【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等
① 経営成績当第1四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)の経営成績は、以下のとおりであります。(単位:百万円)
当第1四半期連結累計期間
前第1四半期連結累計期間
増減
増減率(%)
売上収益 ※1
109,312
71,839
37,472
52.2
営業利益
46,585
12,421
34,163
275.0
コア営業利益※2
46,914
12,662
34,251
270.5
税引前四半期利益
55,704
40,310
15,393
38.2
親会社の所有者に帰属する四半期利益
42,562
34,722
7,839
22.6
EBITDA ※3
51,300
16,963
34,336
202.4
※1 売上収益には、ADHD治療薬のライセンス移管に伴う一時金が含まれております。※2 コア営業利益:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益など)を調整した利益※3 Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:コア営業利益に減価償却費を加えた利益
売上収益につきましては、前年同期比52.2%の増収となりました。国内医療用医薬品の売上収益につきましては、インチュニブ及びビバンセの共同開発・商業化に関するライセンスを武田薬品工業株式会社へ移管したことによる一時金を受領したことや、COVID-19治療薬ゾコーバの市場浸透による売上収益の増加により前年同期比141.6%の増収となりました。海外子会社及び輸出の売上収益につきましては、多剤耐性グラム陰性菌に効果を示すセフィデロコル(米国の製品名:Fetroja、欧州の製品名:Fetcroja)が欧米で好調に推移して前年同期比36.2%の増収となりました。ロイヤリティー収入につきましては、Dovatoや長時間作用型治療薬Cabenuva、予防薬Apretudeを中心にヴィーブに導出したHIVフランチャイズの売上が伸長したことや、為替の影響により前年同期比16.7%の増収となりました。利益面につきましては、COVID-19関連プロジェクトや主要な開発プロジェクトへの投資により研究開発費が増加しましたが、売上収益の増加に伴い営業利益は前年同期比275.0%の増益となりました。税引前四半期利益につきましては、2022年度第1四半期連結累計期間において、2021年度第4四半期に受領予定であったヴィーブからの配当金や、ヴィーブがギリアドとの訴訟の和解に伴う一時金を受領したことによる配当金の影響がありましたが、売上収益の増加により、前年同期比38.2%の増益となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益につきましては前年同期比22.6%の増益となりました。
② 財政状態当第1四半期連結会計期間末の資産合計は1兆3,637億76百万円で、前連結会計年度末に比べて519億76百万円増加しました。非流動資産は、為替の影響によるその他の金融資産の増加、その他の非流動資産等の増加により5,804億98百万円となり、前連結会計年度末に比べて528億90百万円の増加となりました。流動資産は現金及び現金同等物の減少、3ヶ月超の定期預金及び債券(流動資産のその他の金融資産に含みます)の増減、その他の流動資産の減少等の結果、7,832億78百万円となり、前連結会計年度末に比べて9億14百万円減少しました。資本については1兆1,921億78百万円となり、四半期利益の計上、配当金の支払、在外営業活動体の外貨換算差額(その他の資本の構成要素に含みます)の増加により、前連結会計年度末に比べて703億円増加しました。負債については1,715億98百万円で、前連結会計年度末に比べて183億23百万円減少しました。
非流動負債は、314億77百万円で、前連結会計年度末に比べて1億8百万円の増加となりました。流動負債は1,401億20百万円で、未払法人所得税の減少等により、前連結会計年度末に比べて184億31百万円の減少となりました。
③ キャッシュ・フロー当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益の計上、ヴィーブからの受取配当金の増加の一方で、営業債権の増加や法人税等の支払額の増加等により、前年同期に比べ68億65百万円少ない313億84百万円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得の減少、定期預金の増減等により、前年同期に比べ477億18百万円少ない347億55百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、支払配当金の増加や前期に子会社における第三者割当による増資があったことにより、前年同期に比べ88億52百万円多い230億73百万円の支出となりました。これらを合わせた当第1四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の増減額は201億47百万円の減少となり、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の四半期末残高は、2,890億76百万円となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動COVID-19関連プロジェクトや注力プロジェクトを中心に積極的に研究開発活動を行い取り組みを着実に進展させました。COVID-19の経口治療薬エンシトレルビル(日本での製品名:ゾコーバ)については、小児を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を開始し、また、国内本承認取得に向けた製造販売承認申請を行いました。欧米においてはグローバル第Ⅲ相臨床試験であるSCORPIO-PEP試験(COVID-19初発患者の家庭内同居者を対象とした曝露後発症予防)を開始しました。上記試験に加えて現在2つのグローバル第Ⅲ相臨床試験(SCORPIO-HR試験:入院を伴わないSARS-CoV-2感染患者が対象、STRIVE試験:入院を伴うSARS-CoV-2感染患者が対象)を実施中であり、米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定(Fast Track designation)を受領しました。注力プロジェクトについては、KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社と共同で実施しているユニバーサルサルベコウイルスワクチンの抗原デザイン研究について、両社で事前に設定した中和抗体誘導能に関するクライテリアを達成し、ワクチン事業の持続的なビジネスモデル構築に向けて進展しました。またQpex Biopharma, Inc.の完全子会社化に向けた契約を締結しました。同社は、薬剤耐性(Antimicrobial resistance:AMR)を持つ細菌を標的とする新規抗菌薬の創薬・開発に焦点を当てた製薬企業であり、AMRに対する有望な開発品や抗菌薬研究開発のケイパビリティ、米国における強固な外部ネットワークの獲得が期待されます。 こうした活動の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、249億97百万円となり、売上収益に対する比率は22.9%となりました。
