【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、原材料費・エネルギー価格の高騰や、世界的なインフレの進行に伴う景気減速懸念、金融資本市場の変動等、引き続き先行き不透明な状態が続いています。自動車業界においては第2四半期以降、生産台数は回復基調にありますが、半導体等サプライチェーンの制約による生産変動のリスクが引き続き内在しており、本格回復にはなお時間を要するものと思われます。機能製品事業に関連する業界においても、原材料価格の高騰が顕著になっているほか、官需では公共工事予算の制約、民需では投資マインドの低下が懸念され、価格転嫁の阻害要因となるものと思われます。
このような情勢のなかで当社グループは、コスト低減活動の強化とグループを挙げた品質の確保に取り組むとともに、収益や成長が見込まれる分野・地域への拡販を推進し、収益の確保に努めてまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は46,660百万円と、前年同期比8,440百万円の大幅な増収となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は52,608百万円であり、前連結会計年度末に比べ2,325百万円増加しました。これは主に現金及び預金の増加2,416百万円、売上債権の減少1,098百万円、棚卸資産の増加1,636百万円、有形固定資産の減少432百万円等が影響したものです。
負債は34,766百万円であり、前連結会計年度末に比べ1,745百万円増加しました。これは主に、仕入債務の増加1,054百万円、長期借入金の増加587百万円、短期借入金の減少1,391百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加591百万円等が影響したものです。
純資産は17,842百万円であり、自己資本比率は33.8%(前連結会計年度末は34.3%)となりました。
損益面におきましては、営業損益は大きく改善し、1,148百万円の利益を計上しました(前年同期は581百万円の営業損失)。また、外貨建債権や海外連結子会社に対する貸付金の期末為替レートによる評価に係る為替差益573百万円を計上した結果、経常利益は1,743百万円(前年同期は299百万円の経常損失)と、前年同期と比べ、大幅な増益となりました。しかしながら、海外子会社のASHIMORI INDUSTRIA de MEXICO, S.A. de C.V.において受注の低迷により営業赤字が継続していることから、同社固定資産の減損損失662百万円を特別損失に計上したほか、併せて繰延税金資産408百万円を取り崩したため、親会社株主に帰属する四半期純利益は、283百万円(前年同期は466百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
以下、各事業セグメント別に概況をご報告申し上げます。当社は、事業本部制を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「自動車安全部品事業」「機能製品事業」の2つを報告セグメントとしております。
①自動車安全部品事業
第1四半期では主要顧客の生産調整の影響を受けましたが、第2四半期以降は回復基調で推移しました。円安効果と原材料費の市況変動分を売価に転嫁した結果、シートベルト関連、エアバッグ関連、内装品関連とも増収となりました。
この結果、当事業の売上高は33,763百万円と前年同期比7,255百万円の増収となりました。増収に伴い損益面も大幅に改善し、営業利益は456百万円(前年同期は1,277百万円の営業損失)となりました。
引き続き、原材料費の上昇や生産変動のリスクはありますが、固定費削減、経費削減などの収益改善施策を進め、さらに、豊田合成株式会社との資本業務提携を一層深化させ、収益改善を進めてまいります。
②機能製品事業
パルテム関連は、ライフライン(下水道・上水道・ガス等)の管路更生分野で前年度からの繰越工事が順調に進捗したこともあり、売上・利益ともに大幅に増加しました。
防災関連は、防災関連資機材は順調に推移したものの、消火栓用ホース、災害対策用排水ホースは想定を下回り、売上・利益ともに減少しました。
産業資材関連は、物流省力化分野がトラックの大幅減産の影響を受け低迷し、売上・利益ともに減少しました。
この結果、当事業の売上高は12,871百万円と前年同期比1,185百万円の増収となり、営業利益につきましても1,148百万円と前年同期比96百万円の増益となりました。
当事業においては、一層の収益力向上のため、パルテム関連において増加する下水道分野の管路更生需要への対応と防災関連の大口径システム・防災資機材の積極的な拡販活動に取り組んでまいります。
③その他事業
当事業の売上高は25百万円、営業利益は9百万円となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、912百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間において、重要な変更があったものはありません。