【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
A.財政状態
(a)資産の部流動資産は、前連結会計年度末に比べて3,023百万円(6.0%)増加し、52,998百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,728百万円減少し、その他が3,165百万円増加し、売掛金が1,538百万円増加したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,822百万円(42.7%)増加し、12,766百万円となりました。これは主に、投資有価証券が2,411百万円、その他が1,181百万円増加したことなどによります。この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて6,845百万円(11.6%)増加し、65,765百万円となりました。
(b)負債の部流動負債は、前連結会計年度末に比べて3,146百万円(41.8%)増加し、10,678百万円となりました。これは主に、未払法人税等が2,513百万円、その他が724百万円増加したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて4百万円(1.2%)増加し、366百万円となりました。これは、長期未払金が4百万円増加したことによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて3,151百万円(39.9%)増加し、11,044百万円となりました。
(c)純資産の部純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,694百万円(7.2%)増加し、54,720百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ260百万円増加、利益剰余金が、親会社株主に帰属する当期純利益による増加額9,842百万円及び配当金の支払による減少額6,613百万円により3,229百万円増加したことなどによります。
B.経営成績
(a)売上高当連結会計年度の売上高は41,315百万円と、前連結会計年度に比べて2.3%増加し、914百万円の増加となりました。売上内訳といたしましては、M&A仲介事業が39,785百万円、その他の事業が1,530百万円であり、前連結会計年度と比べて、M&A仲介事業は977百万円の増加、その他の事業は63百万円の減少となりました。
(b)経常利益当連結会計年度の経常利益は15,472百万円と、前連結会計年度に比べて8.2%減少し、1,391百万円の減少となりました。売上原価は17,803百万円で、前連結会計年度に比べて1,545百万円の増加となりました。販売費及び一般管理費は8,213百万円で、前連結会計年度に比べて500百万円の増加となりました。営業利益は15,298百万円で、前連結会計年度に比べて1,131百万円の減少となりました。営業外収益は222百万円で、主なものは持分法による投資利益87百万円であります。営業外費用は48百万円で、主なものは雑損失34百万円であります。この結果、経常利益は15,472百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は45,400百万円と、前連結会計年度末に比べて1,900百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は8,153百万円と前年同期に比べ2,946百万円(26.5%)の減少となりました。これは主に税金等調整前当期純利益15,472百万円となったこと及び法人税等の支払額5,614百万円があったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は3,999百万円(前年同期は270百万円の収入)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出が2,674百万円あったこと、有形固定資産の取得による支出が178百万円あったこと及び無形固定資産の取得による支出が139百万円あったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は6,093百万円と前年同期と比べ150百万円(2.5%)の増加となりました。これは主に株式の発行による収入が518百万円あったことや、配当金の支払額が6,613百万円あったこと等を反映したものであります。
③生産、受注及び販売の状況
A.生産実績、受注状況該当事項はありません。
B.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
M&A仲介事業
39,785,631
+2.5
その他の事業
1,530,084
△4.0
合計
41,315,716
+2.3
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定は次のとおりであります。
A. 繰延税金資産の回収可能性(a) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額繰延税金資産の金額は、連結財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」の1.に記載の金額と同一であります。
