【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
① 業績全般の概況
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減
(自2021.4.1
(自2022.4.1
至2021.12.31)
至2022.12.31)
億円
億円
億円
%
売上高
6,615
8,210
1,595
24.1
売上総利益
2,901
3,515
614
21.2
営業利益(△は損失)
△101
33
135
-
税引前四半期損失(△)
△120
△8
112
-
親会社の所有者に帰属する四半期損失
(△)
△132
△32
99
-
円
円
円
%
基本的1株当たり四半期損失
(△)
△26.84
△6.60
20.24
-
億円
億円
億円
%
設備投資額
276
269
△7
△2.5
減価償却費及び償却費
565
566
0
0.0
研究開発費
471
474
2
0.6
億円
億円
億円
%
フリー・キャッシュ・フロー
△96
△427
△331
-
人
人
人
%
連結従業員数
38,955
39,797
842
2.2
為替レート
円
円
円
%
米ドル
111.10
136.51
25.41
22.9
ユーロ
130.62
140.59
9.97
7.6
当第3四半期連結累計期間(以下「当累計期間」)における当社グループの連結売上高は、8,210億円(前年同期比24.1%増)となりました。デジタルワークプレイス、プロフェッショナルプリント、ヘルスケア事業は増収基調を維持し、新型コロナウイルス感染症拡大前の売上高を上回っています。地域別では当累計期間において前年同期比で、北米で約42%、欧州で約28%、中国で約11%の増収、日本は前年同期並みとなりました。
デジタルワークプレイスとプロフェッショナルプリント事業では、当期の第1四半期連結会計期間(以下「当第1四半期」)において、中国のゼロコロナ政策に伴う局地的な経済活動制限による工場での稼働率の低下、半導体等部材調達の遅延、輸送期間の長期化などの影響によりハードの供給不足が続いていましたが、制限解除後から部材の確保、生産・供給数量の拡大に努めたことに加え、輸送期間の短縮により販売数量が増加しました。この結果、受注残高の解消は着実に進捗し、当累計期間で大幅な増収となりました。ヘルスケア事業では、ヘルスケア、プレシジョンメディシン分野ともに増収となり、インダストリー事業では、センシング、IJコンポーネントユニットは継続して増収でしたが、機能材料ユニットではディスプレイ用フィルムの市場在庫調整の影響により減収となりました。
利益面では、デジタルワークプレイスとプロフェッショナルプリント事業を中心に部材費や物流費の高騰による売上原価の増加、航空輸送増加の影響を継続して受けました。当累計期間で一時費用としては、主にデジタルワークプレイスとプロフェッショナルプリント事業で構造改革費用の38億円を計上しました。また、訴訟和解金としてデジタルワークプレイスとプロフェッショナルプリント事業の北米子会社で16億円、ヘルスケア事業の北米子会社で15億円を計上しました。一方、増収により売上総利益を拡大させながらも販売費及び一般管理費の抑制を継続しました。これらの結果、当累計期間の営業利益は33億円(前年同期は101億円の営業損失)と黒字に転換しました。税引前四半期損失は8億円(前年同期は120億円の税引前四半期損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は32億円(前年同期は132億円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。税引前四半期損失及び親会社の所有者に帰属する四半期損失は、当第3四半期連結会計期間において急速に進んだ円高による為替差損が大きく影響しました。
② 主要セグメントの状況
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減
(自2021.4.1
(自2022.4.1
至2021.12.31)
至2022.12.31)
億円
億円
億円
%
デジタルワークプレイス
売上高
3,337
4,371
1,034
31.0
事業
営業利益
△89
14
104
-
プロフェッショナル
売上高
1,409
1,849
440
31.2
プリント事業
営業利益
4
111
106
-
ヘルスケア事業
売上高
843
968
125
14.8
営業利益
△97
△95
2
-
インダストリー事業
売上高
1,013
1,006
△7
△0.7
営業利益
197
140
△56
△28.6
小計
売上高
6,603
8,196
1,592
24.1
営業利益
14
171
157
-
「その他」及び調整額
売上高
11
13
2
22.2
(注2)
営業利益
△115
△137
△21
-
要約四半期
売上高
6,615
8,210
1,595
24.1
連結損益計算書計上額
