【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析当第1四半期連結累計期間における世界経済は、世界的な高インフレの継続により製造業の景況は低迷したものの、サービス産業での需要は回復傾向にあります。また日本経済は、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したこともあり、サービス産業を中心に回復が継続し、インバウンド需要も継続して回復傾向にあります。また、半導体供給不足緩和の影響もあり、製造業でも回復の兆しが見られました。 このような経済環境の中、当社グループでは中期3ヵ年計画「GP2023」に基づく施策に取り組んだ結果、第1四半期累計期間の連結業績は、売上高114億21百万円(前年同期比13.8%増)、営業利益7億46百万円(前年同期比36.6%増)、経常利益9億77百万円(前年同期比32.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益6億96百万円(前年同期比41.7%増)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。当社グループは、顧客の属する業界ごとに業績管理を行っており、「鉄鋼」「自動車」「電子・半導体」「ゴム・タイヤ」「工作機械」「高機能材」「環境」及び「紙パルプ」の8業界を報告セグメントとしております。(鉄鋼業界)同業界では、世界の動向として、世界最大の粗鋼生産国である中国において粗鋼生産量は高水準で推移しておりますが、前年同期と比べ減産傾向にあり、またヨーロッパ圏での減産体制の影響もあり、粗鋼生産量は前年同期比マイナスとなりました。日本の動向としては、国内及び海外向けの鋼材需要の鈍化が影響し、粗鋼生産量は減産となりました。 当社グループにおきましては、生産比例品だけではなく整備部門への営業活動に注力した結果、新規投資ライン向け設備機械の販売が増加したことや海外製鉄所向けの動力軸継手の販売が好調であったこと等により、売上は増加しました。この結果、鉄鋼業界向け全体としての売上高は34億23百万円(前年同期比21.2%増)となりました。
(自動車業界)同業界では、世界の動向として、自動車生産は回復してきており、特に中国において新エネルギー車の生産拡大は継続しております。日本の動向としては、車載半導体供給不足の影響が和らいできており、生産に回復基調が見られたものの、未だその影響は残っています。 当社グループにおきましては、CASE市場で注目されている電池やモーター分野への営業・提案活動に注力した結果、電池製造部門への部材の販売や機械加工工程での電気部品修理品の販売、当社オリジナル品である樹脂供給装置の販売等が売上増に寄与しました。 この結果、自動車業界向け全体としての売上高は20億34百万円(前年同期比18.0%増)となりました。
(電子・半導体業界)同業界では、世界の動向として、半導体の売上は回復傾向にありますが、コロナ禍におけるデジタル化により活況であった前年同期と比較すると減少が見られました。日本の動向としては、需要部門の変化が見られ、車載・パワー半導体への投資が伸びておりますが、世界大手各社の設備投資費削減を受け半導体製造装置の売上は減少傾向で推移しています。 当社グループにおきましては、修理・再生ビジネスに加え、現場・設備・保全部門に対する営業活動に注力した結果、前期から継続して半導体エッチング装置向けの部材の受注が増加したことや、当社オリジナル品であるインバーター類の販売が増加したこと等により売上は伸長しました。 この結果、電子・半導体業界向け全体としての売上高は15億47百万円(前年同期比2.1%増)となりました。
(ゴム・タイヤ業界)同業界では、日本の動向として、車載半導体供給不足の緩和による自動車生産の回復に伴い、タイヤ需要も回復が見られ、特に新車用タイヤの売上に拡大傾向が見られました。 当社グループにおきましては、前期に続き開発案件のフォローや新規案件、設備投資に関する営業活動に注力した結果、前期に続き当社グループ会社のオリジナル品であるバルブ・タイヤ関連機器及び断熱板の販売が国内・国外問わず好調であったことにより売上が増加しました。 この結果、ゴム・タイヤ業界向け全体としての売上高は10億38百万円(前年同期比57.0%増)となりました。
(工作機械業界)同業界では、自動化・デジタル化に伴う需要は高水準で推移しているものの、特に中国市場において設備投資に対して消極的であること等により、国内、海外問わず受注は減少しております。 当社グループにおきましては、工作機械の5軸化・複合化の要求に対応する用途開発・機器の営業に注力した結果、当社オリジナル品であるロータリージョイントの販売も継続して増加したことに加え、加工機メーカーやクーラント装置メーカー向けにポンプ類・浮上油回収機等の販売が増加しました。 この結果、工作機械業界向け全体としての売上高は6億74百万円(前年同期比19.2%増)となりました。
(高機能材業界)同業界では、世界経済の低迷や物価の高騰による消費の抑制等の影響により、基礎製品となるエチレンの生産量が減少し、内需と生産能力の乖離が拡大しております。 当社グループにおきましては、医薬・化粧品分野の開拓に加え、修理・再生ビジネスにも注力した結果、フィルター関連の受注が伸長しましたが、前年同期に見られた設備更新案件がなかったこと等の影響を受けました。 この結果、高機能材業界向け全体としての売上高は4億14百万円(前年同期比18.3%減)となりました。
(環境業界)同業界では、環境装置関連の受注は前年同期に比べ減少しましたが、製造業向けでは増加しており、需要部門に差が見られました。 当社グループにおきましては、近年重要視されている環境産業・エネルギー産業への深耕に注力した結果、環境対策品の売上が継続して伸長し、水処理プラントや発電所向け工事案件等の受注などがありましたが、前年同期に発生した特需が今期にはなく、売上は減少しました。 この結果、環境業界向け全体としての売上高は4億47百万円(前年同期比16.2%減)となりました。
(紙パルプ業界)同業界では、デジタル化の浸透や物価高騰により紙類の需要が減少していることに加え、燃料、原材料高騰による収益悪化が継続しております。 当社グループにおきましては、最先端のバイオマス素材であるCNF分野やエネルギー分野、ケミカル素材分野への商材開発に注力した結果、原動設備向けボイラー関連機器、ブロワ関連の受注や製紙装置メーカーへの機器販売の増加により売上は増加しました。 この結果、紙パルプ業界向け全体としての売上高は2億51百万円(前年同期比18.0%増)となりました。
(2)
財政状態の分析(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べて2.1%減少し283億99百万円となりました。これは、主に棚卸資産が3億56百万円増加し、一方で、現金及び預金が7億78百万円、売上債権が1億16百万円、有価証券が1億円それぞれ減少したことなどによるものです。 固定資産は、前連結会計年度末に比べて4.6%増加し88億19百万円となりました。これは主に投資有価証券が3億91百万円増加したことなどによるものです。 これらの結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて0.6%減少し、372億18百万円となりました。
(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて3.8%減少し138億57百万円となりました。これは、主に賞与引当金が3億84百万円増加し、一方で、買掛金が5億円、未払法人税等が1億52百万円、その他が6億47百万円それぞれ減少したことなどによるものです。 固定負債は、前連結会計年度末に比べて1.1%増加し13億75百万円となりました。 これらの結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて3.3%減少し、152億32百万円となりました。
(純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べて1.4%増加し219億86百万円となりました。これは、主にその他有価証券評価差額金が2億24百万円、為替換算調整勘定が44百万円それぞれ増加したことなどによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は45百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。