【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染の第7波が発生し、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、中国のゼロコロナ政策による経済活動の減速等々による世界景気の悪化の影響も受けて、活動水準が低下、停滞感が強まりました。また第1四半期から継続していた半導体等の部材の供給不足が解消するには至らず、加えて、エネルギー価格に端を発した物価の上昇、米ドル金利の上昇により為替下落(円安)が進み、企業業績に影響を及ぼす結果となりました。その様な経済環境の下、当社グループの主たる事業である建設・梱包向は、新設住宅着工戸数が第1四半期21.8万戸から第2四半期には22.5万戸へ増加し、前年同期間比ほぼ横ばいとなりましたが、第2四半期累計では前年同期間比微減に留まりました。テレワークの浸透により需要は底堅いものがある一方、資材価格の高騰により住宅販売価格が上昇した結果、持ち家を中心に一部で買い控えが発生したことによります。特にツーバイフォー住宅については、その傾向が顕著に現れました。一方、電気・輸送機器向ねじは、連結子会社である株式会社ナテックの当第2四半期累計期間において、OA機器や遊戯関係向けの需要は堅調でしたが、自動車向けの半導体供給が滞った影響が大きく、納品先の自動車メーカーの生産水準の低下、遅延に伴って販売量が減少することとなりました。この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、2,632百万円(前年同四半期2,457百万円、7.1%増)となり、その増減内訳は建設・梱包向が211百万円増(11.6%増)、電気・輸送機器向は35百万円減(5.7%減)であります。売上総利益は、438百万円と前年同四半期に比べ52百万円(13.6%増)の増益となり、これは、建設・梱包向および電気・輸送機器向で販売価格の改定が徐々に進んだこと、生産性向上等による製造コストの低減が主因となります。営業利益は、販売費及び一般管理費の削減効果も現れ始め、43百万円(前年同四半期6百万円の損失)となりました。経常損益につきましても、支払利息の低減等を通じて39百万円の利益(前年同四半期12百万円の損失)を確保しています。最終的な親会社株主に帰属する四半期純損益は、法人税等13百万円を差し引き、25百万円の利益(前年同四半期38百万円の損失)となりました。
当四半期連結累計期間におけるセグメントの業績は、次のとおりであります。(建設・梱包向)建設・梱包向セグメントは、新型コロナウイルス感染症が再拡大する中、ツーバイフォー住宅等の木造住宅着工戸数は前年同四半期に比べ減少し、当社販売数量も前年同四半期対比で減少となりました。収益面では、販売価格の改定が徐々に浸透し、当セグメントの売上高は2,036百万円と前年同四半期に比べ211百万円増(11.6%増)となり、新製品の拡販、固定費の削減、国内工場での生産増量等の結果、セグメント利益は前年同四半期に比べ77百万円増の121百万円となりました。(電気・輸送機器向)電気・輸送機器向セグメントは、連結子会社である株式会社ナテックの当第2四半期(1~6月)において、主要販売先である自動車業界向で、新型コロナウイルスの影響による部品・半導体不足が解消されず、減産が継続されました。その様な事態を受けて、電気自動車やハイブリッド車関連のバッテリーやモーター、自動化に伴うパーツ関連において使用されるライセンス品や特殊締結品の需要が完全には回復しませんでした。この結果、当セグメントの売上高は、595百万円と前年同四半期に比べ35百万円減(5.7%減)となり、セグメント利益は前年同四半期に比べ23百万円減の23百万円となりました。
(2)
財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の総資産は、5,603百万円(前連結会計年度末[以下「前年度末」という]比372百万円増)となりました。流動資産は、前年度末に比べ372百万円増加し、3,561百万円となりました。これは、受取手形が71百万円減少、売掛金が91百万円増加、電子記録債権が10百万円減少、商品及び製品が229百万円増加、仕掛品が55百万円増加、原材料及び貯蔵品が88百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は、前年度末に比べ微減し、2,042百万円となりました。これは有形・無形固定資産の設備投資71百万円に対して減価償却費82百万円であり、長期前払費用が6百万円増加、その他が5百万円増加したこと等によるものであります。負債合計は、前年度末に比べ352百万円増加し、4,400百万円となりました。流動負債は、前年度末に比べ299百万円増加し、3,173百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が前年度末に比べ308百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前年度末に比べ53百万円増加し、1,226百万円となりました。これは、主に長期借入金が前年度末に比べ47百万円増加したことによるものであります。