【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に変更されてから経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、依然として円安傾向にあり、生活必需品の値上げや、電気料金等のエネルギー価格の高騰などにより、先行き不透明な状況が続いております。
教育界においては、現行の学習指導要領の実施から小学校では4年目を、中学校では3年目を迎えました。小学校においては、2024年度からの新しい教科書の使用が始まるにあたり、8月までに各自治体で使用する教科書の選定が終了し、採択結果が公表されました。また同時に、一部の教科でデジタル教科書が導入され、教育現場におけるデジタル化が見込まれております。
現行の学習指導要領では、児童・生徒一人ひとりが未来社会を切り拓くために育成する資質・能力を「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱に整理しております。そして、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を通して、「主体的・対話的で深い学び」が実現されるよう授業研究・実践が進められております。2024年度から使用される新しい教科書においてもこの理念は変わらないものとなっております。
一方、教育現場ではいじめや不登校、特別な配慮や支援が必要な児童・生徒への対応など、多種多様な課題への取り組みに追われております。さらに教師不足も重なり、教師の業務負担が十分に解消されない状況は、解決すべき重要な課題となっております。このような教師の働き方について、中央教育審議会の特別部会では、危機的な状況にあり社会全体で取り組むべき問題との緊急提言を8月にまとめました。緊急提言では、教師の負担軽減が期待される小学校高学年での「教科担任制」実施の前倒しをはじめ、様々な対応策が挙げられており、2024年の春頃までに一定の方向性が示されることとなっております。
今後に向けては、次期学習指導要領の議論も活発化し、方向性が徐々に示されていくなかで、「GIGAスクール構想」によって普及した教育インフラの活用や、ICTを活用して教師の採点や授業準備の負担軽減などを実現する取り組みがさらに充実していくものと思われます。
このような情勢を背景に、当社グループは、主力である小学校図書教材においては定価や付録などの厳しい競争が続くなか、基礎・基本の定着や活用する力の育成と評価を念頭に、教育現場のニーズに応えた改訂を進めてまいりました。また、動画や図などでデジタルを効果的に活用するとともに、教師の負担軽減にも寄与できるよう、デジタル連絡支援システムや、児童・生徒の心のケアの充実を図るシステムを新たに開発してまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高8,505,211千円(前年同四半期比1.0%増)、経常利益1,750,056千円(前年同四半期比4.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,219,568千円(前年同四半期比4.6%減)となりました。
なお、当社グループの売上高は、第2四半期連結累計期間に1学期品と2学期品、上下刊品、年刊品の売上高が計上されますので、通常、第2四半期連結累計期間の年間の売上高に占める割合は高くなります。また、年間の販売管理費の占める割合が年間の売上高に占める割合に対して低いため、第2四半期連結累計期間の営業利益は通期の営業利益よりも多くなり、業績に季節的変動があります。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
①出版
小学校図書教材においては、教育現場の実態や動向を分析し、多様なニーズを的確に捉えたことにより、求められる「知識及び技能」や「思考力・判断力・表現力等」を育み、評価できる教材が教育現場に支持されました。
評価教材では、各教科で「見方・考え方」を働かせながら、基礎・基本から活用までの学習内容を的確に評価できる企画が教育現場から好評を得ることができました。また、評価教材に記載された二次元コードを読み取ることで、「自らの学び」をサポートする動画などのデジタルコンテンツを参照できる企画が支持され、売上高が増加いたしました。
一方、習熟教材や季刊物教材では、学習内容が確実に定着する企画に加え、学習用端末を活用した企画を提案してまいりましたが、教育現場のニーズの変化などの影響により、売上高が減少いたしました。
中学校図書教材においては、改訂したワーク教材の新企画が好評を得ましたが、教育現場での学習用端末の活用の影響などにより、売上高が減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は6,418,251千円(前年同四半期比0.3%増)、営業利益は1,874,443千円(前年同四半期比4.2%減)となりました。
②教具
小学校教材・教具においては、各教科の授業運営が新型コロナウイルス感染症発生前の状態にほぼ戻りましたが、採用時期の変化や購入方法の多様化などにより、採用状況に変化が見受けられました。
「書道セット」などの希望採用品では、長く使い続けられるデザインと機能性の高さが受け入れられたことにより、売上高が増加いたしました。
「家庭科布教材」では、昨年同様の採用状況に戻りつつありますが、児童の嗜好の変化などの影響により、売上高が減少いたしました。
中学校・高等学校向けの家庭科教材ブランド「クロッサム」では、新規採用校の増加や、新しいデザインと企画が受け入れられたことにより、売上高が増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は2,086,959千円(前年同四半期比3.2%増)、営業利益は324,984千円(前年同四半期比0.6%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当社グループの第2四半期連結会計期間末の財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は444,687千円減少して19,122,760千円、負債は1,540,667千円減少して3,731,073千円、純資産は1,095,980千円増加して15,391,686千円となりました。
資産の主な増減は、現金及び預金の減少182,746千円、受取手形及び売掛金の増加1,257,786千円、商品及び製品の減少1,726,272千円、仕掛品の増加298,250千円であります。
受取手形及び売掛金が増加した主な要因は、第2四半期連結会計期間(7月~9月)における小学校図書教材の売掛金の回収期限が学期末(12月末)精算を原則としていることによります。
また、商品及び製品が減少した主な要因は、前連結会計年度末は4月に販売する1学期品及び上刊品の製品在庫を計上していますが、当第2四半期連結会計期間末は小学校図書教材の2学期品及び下刊品の販売が終了し、製品在庫高が減少したことによります。
負債の主な増減は、支払手形及び買掛金の減少676,309千円、電子記録債務の減少874,240千円、短期借入金の減少280,000千円、未払法人税等の増加346,012千円であります。
支払手形及び買掛金、電子記録債務が減少した主な要因は、1学期品及び上刊品の製作に要した外注加工賃の精算によります。
また、純資産の主な増減は、利益剰余金の増加1,022,117千円であります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して182,746千円減少して6,420,446千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は347,425千円で、前年同四半期連結累計期間と比較して171,026千円減少(前年同四半期の資金収支は518,452千円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、税金等調整前四半期純利益が80,964千円減少、売上債権の増加額が149,242千円増加、棚卸資産の減少額が191,087千円減少、仕入債務の減少額が100,637千円増加、法人税等の支払額が119,846千円減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は△153,915千円で、前年同四半期連結累計期間と比較して683,172千円減少(前年同四半期の資金収支は529,257千円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、無形固定資産の取得による支出が141,617千円増加、投資有価証券の取得による支出が100,000千円増加、投資有価証券の償還による収入が410,000千円減少したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は△376,256千円で、前年同四半期連結累計期間と比較して4,441千円減少(前年同四半期の資金収支は△371,814千円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、短期借入金の返済による支出が75,000千円増加、長期借入れによる収入が100,000千円増加、長期借入金の返済による支出が40,000千円増加したことによります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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