【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
1.経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
(1) 財政状態および経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、急激な資源価格の高騰や、中国のロックダウンの影響などにより低迷しましたが、徐々に経済活動が活発化し、回復の兆しがみられました。一方、年度末にかけて金融引き締めの影響を受け、景気の後退が懸念される状況となりました。日本経済は、製造業では、部品材料の供給が制約されながらも設備投資が堅調に推移し、景気は緩やかに回復しつつあります。そのような中で、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要は堅調に推移しました。その結果、当連結会計年度における連結売上収益は120,803百万円(前年同期比19.5%増)となり、連結営業利益は13,421百万円(前年同期比22.3%増)、連結税引前当期利益は14,226百万円(前年同期比20.7%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は11,410百万円(前年同期比26.6%増)となりました。受注高は127,996百万円(前年同期比14.7%減)、受注残高は81,925百万円(前年同期比9.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。 ①日本日本には、当社および連結子会社の山洋工業株式会社、山洋電気テクノサービス株式会社、山洋電気ITソリューション株式会社があります。セグメント売上収益は118,762百万円(前年同期比18.1%増)となり、セグメント利益は6,960百万円(前年同期比24.8%増)となりました。②北米北米には、連結子会社のSANYO DENKI AMERICA,INC.があります。セグメント売上収益は25,206百万円(前年同期比65.6%増)となり、セグメント利益は2,290百万円(前年同期比76.5%増)となりました。③ヨーロッパヨーロッパには、連結子会社のSANYO DENKI EUROPE S.A.およびSANYO DENKI GERMANY GmbHがあります。セグメント売上収益は8,296百万円(前年同期比42.7%増)となり、セグメント利益は499百万円(前年同期比59.0%増)となりました。④東アジア東アジアには、連結子会社の山洋電气(上海)貿易有限公司、山洋電氣(香港)有限公司、台灣山洋電氣股份有限公司、SANYO DENKI KOREA CO.,LTD.、上海山洋電气技術有限公司、山洋電气貿易(深圳)有限公司、中山市山洋電气有限公司、山洋電气精密機器維修(深圳)有限公司および山洋電气(天津)貿易有限公司があります。セグメント売上収益は19,004百万円(前年同期比5.8%増)となり、セグメント利益は1,642百万円(前年同期比1.0%増)となりました。⑤東南アジア東南アジアには、連結子会社のSANYO DENKI PHILIPPINES,INC.、SANYO DENKI INDIA PRIVATE LIMITEDおよびSANYO DENKI (THAILAND) CO.,LTD.があります。セグメント売上収益は45,962百万円(前年同期比33.4%増)となり、セグメント利益は2,527百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
また、事業部門別の営業概況は次のとおりです。 ①クーリングシステム事業クーリングシステム製品「San Ace」は、年度末にかけて需給調整の影響が見られたものの、EV用急速充電器や一部の電源装置、5G基地局などの通信機器、半導体製造装置、サーバやストレージなど幅広い業界からの需要が堅調に推移しました。その結果、売上収益は43,292百万円(前年同期比37.0%増)、受注高45,951百万円(前年同期比19.6%減)、受注残高34,665百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
②パワーシステム事業パワーシステム製品「SANUPS」は、災害対策用を中心に、生産設備や社会インフラ向けの需要が増加しました。また、半導体製造装置、医療機関向けの需要は堅調に推移しました。一方、再生可能エネルギー向けの需要は、投資の先送りを受け低調でした。その結果、売上収益は7,423百万円(前年同期比0.5%増)、受注高7,613百万円(前年同期比11.0%減)、受注残高3,192百万円(前年同期比6.3%増)となりました。
③サーボシステム事業サーボシステム製品「SANMOTION」は、EV、リチウム電池の生産設備、ウェハ搬送ロボット向けの需要が増加しました。また、射出成形機、工作機械、ロボット向けの需要も堅調に推移しました。 一方、半導体製造装置向けの需要は前連結会計年度に引き続き堅調に推移していたものの、年度末にかけて減退が見られました。また、中国市場の景気減退の影響により、電子部品実装機、金属加工機向けの需要は低調でした。その結果、売上収益は63,988百万円(前年同期比14.3%増)、受注高68,431百万円(前年同期比11.9%減)、受注残高42,076百万円(前年同期比11.8%増)となりました。
④電気機器販売事業半導体業界、医療機器向けの需要の増加により、産業用電気機器、制御機器、および電気材料の販売は増加しました。一方、太陽光発電向けの需要は低調でした。その結果、売上収益は4,881百万円(前年同期比5.3%増)、受注高4,689百万円(前年同期比10.9%減)、受注残高1,424百万円(前年同期比11.9%減)となりました。
⑤電気工事事業主要顧客である鉄鋼業界からの需要は堅調に推移しました。一方、電気工事の需要は従来の水準に回復するまでには至らず、低調でした。その結果、売上収益は1,216百万円(前年同期比18.9%減)、受注高1,311百万円(前年同期比8.1%減)、受注残高566百万円(前年同期比20.0%増)となりました。