有利子負債全体(短期借入金及び長期借入金)では前年度末に比べ97百万円増加し、2,670百万円となりました。当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前年度末に比べ微増し、1,203百万円となりました。これは、当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益が25百万円、剰余金配当が5百万円あったことによるものであります。この結果、自己資本比率は、前年度末の22.6%から21.5%となり、1株当たり純資産額は99.85円から101.49円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により0百万円の収入、投資活動により110百万円の支出、財務活動により91百万円の収入となり、資金は前年度末に比べ18百万円減少し、550百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)売上債権が9百万円の増加、棚卸資産が372百万円の増加、仕入債務が324百万円増加し、また、税金等調整前四半期純利益38百万円、減価償却費82百万円等であったため、営業活動で得られた資金は0百万円となりました。(前第2四半期連結累計期間は141百万円の収入)(投資活動によるキャッシュ・フロー)有形固定資産の取得による支出91百万円等により、投資活動に使用した資金は110百万円となりました。(前第2四半期連結累計期間は82百万円の支出)(財務活動によるキャッシュ・フロー)短期借入金の純増が16百万円であり、長期借入金は、420百万円を借入れ、返済による支出が338百万円であった等により、財務活動で得られた資金は91百万円となりました。(前第2四半期連結累計期間は92百万円の支出)
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分 析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等についての重要な変更はありません。
(6) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)が定めている経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(7) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(8)研究開発活動特記すべき事項はありません。
(9) 経営成績に重要な影響を与える要因建設・梱包向、電気・輸送機器向の両セグメント共に、原材料、外注加工費用、副資材、運賃、電気料等々の製造コストが引き続き上昇している中で、生産した製品の販売について、適正価格にて販売することが肝要となります。主力の建設向では、新設住宅着工戸数が当社釘製品の需要、販売予測の指標となりますが、その戸数の回復が当社の売上高に影響を与える為、その動向には絶えず注視する必要があります。海外で委託生産しておりますOEM商品についても、依然不安定な海外情勢にあり、サプライチェーンの確保・新規開拓による安定供給、価格面での安定化が今後重要な要素となってきます。さらに環境意識の高まりから住宅・非住宅を問わず国産木材、特に杉の使用が増加することが予測され、当社新製品の需要増加に結び付けていく販売促進活動が重要な要素になってまいります。また、輸送機器向では、自動車メーカー各社による挽回生産により当社子会社のねじ製品の需要回復が喚起されますので、半導体・自動車部品不足の解消が当社グループに与える影響は大きいものがあります。時流として自動車の電動化は今後急速に進むことにより、車体軽量化に貢献する当社子会社製品への需要は益々高まってきますので、販売機会を捕捉できる体制を構築しておくことが必須となります。
第3四半期連結会計期間以降のセグメント別の状況は、次のとおりであります。(建設・梱包向)建設・梱包向は、新型コロナウイルス感染症の収束および物価の安定と共に個人消費が活性化し戸建て分譲・貸家を中心に新設住宅着工戸数は年末にかけて堅調に推移するものと想定しています。また非住宅建築物への木材活用が進むにつれ、当社製品に対する需要も増大することが充分期待できます。利益面では国内製品の製造コスト上昇に加え、輸入商品の仕入価格が高止まっている中、引続き適切な販売価格への改定を継続実施する方針であります。(電気・輸送機器向) 電気・輸送機器向は、徐々に半導体・部品不足が解消され、自動車メーカーの生産水準も回復してくることが見込まれます。自動車に対する需要そのものは堅調なものがあり、自動車メーカーの生産回復に伴い当社子会社製品の出荷量も増加基調に転じるものと考えられます。更に、世界中で自動車のEV化が加速している中、軽量化に貢献する特殊ライセンス品への需要が益々増加することが期待されます。
(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した当社グループの資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。