【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進み、景気の緩やかな持ち直しが継続しました。一方で世界的な金融引き締めによる対USドルを中心とした急激な為替変動や、半導体不足影響の長期化、物価上昇等により、国内外の経済を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が継続しております。海外においては、米国では、景気の持ち直しが続きましたが、欧州においては足踏みが見られました。中国では、新型コロナウイルス感染症による混乱もあり、景気の回復に足踏みが見られました。
このような状況の中、当第3四半期連結累計期間の売上収益は、半導体調達難、エントリーモデルの需要減、および中国での新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響を受けたものの、対USドルの為替レートが大幅な円安になったこともあり、前年同期に対し358億89百万円(11.9%)増加の3,382億21百万円となりました。当第3四半期連結累計期間の損益については、事業利益は、材料費などのコストが上昇する中、増収影響に加え、為替の寄与もあり、前年同期に対し38億75百万円(11.1%)増加の387億36百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、事業利益の増加に対し、前年度第1四半期に固定資産売却益を47億円計上したことなどから、2百万円増加の300億4百万円となりました。(注)事業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出した日本基準の営業利益に相当するものです。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。① 楽器事業当第3四半期連結累計期間の売上収益は、前年同期に対し257億38百万円(12.6%)増加の2,304億34百万円となりました。商品別には、アコースティックピアノは、中国での新型コロナウイルス感染症による混乱の影響により減収となりました。電子楽器は、エントリーモデルの需要が減少したものの前年並みの実績となりました。ギターは、エレキギターの好調により増収となりました。管弦打楽器は北米での大幅な伸長により増収となりました。事業利益は、前年同期に対し22億81百万円(7.8%)増加の313億84百万円となりました。
② 音響機器事業当第3四半期連結累計期間の売上収益は、前年同期に対し54億15百万円(7.7%)増加の761億40百万円となりました。商品別には、オーディオ機器は、半導体調達難による影響及びエントリーモデルの苦戦により減収となりました。業務用音響機器は、半導体調達難が一部改善し供給が進み増収となりました。ICT機器は、ネットワーク関連の販売が好調を持続し増収となりました。事業利益は、前年同期に対し1億34百万円(8.5%)増加の17億9百万円となりました。
③ その他の事業当第3四半期連結累計期間の売上収益は、前年同期に対し47億35百万円(17.6%)増加の316億46百万円となりました。 商品別には、電子デバイスは、増収となり、FA機器は、減収となりました。ゴルフ用品は、大幅な増収となりました。事業利益は、前年同期に対し14億59百万円(34.9%)増加の56億42百万円となりました。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前期末の5,809億27百万円から37億91百万円(0.7%)減少し、5,771億35百万円となりました。 流動資産は、前期末から100億46百万円(2.8%)減少し、3,526億29百万円となり、非流動資産は、62億54百万円(2.9%)増加し、2,245億5百万円となりました。流動資産では、為替変動の影響に加え、半導体調達難等に起因する一部製品の生産遅れやエントリーモデルの需要減、中国での新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響を受け棚卸資産が増加しました。また、グループファイナンス拡大に伴う短期借入金の返済や、前連結会計年度の投資有価証券の売却に伴い増加した未払法人所得税の支払いにより現金及び現金同等物が減少しました。当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前期末の1,649億99百万円から294億30百万円(17.8%)減少し、1,355億68百万円となりました。 流動負債は、前期末から311億62百万円(24.7%)減少し、949億51百万円となり、非流動負債は、17億32百万円(4.5%)増加し、406億16百万円となりました。流動負債では、グループファイナンス拡大に伴う短期借入金の返済により有利子負債が減少し、前連結会計年度の投資有価証券の売却に伴う法人所得税の支払いにより未払法人所得税が減少しました。
当第3四半期連結会計期間末の資本合計は、前期末の4,159億27百万円から256億39百万円(6.2%)増加し、4,415億66百万円となりました。四半期利益により利益剰余金が増加したことに加え、為替変動の影響によりその他の資本の構成要素が増加しました。
(3) キャッシュ・フローの状況 当第3四半期連結累計期間において現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、584億42百万円減少(前年同期は421億94百万円増加)し、期末残高は1,140億52百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー当第3四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は、主として税引前四半期利益に対し、半導体調達難による一部製品生産遅れやエントリーモデルの需要減、中国での新型コロナウイルス感染症による混乱などの影響のため棚卸資産が増加したことに加え、前連結会計年度の投資有価証券の売却による法人所得税の支払いもあり、270億57百万円(前年同期に得られた資金は348億円)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー当第3四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、主として有形固定資産の取得により、77億16百万円(前年同期に得られた資金は主として投資有価証券の売却により、471億47百万円)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー当第3四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は、主としてグループファイナンス拡大に伴う短期借入金の返済や配当金の支払い等により、252億86百万円(前年同期に使用した資金は主として自己株式の取得により、434億91百万円)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、185億11百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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