(b) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、業績が著しく悪化する等して、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容A. 当連結会計年度の経過と経営成績 当連結会計年度において当社グループは2022年2月14日付のプレスリリース「調査委員会の調査報告書の受領及び公表に関するお知らせ」を受け、コンプライアンス重視の経営に大きく舵を切り、実効性のある再発防止策と内部統制の強化に向けた各種取組を実施いたしました。 その一環として、当社グループではさらなる成長に向けた「最高のM&A」の実現のため、新たにパーパスを制定し、次いでパーパスの実現に向けた行動規範であるフィロソフィーを定義いたしました。上記の経過を経て、再発防止に向けた取組を全力で実施しつつ、「最高のM&A」を実現すべく懸命な営業活動を行っており、当社グループの営業活動は再興に向けて加速しております。
具体的には当第4四半期(2023年1月~3月)における成約件数は四半期ベースで過去最多の296件となりました。これは前年同四半期(2022年1月~3月)と比べても120件増と大幅に増加しております。また、通期の成約件数も第1四半期の落ち込みを充分にカバーし、過去最多の1,050件(前年同期と比べ54件増)となりました。
以上の結果、連結経営成績は下表のとおり、連結売上高41,315百万円(前年同期比+2.3%)となったものの、成約単価の下落や人員増に伴う人件費、旅費交通費、情報システム費用等の上昇等の要因により連結経常利益は15,472百万円(前年同期比△8.2%)となりました。これらの減益要因については、次期以降適切に改善策を実行してまいります。
当連結会計年度の業績予想
当連結会計年度の実績
前連結会計年度の実績
業績予想の
達成率
前年同期比
売上高
42,000百万円
41,315百万円
40,401百万円
98.4%
+2.3%
営業利益
18,000百万円
15,298百万円
16,430百万円
85.0%
△6.9%
経常利益
18,000百万円
15,472百万円
16,864百万円
86.0%
△8.2%
親会社株主に帰属する当期純利益
12,600百万円
9,842百万円
11,437百万円
78.1%
△13.9%
また、当第4四半期における譲渡案件の新規受託件数は301件(前年同期273件)となり、前年同期と比べて28件増加しております。その結果、当連結会計年度末における累計受託件数1,184件(前年同期1,225件)とほぼ例年並みの受託残となっております。これらの豊富な受託残を次年度以降も着実に成約すべく、尽力してまいります。
B. 当連結会計年度の営業の取組(a)M&A成約件数のギネス世界記録に2年連続で認定前連結会計年度に続き、M&Aフィナンシャルアドバイザリー業務の最多取扱い企業としてギネス世界記録に2年連続で認定されました。2020年度(2020年1月~2020年12月)取扱件数783件、2021年度(2021年1月~2021年12月)取扱件数1,013件となり、M&A仲介業界におけるM&A支援実績No.1を継続することができました。
(b)提携先営業の活性化当連結会計年度においては不祥事の影響で譲渡案件受託のためのセミナー等の活動ができない状況が続いておりました。そこで会計事務所、地方銀行、大手金融機関などの提携先からの情報開発に注力し、譲渡案件の受託を維持活性化いたしました。一例としては、企業評価システムであるV-Compassの金融機関への導入を加速いたしました。各金融機関が保有する財務データを元に、自行において短時間で顧客の企業評価を算定することが可能となることから、さらなる連携の強化とM&A需要の取込みを行っております。このように提携先とは新しい次元での取組やイノベーションを実現することができました。
(c)譲渡企業受託セミナーの再開不祥事により長らく譲渡企業受託のためのセミナーを開催できておりませんでしたが、当連結会計年度第3四半期から全国で再開いたしました。次連結会計年度においてはさらにダイナミックな展開を予定しております。
(d)マッチング活動の強化による成約件数の増加不祥事により一時的に停滞していた成約に向けてのマッチング活動を強化いたしました。また、マッチング活動が促進されるよう、社内ルール等を変更した結果、マッチング活動の精度が向上し、譲受企業からの提携仲介契約数を飛躍的に伸ばすことができ、成約件数の増加に繋がりました。引き続きマッチング活動のリードタイムの短縮化、活性化に注力してまいります。
(e)DXへの取組アウターDX、インナーDXの両面を強化いたしました。アウターDXにおいてはメールマガジンの配信、オンライン広告、SNS、オウンドメディア等の活用により大小500以上の施策を実施することで収益機会の最大化を図ってまいりました。インナーDXにおいては生産性向上を図るべくSalesforceの活用を行うことでデータ活用の最大化を行いました。第10回Salesforce全国活用チャンピオン大会大企業部門において、当社グループにおけるSalesforce導入から社内浸透までの歴史、定着化メソッド、社内IT人材育成ノウハウを発表し、快挙となる優勝を果たしました。引き続きDX活用を加速するとともに、社内IT人材育成による業務効率改善を実施してまいります。
(f)ミッドキャップ案件受託のためのセミナー、企画の再開不祥事によりミッドキャップ(売上高10億円以上または利益5千万円以上の企業)案件の受託に向けたセミナーや企画が滞っておりました。当連結会計年度第3四半期から本格的に活動を開始し、成果が出始めています。次連結会計年度においてはこれをさらに進化させた企画によってミッドキャップ案件を受託し、成約単価の維持向上を目指してまいります。