営業利益
△101
33
135
-
(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の「その他」の外部顧客への売上高、営業利益は同記載の「その他」と調整額の合計であります。
1)デジタルワークプレイス事業
オフィスユニットでは、当第1四半期において中国における経済活動制限の影響を受けて工場の稼働率が低下していましたが、制限解除後の6月以降、生産が回復しています。また、長期化していた物流輸送期間にも改善が見られました。当累計期間のA3複合機ハード販売台数は、欧州、米国、日本など主要地域で増加し、前年同期比でカラー機は148%、モノクロ機は97%、全体では125%と伸ばすことができました。また、受注残高は9月末の575億円から減少し、12月末には364億円となりました(9月末、12月末ともに実勢レート換算)。消耗品やサービスなどのノンハード売上高は、顧客企業での従業員の出社再開によるプリントボリュームの回復が地域によりばらつきはあるものの、全体では増収となりました。これらの結果、オフィスユニットとしては前年同期比で増収となりました。
ITサービスなどの提供を中心とするDW-DXユニットでは、顧客のIT基盤を一括受託するマネージドITサービスの販売が欧米での受注伸長により拡大するとともにリカリング売上も増加し、前年同期比で増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は4,371億円(前年同期比31.0%増)、営業利益は14億円(前年同期は89億円の営業損失)と増収増益となりました。
2)プロフェッショナルプリント事業
プロダクションプリントユニットでは、デジタル印刷機の需要は引き続き堅調で、オフィスユニットと同様、中国における活動制限解除後には生産及び出荷が回復し、ハード販売台数は、当累計期間における前年同期比で、カラー機は125%、モノクロ機は110%、全体では120%と伸ばすことができました。また、受注残高は9月末の105億円から減少し、12月末には90億円となりました(9月末、12月末ともに実勢レート換算)。ノンハード売上高は、商業印刷会社でのプリントボリュームが欧米を中心に回復し、中国、インドでの需要も増加しました。前連結会計年度にグループ会社で発生したトナー工場事故によるトナー供給不足が順調に回復したことにより増収となりました。
産業印刷ユニットでは、欧州でインクジェット印刷機「AccurioJet(アキュリオジェット)KM-1e」の販売台数が増加しました。ノンハード売上高は、テキスタイル及びラベル需要が伸長し、併せて印刷会社でのデジタル印刷化比率が高まり、一般商業印刷、ラベル印刷、加飾印刷、テキスタイル印刷の全ての領域で伸長しました。
マーケティングサービスユニットでは、引き続き欧米での主要顧客の販売促進活動が活発化したことに加え、日本と韓国でのオンデマンドプリントの拡大により売上が伸長しました。
これらの結果、当事業の売上高は1,849億円(前年同期比31.2%増)、営業利益は111億円(前年同期は4億円の営業利益)と増収増益となりました。
3)ヘルスケア事業
ヘルスケア分野では、X線診断に用いられるDR(デジタルラジオグラフィー)の販売数量は、日本の開業医市場で拡大したほか、米国ではX線システム向けを中心に病院市場で増加しました。超音波診断装置の販売数量は、日本の整形・産科向けが堅調に推移しました。医療ITでは、医療画像管理や遠隔医療、病院と開業医の連携をサポートするITサービス「infomity(インフォミティ)」の販売が日本で拡大し、PACS(医用画像保管・管理システム)の販売が日本と米国で伸長しました。これらの結果、ヘルスケア分野は、前年同期比で増収となりました。
プレシジョンメディシン分野では、遺伝子検査は、重点施策である生殖細胞系列遺伝子変異を評価するRNA検査を中心に遺伝子検査の検査数が増加しましたが、米国で医療従事者の人員不足が長期化している影響を受けて、想定よりも遺伝子検査全体の検査数の増加が鈍化しています。創薬支援サービスは、同様の影響により、製薬会社による臨床試験の実施に引き続き遅れが生じていますが、緩やかな回復傾向にあります。遺伝子検査、創薬支援サービスともに新型コロナウイルス感染症拡大前の売上高を上回りました。これらにより、プレシジョンメディシン分野は、前年同期比で増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は968億円(前年同期比14.8%増)、営業損失は95億円(前年同期は営業損失97億円)と増収増益となりました。
4)インダストリー事業
センシング分野では、光源色向け計測器は大手顧客からの受注やアジアでのディスプレイ需要を着実に捉えて、前年同期比で増収となりました。物体色向け計測器は北米での需要がけん引し好調を維持しました。外観計測及びハイパースペクトルイメージング技術を活用した検査機器でも受注が順調に拡大し、販売が伸長しました。これらの結果、前年同期比で増収となりました。
