【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費やインバウンド需要の増加等により、緩やかな景気の回復が見られた一方、地政学的リスクへの警戒感などを背景とする不安定な国際情勢の中、原材料価格の高騰や円安の進行を主要因とする物価高が継続しており、米国における金融引き締め政策の影響も懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。このような状況下、当社グループは、「中期経営計画-2026 Diversify into Nutrition & Health」の達成に向け、グループ全体の成長戦略「グループビジネスモデルの変革」と「経営資源の再配分」のもと、グループ内事業の最適化を図ることで、①国内砂糖事業の強靭化、②海外事業の拡大、③ライフ・エナジー事業の成長、④グループの持つ研究開発力の集積・強化及び⑤持続可能な社会実現への貢献を推進してまいりました。
(砂糖事業)
海外粗糖相場は、1ポンド当たり22セント前半から始まり、サトウキビの最大生産国であるブラジルにおける気象不安を受けた大幅な減産見通し報道などにより急騰し、4月後半には、約11年半振りの高値圏となる27セント半ばにまで達しました。その後、6月中旬以降は、ブラジルの供給量回復による安堵感から一旦は下落傾向に転じたものの、8月下旬に、干ばつの影響を受けた世界第2位のサトウキビ生産国であるインドにおいて、次年度の砂糖輸出禁止見通し報道があったことから上昇し、26セント前半で当第2四半期連結累計期間末を迎えました。また、国内市中相場は、1キログラム当たり227円~229円で始まり、長引く海外粗糖相場の高止まりや円安などの影響を受け、239円~241円となりました。
国内の精製糖販売は、原材料価格の高騰などに伴う食品値上げラッシュを受けた消費者マインドの冷え込みが見られたものの、インバウンド需要の回復や今夏の記録的な猛暑による飲料品の消費増などの影響を受け、売上高は前年同期並みの実績となりました。一方、利益面では、原料費、海上運賃、包装資材及び物流費などの各種コストの増加が、引き続き多大な影響をもたらしており、これらの各種コストを吸収するため、出荷価格につき、7月に1キログラム当たり12円、10月に同10円の引き上げを実施いたしました。
国内の原料糖販売は、北海道の連結子会社における販売量減、沖縄の連結子会社における悪天候に起因した生産量減や、修繕費増による原価率の悪化などが利益面に影響を与えました。
海外では、シンガポールにおいて、販売量減による原価率の悪化などを受け減益となりました。
以上の結果、砂糖事業は、売上高70,130百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益817百万円(前年同期比41.0%増)となりました。
期中の砂糖市況
海外粗糖相場(ニューヨーク砂糖当限、1ポンド当たり)
始値 22.35セント 高値 27.62セント 安値 21.81セント 終値 26.27セント
国内市中相場(日本経済新聞掲載、東京上白大袋1キログラム当たり)
始値 227円~229円 終値 239円~241円
(ライフ・エナジー事業)
パラチノースは海外向け販売が伸長し、パラチニットはキャンディ用途での需要が堅調に推移いたしました。さとうきび抽出物は、国内向けの食品用途で好調を維持いたしました。また、前連結会計年度においてテルモ㈱より事業譲受した栄養食品及び関連製品の販売に係る増益などが業績に寄与したものの、ゲル化製剤の減収やバイオ事業の受注減が利益面に影響を与えました。
なお、当第2四半期連結会計期間において、連結子会社のDM三井製糖㈱が、ライフスタイルサポート事業及び宅配弁当事業を展開する㈱Muscle Deli(以下「マッスルデリ」という。)の株式を取得し、同社を連結子会社といたしました。当社グループの素材・研究開発力と、マッスルデリが有するスタートアップ企業としてのスピード感・マーケティング力を掛け合わせることで、ライフ・エナジー事業のバリューチェーン強化を図ってまいります。
以上の結果、ライフ・エナジー事業は、売上高12,878百万円(前年同期比25.4%増)、営業利益17百万円(前年同期比88.9%減)となりました。
(不動産事業)
岡山工場・長田工場跡地の再開発エリアは順調に稼働しており、前年同期並みの売上高1,208百万円(前年同期比2.4%減)、営業利益410百万円(前年同期比3.4%増)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は84,217百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は1,245百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
営業外損益においては、連結子会社のDM三井製糖㈱が、国内投資先から受けた受取配当金4,457百万円を計上いたしました。また、フィンゴリモド「FTY720」の開発権及び販売権の許諾に基づく受取ロイヤリティー604百万円を計上いたしました。持分法投資損益においては、主にタイ国の関連会社における販売量減による損益悪化の影響を受けたものの、経常利益は6,187百万円(前年同期比336.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,066百万円(前年同期比1,193.2%増)となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比527百万円減少し195,596百万円となりました。連結貸借対照表の主要項目ごとの主な増減要因等は次の通りであります。
ⅰ)流動資産
流動資産は、前連結会計年度末比399百万円減少し88,478百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加3,072百万円、原材料及び貯蔵品の増加3,289百万円、流動資産その他の増加2,246百万円があった一方で、商品及び製品の減少9,983百万円等があったことによるものであります。
ⅱ)固定資産
固定資産は、前連結会計年度末比128百万円減少し107,117百万円となりました。これは主として、建設仮勘定の増加1,788百万円があった一方で、機械装置及び運搬具の減少963百万円、繰延税金資産の減少356百万円、投資その他の資産その他の減少531百万円等があったことによるものであります。
ⅲ)負債
負債は、前連結会計年度末比4,851百万円減少し78,694百万円となりました。これは主として、短期借入金の減少4,833百万円等があったことによるものであります。
ⅳ)純資産
純資産は、前連結会計年度末比4,323百万円増加し116,901百万円となりました。これは主として、剰余金の配当2,918百万円があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益6,066百万円等があったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は30,782百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,172百万円の増加となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は14,357百万円(前第2四半期連結累計期間は資金の増加12,111百万円)となりました。 これは主として、税金等調整前四半期純利益7,104百万円、減価償却費2,871百万円、棚卸資産の減少6,907百万円等により資金が増加した一方で、法人税等の支払1,119百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は2,132百万円(前第2四半期連結累計期間は資金の減少2,453百万円)となりました。 これは主として、有形固定資産の取得による支出2,883百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は9,184百万円(前第2四半期連結累計期間は資金の増加1,479百万円)となりました。 これは主として、借入金の純減少6,068百万円、配当金の支払2,911百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は394百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主力の砂糖事業において、原料となる粗糖が相場商品であること、また、製品価格も競争や市場環境等により変動する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような事業環境下、当社グループでは適切な原料糖調達と適正販売価格帯の維持に努めてまいりました。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第2四半期連結累計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は42,074百万円となっております。