当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、資産合計は15,204百万円の増加、負債合計は2,642百万円の増加、資本合計は12,561百万円の増加となりました。 資産の主な変動要因は、棚卸資産の増加7,836百万円、営業債権及びその他の債権の増加4,928百万円、現金及び現金同等物の増加1,770百万円によるものです。 負債の主な変動要因は、営業債務及びその他の債務の増加3,121百万円、借入金(非流動負債)の減少1,826百万円、借入金(流動負債)の増加1,577百万円によるものです。 資本の主な変動要因は、利益剰余金の増加10,432百万円、その他の資本の構成要素の増加2,089百万円によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、20,548百万円となり、前連結会計年度末より1,770百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、8,258百万円(前連結会計年度は8,234百万円の増加)となりました。これは主に、税引前当期利益14,226百万円、棚卸資産の増加6,757百万円、減価償却費及び償却費6,014百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、4,422百万円(前連結会計年度は4,826百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,182百万円、無形資産の取得による支出844百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、2,675百万円(前連結会計年度は622百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2,006百万円、配当金の支払額1,509百万円によるものです。
(3) 生産、受注及び販売の状況
①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
日本
101,708
21.0
東アジア
266
20.8
東南アジア
42,660
33.7
合計
144,635
24.5
(注) 1 セグメント間取引については、内部振替前の数値によっています。2 金額は、販売価格によっています。3 上記金額には、消費税等は含まれていません。
②受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称
受注高
受注残高
金額(百万円)
前年同期比(%)
金額(百万円)
前年同期比(%)
日本
81,818
△9.2
44,743
17.3
北米
27,670
△5.5
21,114
18.9
ヨーロッパ
9,276
△9.3
7,121
17.8
東アジア
7,627
△52.1
5,444
△38.2
東南アジア
1,602
△65.2
3,501
△12.0
合計
127,996
△14.7
81,925
9.6
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。2 上記金額には、消費税等は含まれていません。
③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
日本
75,203
10.5
北米
24,320
62.7
ヨーロッパ
8,201
42.2
東アジア
10,997
△0.1
東南アジア
2,080
53.2
合計
120,803
19.5
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。2
上記金額には、消費税等は含まれていません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
(1) 重要な会計方針および見積り当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、過去の実績や状況に照らし合理的と考えられる前提に基づき、会計上の見積りを実施しています。なお、当社グループで採用する個々の項目は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 当社グループの第9次中期経営計画は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。この計画のもと、当連結会計年度の財政状態および経営成績等は次のとおりです。
① 連結財政状態の分析
(資産)流動資産は、棚卸資産の増加や、営業債権及びその他の債権が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて15,406百万円増加しました。非流動資産は、有形固定資産が減少したことにより前連結会計年度末に比べて202百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて15,204百万円増加の143,871百万円となりました。
(負債)流動負債は、営業債務の増加や、運転資金需要のための借入金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて4,991百万円増加しました。非流動負債は、借入金の返済による減少や、退職給付に係る負債が減少したことにより前連結会計年度末に比べて2,349百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末における負債合計は前連結会計年度末に比べて2,642百万円増加の50,654百万円となりました。