材料・コンポーネント分野では、機能材料ユニットは、サプライチェーン下流の在庫調整が継続する中、当社の主力製品であるTVのVAパネル用位相差フィルムの販売は堅調に推移しましたが、IPSパネル用位相差フィルム及びIT、スマートフォン用薄膜フィルム販売は影響を大きく受け、全体としてフィルムの販売数量が減少し前年同期比で減収となりました。IJコンポーネントユニットは、主要市場である中国での経済活動制限解除による感染再拡大の中、一部顧客からの今後の市場回復への期待を含めた需要を前倒しで取り込めたこと、また欧米では高精細プリンタ向けヘッドの販売が好調であったことで、前年同期比で増収となりました。光学コンポーネントユニットは、車載などの産業用レンズの販売が電子部材不足や上海市における活動制限の影響を受けたものの、半導体検査装置用レンズの販売が伸長し、プロジェクタレンズや交換レンズの販売も堅調に推移したことにより、ユニット全体として前年同期比で増収となりました。これらの結果、材料・コンポーネント分野全体では前年同期比で減収となりました。
画像IoTソリューション分野では、画像IoTソリューションユニットにおいて、主要市場である欧州を中心とした監視カメラソリューションの販売伸長と、当第1四半期にMOBOTIX AG社が買収したVaxtor Ltd.の自動ナンバープレート認識ソリューションの販売拡大により、前年同期比で増収となりました。当社の強みであるイメージング技術を基盤に最新のIoT、AI技術を融合させた画像IoTプラットフォーム「FORXAI(フォーサイ)」は戦略的パートナーとの提携により、行政や社会インフラ、食品製造業や印刷工場等におけるスマートファクトリー領域の防災・減災・予知保全につながるソリューションの共創を拡大しています。映像ソリューションユニットは、2021年10月及び2022年3月にそれぞれオープンした名古屋と横浜のプラネタリウムでの集客が寄与するなど直営館の売上が伸長し、前年同期比で増収となりました。これらにより、画像IoTソリューション分野全体として前年同期比で増収となりました。
これらの結果、当事業の売上高は1,006億円(前年同期比0.7%減)、営業利益は140億円(同28.6%減)と減収減益となりました。
(参考)第3四半期連結会計期間の状況
前第3四半期
連結会計期間
当第3四半期
連結会計期間
増減
(自2021.10.1
(自2022.10.1
至2021.12.31)
至2022.12.31)
億円
億円
億円
%
売上高
2,164
2,902
738
34.1
売上総利益
947
1,255
308
32.6
営業利益(△は損失)
△85
85
171
-
税引前四半期利益(△は損失)
△93
22
115
-
親会社の所有者に帰属する四半期利益
(△は損失)
△89
34
124
-
円
円
円
%
基本的1株当たり四半期利益(△は損失)
△18.09
7.06
25.15
-
億円
億円
億円
%
設備投資額
94
90
△3
△3.8
減価償却費及び償却費
188
188
0
0.3
研究開発費
157
163
5
3.4
億円
億円
億円
%
フリー・キャッシュ・フロー
△215
△173
41
-
為替レート
円
円
円
%
米ドル
113.71
141.59
27.88
24.5
ユーロ
130.07
144.30
14.23
10.9
主要セグメントの状況
前第3四半期
連結会計期間
当第3四半期
連結会計期間
増減
(自2021.10.1
(自2022.10.1
至2021.12.31)
至2022.12.31)
億円
億円
億円
%
デジタルワークプレイス
売上高
1,076
1,586
510
47.5
事業
営業利益
△46
48
94
-
プロフェッショナル
売上高
474
650
176
37.3
プリント事業
営業利益
△9
61
71
-
ヘルスケア事業
売上高
281
329
47
16.8
営業利益
△45
△5
39
-
インダストリー事業
売上高
327
331
4
1.3
営業利益
52
33
△18
△35.9
小計
売上高
2,159
2,898
739
34.2
営業利益
△48
138
187
-
「その他」及び調整額
売上高
4
4
0
△8.9
(注2)
営業利益
△37
△53
△16
-
要約四半期
売上高
2,164
2,902
738
34.1
連結損益計算書計上額
営業利益
△85
85
171
-
(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の「その他」の外部顧客への売上高、営業利益は同記載の「その他」と調整額の合計であります。
(2)財政状態の分析
前連結会計年度末
当第3四半期
連結会計期間末
増減
資産合計 (億円)
13,381
14,424
1,043
負債合計 (億円)
7,766
8,646
880
資本合計 (億円)
5,615
5,778
163
親会社の所有者に帰属する持分合計(億円)
5,498
5,649
151
親会社所有者帰属持分比率 (%)