(g)オンラインM&Aマッチングサイト「BATONZ」全企業の85%を占める年商1億円未満の小規模事業者のM&Aニーズに対応するべく、子会社の株式会社バトンズにてオンラインマッチングサイト「BATONZ」を展開しております。BATONZでは、オンラインならではの「安価な利用料」「迅速性」を実現した上で、当社グループのノウハウを活用し、安心・安全なM&A取引が進められるよう下記のようなサポート体制を整えております。Ⅰ.提携する専門家(BATONZパートナープログラム登録者)の中から最適な専門家を紹介Ⅱ.BATONZが認定した調査人による、小規模企業に特化した企業調査「バトンズDD」のサービスの用意Ⅲ.「バトンズDD」の実施を前提とし、買収後に発覚したリスクに対応するM&A保険「M&A Batonz」を自 動付帯このような取組により、BATONZは累計ユーザー数及び累計成約件数において、日本No.1の件数※となることができました。
※日本マーケティングリサーチ機構調べ集計期間:2022年1月25日~2022年3月11日_指定領域における市場調査(推計も含む)
(h)海外事業の強化2016年にシンガポールを皮切りに、ASEANに5拠点体制を確立、堅調な成長を遂げております。前連結会計年度においては中小企業白書に当社関与事例が掲載されるなど、中小企業のクロスボーダーM&Aのパイオニアとして躍進を遂げております。また、World M&A Allianceに加盟しており、欧米進出の足掛かりとして、進めてまいります。
(i)TOKYO PRO Market上場支援サービスを通じた地方創生東京証券取引所が運営するプロ投資家向けの株式市場であるTOKYO PRO Marketへの上場を支援すべく、当社グループは2019年7月にJ-Adviser資格を取得しており、これまで100社を超えるJ-Adviser契約先を担当しております。 当連結会計年度におけるTOKYO PRO Market全上場会社22社のうち、当社グループが上場支援を行った9社が同市場への上場を果たしました。今後も、本質的な地方創生の実現のために、後継者問題をM&Aによって解決することにとどまらず、M&Aのリーディングカンパニーとして、一般市場への市場変更や海外進出、新規事業の創出等、TOKYO PRO Market上場のさらに先を見据えた成長支援サービスを提供していく所存です。金融機関、会計事務所等との連携もより一層強固にしながら、全国に“スター企業”を創出することで、地域経済の活性化や雇用創出といった真の地方創生の実現に貢献してまいります。
(j)PMI(ポスト・マージャ―・インテグレーション)当社の連結子会社である株式会社日本PMIコンサルティングは、日本で唯一のPMIに特化したコンサルティング会社でございます。PMIとは、当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセスですが、同社はM&Aを“成約”から“成功”へ導く大切なプロセスを支援していくコンサルティング会社であります。当連結会計年度においても過去最高のPMI受注件数を実行しており、引き続き最高品質のサービスを提供してまいります。
(k)ダイバーシティ&インクルージョンへの取組当社グループでは、当連結会計年度より女性活躍推進プロジェクトを発足させ、多様な人材を受け入れその能力を最大限発揮させるべく、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。現場のリーダークラスの女性社員が主導し、全社員アンケートから改善すべき課題を抽出したうえで当社グループならではの女性活躍の理想像について議論しつつ、複数プロジェクトを進めています。2022年8月には女性管理職向けのキャリアミーティング、2023年2月にはダイバーシティ&インクルージョンイベントを開催する等、積極的にイベントを実施いたしました。また、女性管理職向けの研修を実施し、女性リーダーの育成にも注力いたしました。
(l)産学連携に向けた取組当社は中小M&A研究・教育の促進を目的として、国立大学法人神戸大学大学院経営学研究科と「中小M&Aに関する包括的な産学連携推進に関する協定」を締結しております。本協定は神戸大学大学院経営学研究科内の複数の研究室が取り組む中小企業・小規模事業者を対象とする研究シーズと、当社グループが取り組む「中小M&A仲介・同プラットフォーム」「マッチング」「株価算定」「PMI」や「ファンド」を中心とした事業ニーズを組み合わせ、両者の総力を結集した国内唯一の包括的な産学連携となっています。この連携を強化する施策として「中小M&A研究教育センター」を経営学研究科内に設置し、トップマネジメント講座「中小企業のM&A」を開設し、M&Aによる中小企業・小規模事業者の事業集約化とイノベーションによる生産性の向上に関する共同研究や中小M&Aに関わる研究者への支援を行う等、中小企業・小規模事業者が研究成果をいち早く享受できるような取組を行っております。
C.当社グループの資本の財源及び資金の流動性について資本政策については、財務体質と経営基盤の強化を図るとともに、株主に対する長期的な利益還元を経営の最重要課題と認識しております。内部留保については、財務体質の強化、将来にわたる安定した株主利益の確保、事業の拡大のために有効活用してまいります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は45,400百万円となっております。キャッシュ・フローの状況は、前記「(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
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