(資本)当期利益の計上、および配当金の支払により利益剰余金は10,432百万円増加しました。また、保有する金融資産の公正価値変動等により、その他の資本の構成要素が2,089百万円増加しました。その結果、資本合計は前連結会計年度末に比べて12,561百万円増加の93,217百万円となりました。
② 連結経営成績の分析当連結会計年度は、当社グループの主要な販売市場である通信装置、ロボット、半導体製造装置などのファクトリーオートメーション市場からの需要は堅調に推移しました。その結果、当連結会計年度の連結売上収益は120,803百万円となり、前連結会計年度に比べ19,679百万円増加しました。また、販売費及び一般管理費につきましては、人件費や試験研究費が増加しました。その結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は17,896百万円となり、前連結会計年度に比べ3,151百万円増加しました。以上から、連結営業利益は前連結会計年度に比べ22.3%増の13,421百万円、連結税引前当期利益は前連結会計年度に比べ20.7%増の14,226百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ26.6%増の11,410百万円となりました。
セグメントごとの売上収益に関する分析は次のとおりです。
(日本)日本では、半導体製造装置を中心としたファクトリーオートメーション市場からの需要が好調でした。また、EVやリチウムイオン電池の生産設備向けの需要は堅調に推移しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ18.1%増の118,762百万円となりました。
(北米)北米では、通信装置、サーバ関連の市場からの需要が旺盛でした。また、半導体製造装置や医療機器向けの需要は堅調に推移しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ65.6%増の25,206百万円となりました。
(ヨーロッパ)ヨーロッパでは、半導体関連装置、ファクトリーオートメーション市場からの需要が好調でした。また、EV用急速充電器や医療機器向けの需要は堅調に推移しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ42.7%増の8,296百万円となりました。
(東アジア)東アジアでは、サーバ、電源装置向けの需要は堅調に推移しました。一方、中国市場の需要は回復が進まず、低調に推移しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ5.8%増の19,004百万円となりました。
(東南アジア)東南アジアでは、食品機械や医療機器、インドネシア市場における社会インフラ向けの需要が増加しました。また、受注の増加を受けて、SANYO DENKI PHILIPPINES,INC.の生産量が大幅に増加しました。セグメント売上収益は前連結会計年度に比べ33.4%増の45,962百万円となりました。
また、翌連結会計年度(2024年3月期)の予想につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3) 経営環境及び対処すべき課題等 ① 経営環境」に記載のとおりです。
③ 資本の財源および資金の流動性の分析当連結会計年度の資本の財源の分析は以下のとおりです。
(フリー・キャッシュ・フロー)当社グループでは、フリー・キャッシュ・フローを重視した経営をおこなっています。
当社グループのキャッシュ・フロー関連の指標は、次のとおりです。
項目
2022年度(当連結会計年度)
自 2022年4月1日至 2023年3月31日
営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円)
8,258
投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円)
△4,422
(注)フリー・キャッシュ・フロー (百万円)
3,836
財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円)
△2,675
(注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー 当社グループは、第9次中期経営計画に掲げた目標の達成に向け、生産能力の増強を目的とした設備投資をおこないました。営業活動により獲得した現金、および金融機関からの計画的な資金調達によって、企業活動に必要な資金をじゅうぶんに確保しています。当社グループでは、今後も資本の健全性や、成長のための投資との最適なバランスを勘案したうえで、内部留保の確保および株主還元の充実に努める方針です。
(ROE)当社グループは、中長期的に重視すべき経営指標の目標値として、ROE10%以上を目標とした経営をおこなっています。当連結会計年度につきましては、当期利益の増加にともない、前連結会計年度の11.9%から上昇し、13.1%となりました。
指標
目標
当連結会計年度
ROE
10%以上
13.1%
(営業利益率)当社グループは、グローバル企業として「世界のトップブランド」の構築を目標としており、トップブランドにふさわしい企業グループとなることを目指して、営業利益率を重視した経営をおこなっています。当連結会計年度における営業利益率は、次のとおりです。
項目
2022年度(当連結会計年度)
自 2022年4月1日至 2023年3月31日
売上収益 (百万円)
120,803
営業利益 (百万円)
13,421
営業利益率 (%)
11.1
(3) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、2021年4月から期間を5年とする「第9次中期経営計画」をスタートさせました。計画の目的、重要方針、行動指針および重視すべき経営指標と目標値については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
