【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に変更され、社会生活の正常化に向けた動きが加速するなかで、インバウンド需要の回復や半導体不足の緩和などのプラス要因があった一方で、長引く人手不足や生活必需品の値上げ、電気料金等のエネルギー価格の高騰などがマイナス要因となり、回復傾向が鈍化いたしました。
教育界においては、現行の学習指導要領の実施から小学校では4年目を、中学校では3年目を迎えました。小学校においては、2024年度から新たに改訂された教科書の使用が開始されますが、現在、新しい教科書の採択検討が行われており、採択結果については2023年9月頃に公表される予定です。また、2024年度にはデジタル教科書も一部の教科で導入される予定となっております。
現行の学習指導要領では、児童・生徒一人ひとりが未来社会を切り拓くために育成する資質・能力を「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱に整理しており、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を通して、「主体的・対話的で深い学び」を実現するよう授業研究・実践が進められております。
一方、教育現場ではいじめや不登校、特別な配慮や支援が必要な児童・生徒への対応など、多種多様な課題への取り組みに追われております。さらに教師不足も重なり、教師の業務負担が十分に解消されない状態が続き、解決すべき重要な課題となっております。
そのような状況のもと、文部科学省は1人1台の端末や高速大容量通信ネットワーク環境の整備等の「GIGAスクール構想」を推し進めており、これらの教育インフラを効果的に活用することにより、教育活動の充実のみならず、教師の業務負担の軽減も含めた働き方改革にもつながる運用が浸透しつつあります。
今後は、次期学習指導要領の議論も活発化し、方向性が徐々に示されていくなかで、ICTを活用した学びがさらに充実していくものと思われます。
このような情勢を背景に、当社グループは、主力である小学校図書教材においては定価や付録などの厳しい競争が続くなか、基礎・基本の定着や活用する力の育成と評価を念頭に、動画や図などのデジタルデータを教材に活用するなど、教育現場のニーズに応えた改訂を進めてまいりました。さらに、教師の業務負担の軽減にも配慮しながら、デジタルを活用した連絡支援システムや、児童・生徒の心のケアの充実を図るシステムも新たに開発してまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高5,126,191千円(前年同四半期比1.4%減)、経常利益1,021,544千円(前年同四半期比7.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益719,944千円(前年同四半期比7.6%減)となりました。
なお、当社グループの売上高において、第1四半期連結会計期間には、1学期品と上刊品、年刊品の売上高が計上されるため、他の四半期連結会計期間の売上高と比較して著しく高くなっております。また、営業費用においては売上高に比例した費用が発生していないため、他の四半期連結会計期間と比較して利益が多く計上されることになり、業績に季節的変動があります。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
①出版
小学校図書教材においては、教育現場の実態や動向を分析し、多様なニーズを的確に捉えたことにより、求められる「知識及び技能」や「思考力・判断力・表現力等」を育み、評価できる教材が教育現場に支持された一方で、児童数の減少やデジタル教材の導入の影響が見受けられました。
テストなどの評価教材では、各教科で「見方・考え方」を働かせながら、基礎・基本から活用までの学習内容を的確に評価できる企画と、二次元コードを活用して「自らの学び」をサポートするデジタル企画が教育現場から好評を得たことにより、売上高が増加いたしました。
一方、ドリルなどの習熟教材や社会科資料集では、学習内容が確実に定着する企画に加え、GIGAスクール構想に対応した端末の活用を提案してまいりましたが、教育現場のニーズの変化や各自治体が導入するデジタル教材の影響により、売上高が減少いたしました。
中学校図書教材では、改訂したワーク教材の新企画が好評を得ましたが、デジタル教材の普及によりドリル教材やプリントの採用が大きな影響を受け、売上高が減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は3,675,065千円(前年同四半期比3.5%減)、営業利益は993,946千円(前年同四半期比10.2%減)となりました。
②教具
小学校教材・教具においては、各教科の授業運営が新型コロナウイルス感染症発生前の状態にほぼ戻ってまいりましたが、採用時期の変化や購入方法の多様化などにより、採用状況に変化が見受けられました。
「書道セット」では、新製品を提案したことや、長く使い続けられるデザインと機能性の高さが受け入れられたことにより、売上高が増加いたしました。
「裁縫セット」では、一部の地域で採用時期が前期から今期にずれ込んだ影響などにより、売上高が増加いたしました。
一方、家庭科布教材においては、採用時期が例年より遅れる傾向にあり、売上高が減少いたしました。
中学校・高等学校向けの家庭科教材ブランド「クロッサム」では、新規採用校の増加や、新しいデザインと企画が受け入れられたことにより、売上高が増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は1,451,126千円(前年同四半期比4.2%増)、営業利益は263,122千円(前年同四半期比6.0%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当社グループの第1四半期連結会計期間末の財政状態は、年間の売上に占める割合が他の四半期連結会計期間と比較すると高いうえに、小学校教材の売掛金の回収期限は学期末(7月末)精算を原則としているため、資産においては受取手形及び売掛金が増加し、棚卸資産が減少、また純資産においては利益剰余金が増加する等の季節的変動があります。
当第1四半期連結会計期間末の財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は492,759千円減少して19,074,688千円、負債は1,041,240千円減少して4,230,501千円、純資産は548,480千円増加して14,844,187千円となりました。
資産の主な増減は、現金及び預金の減少1,107,518千円、受取手形及び売掛金の増加1,939,836千円、商品及び製品の減少1,397,829千円、仕掛品の増加344,762千円、投資有価証券の減少169,769千円であります。
負債の主な増減は、支払手形及び買掛金の減少306,453千円、電子記録債務の減少506,507千円、未払費用(流動負債その他)の減少256,094千円であります。
また、純資産の主な増減は、利益剰余金の増加522,492千円であります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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