、研究開発力の加速、生産能力の増強を進めました。化学工業品事業では、柳井・武生両工場がフル稼働を続けており、原材料高騰の影響が大きい生活衣料事業では、コスト最適化とコストアップに対応した価格改善に努めました。この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は前年同期比1,999百万円(11.4%)増収の19,609百万円となり、営業利益は197百万円(6.3%)増益の3,343百万円、経常利益は175百万円(5.4%)増益の3,406百万円となりました。これに特別損益、法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比52百万円(2.3%)増益の2,307百万円となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
①研磨材事業主力の超精密加工用研磨材は、ハードディスク用途および液晶ガラス用途は、巣ごもり需要一巡後の反動減により、主要ユーザーの一部が生産調整および在庫調整を実施し、受注が減少しました。一方、シリコンウエハー用途および半導体デバイス用途(CMP)などは旺盛な半導体需要に、世界的な半導体不足が拍車をかけ、需要が拡大しました。この結果、売上高は前年同期比1,170百万円(16.0%)増収の8,507百万円となり、営業利益は191百万円(9.7%)増益の2,178百万円となりました。
②化学工業品事業機能性材料、医薬中間体および農薬中間体などの受託製造は、国内需要の回復に加え、中国における環境規制の影響や新型コロナウイルス感染症拡大による海外生産リスクも顕在化したことで、化学工業品生産の日本国内回帰の傾向が続き、農薬用、機能性材料用を中心に安定生産を継続することができました。また、売上は順調に推移したものの、原材料・原燃料の高騰の影響を受け、利益は圧迫されました。 この結果、売上高は前年同期比551百万円(9.9%)増収の6,130百万円となり、営業利益は33百万円(4.5%)減益の701百万円となりました。
③生活衣料事業生活衣料事業は、コロナ感染の拡大と収束を繰り返すなか、繊維素材は、原燃料や物流費の高騰、さらに円安の影響を受け、コストが大幅に上昇し、厳しい環境が続きました。一方、繊維製品は、より収益性の高い製品への絞り込みに加え、変化する顧客行動に対応したEC販売の更なる強化により、需要が堅調に推移しました。この結果、売上高は前年同期比126百万円(3.6%)増収の3,632百万円となり、営業利益は1百万円(0.3%)増益の400百万円となりました。
④その他化成品部門は、デジタルカメラ用部品および医療機器用部品は、部品・部材の供給不足が徐々に解消しつつあり、需要が回復しました。また、金型部門は、自動車業界が半導体不足による減産が続くなか、需要が堅調に推移し、回復しました。なお、11月1日付で取得する子会社株式の取得関連費用が発生しました。貿易部門は、収益性、安全性の高い取引に対象を絞り、採算性を改善しました。この結果、売上高は前年同期比151百万円(12.7%)増収の1,338百万円となり、営業利益は37百万円(146.7%)増益の63百万円となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)資産合計は前連結会計年度末に比べて2,763百万円増加の61,295百万円となりました。流動資産は2,226百万円増加の24,771百万円となりましたが、これは有償支給に係る資産などのその他流動資産が減少しましたが、売上債権や棚卸資産が増加したことによります。固定資産は537百万円増加の36,524百万円となりましたが、これは研磨材事業や化学工業品事業における設備投資により有形固定資産が増加したことなどによります。
(負債)負債合計は前連結会計年度末に比べて778百万円増加の18,813百万円となりました。流動負債は909百万円増加の12,386百万円、固定負債は130百万円減少の6,426百万円となりました。これは、設備関係支払手形などのその他流動負債が増加したことなどによります。
(純資産)純資産合計は前連結会計年度末に比べて1,985百万円増加し、42,482百万円となりました。これは、剰余金の配当による減少が630百万円ありましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加が2,307百万円あったことなどによります。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、売上債権や棚卸資産が増加しましたが、税金等調整前四半期純利益や減価償却費の計上などにより2,126百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として固定資産の取得による支出により、1,005百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、借入金の返済や配当金の支払などにより、699百万円の支出となりました。この結果、当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて493百万円増加の8,808百万円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第2四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は532百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。