【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間においては、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回りました。
「電子・情報」の分野においては、薄型パネルディスプレイ(FPD)用ガラスは、得意先の生産調整の影響を
受け、売上高は前年同四半期連結累計期間を大きく下回りました。電子デバイス用ガラスは、半導体向けの需要が
好調に推移しましたが、家電や自動車部品向けの需要が低調に推移し、売上高は前年同四半期連結累計期間を下回
りました。
「機能材料・その他」の分野においては、ガラスファイバは、自動車部品向け高機能樹脂用途を中心に需要の回
復が遅れる中、物流に係るサーチャージの得意先への転嫁が減少したことなどが影響し、売上高は前年同四半期連
結累計期間を下回りました。医薬用管ガラスや耐熱ガラスは、需要が軟化しましたが、製品価格の改定やサーチャ
ージが下支えし、売上高は前年同四半期連結累計期間を上回りました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は679億22百万円(前年同四半期連結累計期間比21.0%減)
となりました。
損益面においては、原燃料価格の高騰等によりコストが上昇する中、費用削減や生産性改善等の取り組みを強化
するとともに、製品価格の改定やサーチャージによるコストの回収に努めました。
しかしながら、FPD用ガラスを中心とした稼働率低下による原価高が大きく影響し、営業損益は19億41百万円
の営業損失(前年同四半期連結累計期間は105億15百万円の営業利益)となりました。また、経常損益は、海外子
会社の借入に係る債権債務の評価替えによる為替差益等の営業外収益がありましたが、営業損失を補うには至ら
ず、16億48百万円の経常損失(前年同四半期連結累計期間は158億20百万円の経常利益)となりました。一方、親
会社株主に帰属する四半期純損益は2020年の国内事業場の停電に係る受取保険金や投資有価証券売却益を特別利益
に計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純利益を確保しましたが、前年同四半期連結累計期間を大
きく下回り、8億46百万円(前年同四半期連結累計期間比94.1%減)となりました。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)のセグメントは、ガラス事業単一です。
(2) 財政状態の分析
〔総資産〕
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して225億89百万円減少し、7,253
億17百万円となりました。流動資産では、原材料の仕入れ、設備投資に係る支払い及び借入金の返済等により現
金及び預金が減少しました。一方、販売の減少により商品及び製品が増加しました。固定資産では、減価償却が
進んだ一方で、設備投資の増加等により有形固定資産が増加しました。
〔負債〕
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して196億25百万円減少し、1,993
億69百万円となりました。流動負債では、原材料の仕入れに係る支払いにより支払手形及び買掛金が減少しまし
た。また、借入金の返済により短期借入金が減少しました。
〔純資産〕
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して29億64百万円減少し、
5,259億48百万円となりました。配当金の支払いにより利益剰余金が減少しました。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末の70.1%から1.8ポイン
ト上昇し、71.9%となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当社グループは、「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」という企業理念を実現することを目的に研究開発活動に取り組んでいます。また、製品、技術、製造プロセスの一体的な開発体制構築により製品開発と事業化のスピードアップを目指し、その成果を当社の中長期の成長のための経営戦略に反映させていきます。
当社の研究開発活動は、「基礎・応用開発」と「事業部門開発」から成っています。
「基礎・応用開発」は、研究開発と戦略的開発で構成されます。研究開発は、主としてスタッフ機能部門(研究開発本部、プロセス技術本部)が担当しています。科学的なアプローチに基づき、材料設計、材料開発、特性評価、プロセス設計や開発における研究開発をライン部門(各事業部)と密接に連携をとりながら行っています。また、計算科学(AI等を活用したデータ解析を含む)を用いた研究開発にも取り組んでいます。戦略的開発としては、スタッフ機能部門とライン部門が、次世代の技術、製品やプロセスの開発のほか、2050年のカーボンニュートラルの達成を目指した開発等、事業戦略に基づく中期的開発課題について密接に連携し取り組んでいます。ガラス研究のベースとなる材料科学については基盤技術部が国内外機関との連携のもとに取り組み、また、情報解析や企画立案については企業戦略部が支援しています。更に、研究開発の成果をより早く、より大きく事業化するため、マーケティング部が会社全般にわたるマーケティング活動として、市場、製品、技術に係る情報の収集や分析、製品や技術のプロモーション、顧客獲得のための情報発信等を行っています。一方、「事業部門開発」は、主としてライン部門が担当し、各事業分野の発展につながる製品及び製造プロセス技術の研究開発を、スタッフ機能部門と密接に連携をとりながら行っています。
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は18億77百万円となりました。これは、基礎・応用開発に7億9百万円、事業部門開発に11億68百万円を使用したものです。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第1四半期連結累計期間に完成したものは、次のとおりです。
会社名
所在地
セグメントの名称
設備の内容
投資金額
(百万円)
ニッポン・エレクトリック・グラス・マレーシア Sdn. Bhd.
マレーシア
セランゴール州
ガラス事業
ガラス製造設備
21,859
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