【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化に向けた動きが見られたものの、世界的な資源・原材料価格の高騰による物価上昇や不安定な為替相場など、依然として先行き不透明な状況となっております。当社グループの主要な事業領域である国内の住宅市場においては、新設住宅着工戸数(※)の合計は392,453戸(前年同期比7.7%減)となりました。持家の着工戸数は248,132戸(前年同期比11.8%減)、分譲住宅(一戸建て)の着工戸数は144,321戸(前年同期比0.1%増)となっております。これらの環境において、当社グループは、前連結会計年度より、従来の戸建住宅事業者を中心とした事業展開から事業領域を拡大すべく、戸建以外・非住宅事業者へBIMサービスの提供を始めておりましたが、この流れを加速させるため組織変更を行い、専門部署を設置しました。さらに、BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRだけでなく、BIMモデリング業務の提供も開始しました。12月には株式会社GLD-LAB.(株式会社タカショー100%子会社)とBIMで制作した3DパースやVR動画を外構デザインや庭空間デザインと融合させる事を目的に、BIM及びXR分野における包括的業務提携を締結しました。BIMの生産拠点であるJIBANNET ASIA CO., LTD.においては、生産性と品質の向上、技術力向上のための組織体制の変更と強化、オペレーターの増員のための拠点拡大を実施しました。
(※)国土交通省「建築着工統計調査報告」より、当社グループの事業領域である持家、分譲住宅(一戸建て)の戸数を合算して、新設住宅着工戸数としております。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態(資産の部)当連結会計年度末の資産合計は1,829,639千円となり、前連結会計年度末に比べ69,300千円増加いたしました。流動資産は1,695,401千円となり、前連結会計年度末に比べ53,292千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が153,835千円増加、未収入金が98,570千円増加、販売用不動産が68,197千円減少、未成工事支出金が31,022千円減少、前払費用が108,488千円減少したことによるものであります。固定資産は134,238千円となり、前連結会計年度末に比べ16,007千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が11,320千円増加、繰延税金資産が23,333千円増加、ソフトウエアが5,050千円減少、投資有価証券が3,029千円減少、投資その他の資産のその他に含まれる長期前払費用が8,449千円減少したことによるものであります。
(負債の部)当連結会計年度末の負債合計は507,701千円となり、前連結会計年度末に比べ12,404千円減少いたしました。流動負債は296,683千円となり、前連結会計年度末に比べ38,599千円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が7,638千円増加、未払金が8,648千円増加、未払法人税等が23,619千円増加、未成工事受入金が89,036千円減少したことによるものであります。固定負債は211,018千円となり、前連結会計年度末に比べ26,195千円増加いたしました。これは主に、損害補償引当金が30,361千円増加したことによるものであります。
(純資産の部)当連結会計年度末の純資産合計は1,321,937千円となり、前連結会計年度末に比べ81,704千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益73,284千円の計上、為替換算調整勘定が8,420千円増加したことによるものであります。
b.経営成績当連結会計年度の売上高は2,308,364千円(前年同期比4.1%増)、営業利益は108,577千円(前年同期は営業損失29,729千円)、経常利益は101,972千円(前年同期は経常損失28,715千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は73,284千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失46,639千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。なお、当連結会計年度より、従来の「地盤関連事業」の単一セグメントから「地盤事業」、「BIM Solution事業」、「JIBANGOO事業」の3区分のセグメントに変更しており、前年同期比については、変更後の区分に組み替えた数値で算出しております。
報告セグメントと各サービスの関係
報告セグメント
サービス
地盤事業
地盤解析サービス
地盤調査サービス
部分転圧工事サービス
その他サービス ※
BIM Solution事業
BIM/BCPOサービス ※
JIBANGOO事業
住宅関連サービス
※前連結会計年度まで「BIM/BCPOサービス」は「その他サービス」に含めておりました。
<地盤事業>地盤事業においては、BIM Solution事業との相乗効果により既存顧客との関係強化、新規取引先の開拓を行いました。住宅市場が前年同期比で減少しておりますが、売上高は前年同期比で増加しております。また、保険契約条件の見直しによる原価低減により利益は前年同期比で増加しております。この結果、売上高は1,729,960千円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益225,885千円(前年同期比94.2%増)となりました。
<BIM Solution事業>BIM Solution事業においては、BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRを既存の戸建事業者に加え、戸建以外・非住宅事業者への拡販を行いました。また、建設業界のBIM導入支援を本格化するため、BIM導入を検討する企業の案件に対応する体制整備をし、BIMモデリング業務の請負を開始しております。この結果、売上高は271,771千円(前年同期比36.7%増)、セグメント利益68,004千円(前年同期比38.5%増)となりました。