41.1
39.2
△1.9
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前期末比1,043億円(7.8%)増加し1兆4,424億円となりました。これは主に、棚卸資産の増加689億円、営業債権及びその他の債権の増加198億円、のれん及び無形資産の増加172億円、その他の流動資産の増加52億円、現金及び現金同等物の減少76億円、有形固定資産の減少61億円によるものであります。
負債合計については、前期末比880億円(11.3%)増加し8,646億円となりました。これは主に、社債及び借入金の増加583億円、営業債務及びその他の債務の増加207億円、その他の金融負債の増加57億円、その他の流動負債の減少65億円によるものであります。
資本合計については、前期末比163億円(2.9%)増加し5,778億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比151億円(2.8%)増加し5,649億円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素(主に在外営業活動体の換算差額)の増加304億円、資本剰余金の減少34億円、剰余金の配当による減少123億円、親会社の所有者に帰属する四半期損失の計上32億円によるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は、1.9ポイント減少の39.2%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
314
△167
△482
投資活動によるキャッシュ・フロー
△410
△259
150
計
△96
△427
△331
(フリー・キャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フロー
△57
331
388
当第3四半期連結累計期間の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー167億円の支出と、投資活動によるキャッシュ・フロー259億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは427億円のマイナスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは331億円の収入となりました。
そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比76億円減少の1,100億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期損失8億円に、減価償却費及び償却費566億円、営業債務及びその他の債務の増加による増加143億円等によるキャッシュ・フローの増加と、棚卸資産の増加による減少624億円、営業債権及びその他の債権の増加による減少79億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは167億円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出157億円、無形資産の取得による支出131億円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは259億円の支出となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは427億円のマイナス(前年同期は96億円のマイナス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の償還及び長期借入金の返済1,018億円、リース負債の返済152億円、配当金の支払121億円等の支出と社債の発行及び長期借入れ1,005億円、短期借入金の純増加額612億円等の収入により、財務活動によるキャッシュ・フローは331億円の収入(前年同期は57億円の支出)となりました。
なお、社債の償還及び長期借入金の返済1,018億円及び社債の発行及び長期借入れ1,005億円は、主に2017年10月31日に実行したハイブリッドローン(劣後特約付ローン)1,000億円について、2022年10月31日をもって全額を期限前弁済するとともに、同日に新たなハイブリッドローン(劣後特約付ローン)による資金の借入を実行したことによるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は474億円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(注)「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載金額は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。