<JIBANGOO事業>JIBANGOO事業においては、地盤の良い埼玉県飯能市で建築していた郊外で災害リスクを減らし安全安心な豊かな暮らしを実感していただくためのコンセプトを実現した住宅の引渡が完了しました。この事例を活用し、完成見学会の実施や、各種地盤調査、耐震設計、設計図と完成時のギャップを解消するためのBIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VR等の当社グループの各サービスを総合的に提供する事で実現できる、地盤から考える安全安心な豊かな暮らしのための家づくりを当社グループの提携事業者と一緒に提唱してまいりました。この結果、売上高は334,650千円(前年同期比5.8%減)、セグメント損失36,762千円(前年同期はセグメント損失48,433千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ153,835千円増加し、1,071,881千円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、獲得した資金は146,597千円(前年同期106,394千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益98,817千円、減価償却費23,157千円、棚卸資産の減少101,280千円、前払費用の減少112,498千円、未収入金の増加97,936千円、未成工事受入金の減少89,036千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、獲得した資金は1,367千円(前年同期255,675千円の獲得)となりました。これは主に貸付金の回収による収入34,293千円、有形固定資産の取得による支出9,564千円、無形固定資産の取得による支出18,794千円、貸付による支出5,781千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は24千円(前年同期18千円の使用)となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析当社グループは売上高伸び率と売上高営業利益率、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として採用しております。(重要な経営指標 推移)
回次
第11期
第12期
第13期
第14期
第15期
決算年月
2019年3月
2020年3月
2021年3月
2022年3月
2023年3月
売上高伸び率(%)
△8.2
△2.3
△17.0
11.4
4.1
売上高営業利益率(%)
1.5
1.6
4.4
△1.3
4.7
ROE(%)
1.2
△7.8
△2.6
△3.7
5.7
※ROEは以下の計算式により算出しております。
ROE = 親会社株主に帰属する当期純利益 / 自己資本
売上高伸び率に関しては、新設住宅着工戸数が前年同期比7.7%減となる中で、前連結会計年度から取組んでいる営業体制強化の効果が表れており、4.1%となりました。特に、BIM Solution事業では、前年同期比36.7%となり、全体の伸び率に寄与しました。売上高営業利益率に関しては、販売費及び一般管理費は前年と同程度でしたが、地盤事業での保険契約条件の見直しによる原価低減により収益性を改善することが出来ました。ROEに関しては、過年度法人税等を12,390千円計上したことから、当初予想6.5%に対しては0.8ポイント減の5.7%となりましたが、各種取組みの成果が表れ、プラスに転じることが出来ました。
b.財政状態の分析当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの運転資金需要は営業活動に伴う費用であり、この資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金を源泉としております。当社グループの持続的な成長と企業価値向上を目的とした投資資金需要が生じた場合は、内部資金に加え、金融機関からの借入を中心に機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施することとしております。なお、金融機関には十分な借入枠を有しております。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。(繰延税金資産の回収可能性)繰延税金資産は、将来減算一時差異の解消により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲を回収可能性があると判断し計上しております。具体的には、将来の一時差異解消スケジュール、タックス・プランニング及び収益力に基づく課税所得の見積り等に基づいて判断しております。これらは主に事業計画を基礎として見積っておりますが、当事業計画の主要な仮定は、売上予測であります。売上予測は、新設住宅着工戸数やその他不動産市況、受注見込に基づき予測しており、不確実性を伴っております。そのため、実際の経済環境が一定の仮定と大きく乖離した場合には、翌連結会計年度の繰延税金資産の回収可能性に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(損害補償引当金)当社グループは、地盤解析サービスにおいて、地盤品質証明書を提供しており、地盤品質証明書を発行した住宅において、万が一、住宅が傾く不同沈下等の地盤事故が発生した場合には、地盤修復工事費用及び住宅の損害等を補償します。また、当該補償に備え、保険会社と保険契約を締結しております。損害補償引当金は、地震リスク分析に基づく期待損失や過去の実績等の客観的データ及び保険契約の内容に基づき合理的な見積額を計上しておりますが、地震リスクの変動や保険内容の見直し等により見積額が変動するため、不確実性を伴っており、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
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