【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 経営成績当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の5類感染症への移行に伴い、経済社会活動の正常化に向けた動きが進んだ一方で、原材料・エネルギー価格高騰や物価上昇、旅行やイベントなど外出増加に伴う消費行動の変化などの影響により、耐久消費財に対する節約志向の高まりが見られました。住宅関連機器業界においては、新設住宅着工戸数は前年を下回るなど弱含みで推移しました。このような状況の中、当社グループは持続可能な社会の実現に向けた「2026ビジョン」を策定し、第9次中期経営計画のもと、3つの基本戦略「ヒートポンプ/電化事業の拡大」「『楽』から『楽しい』への事業領域拡大」「業務合理化による高コスト体質からの脱却」の取り組みを進めました。「ヒートポンプ/電化事業の拡大」においては、大手家電メーカーに家庭用燃料電池コージェネレーションシステム用の貯湯タンクユニットを供給しました。また、「『楽』から『楽しい』への事業領域拡大」においては、暮らしの楽しみや可能性を“外へ広げる”という意味を込めた新ブランド「OUTFIELD(アウトフィールド)」から小型のポータブル石油ストーブ等を発売したほか、2021年に運行を終了した上越新幹線「Maxとき」モデルの衣類乾燥除湿機や加湿フィルターを除菌する深紫外線LEDを搭載した大能力タイプの加湿器を発売するなど、事業領域の拡大や暮らしの質・快適性の向上を目指した商品開発に取り組みました。これらの取り組みにより、製品の種類別売上高の概況は、以下のとおりとなりました。
<暖房機器>暖房機器の売上高は、7,850百万円(前年同四半期比12.2%増)となりました。石油ファンヒーターでは灯油使用量を抑制する省エネ機能を全機種に拡大したほか、寒冷地向けの石油暖房機では最上位モデルである「AGRATIO(アグレシオ)」で暖房性能の向上とデザインをリニューアルするなど、需要期に向けた商品開発と提案活動に取り組みました。販売面ではポータブル石油ストーブや石油ファンヒーターなどが順調に推移したほか、「OUTFIELD」ブランドの販売もあり、暖房機器全体は前年同四半期を上回りました。
<空調・家電機器>空調・家電機器の売上高は、10,106百万円(前年同四半期比15.2%減)となりました。ルームエアコンは消費者の買い控えやメーカー間の販売競争の激化などの影響もあり、前年同四半期を下回りました。また、除湿機は業界初となる除湿機本体とサーキュレーターが分離できる新商品を軸に販売拡大に向けた活動に取り組みました。しかしながら、空調・家電機器全体はルームエアコンの販売減少が影響し、前年同四半期を下回りました。
<住宅設備機器>住宅設備機器の売上高は、15,978百万円(前年同四半期比11.2%減)となりました。太陽光発電の余剰電力活用における「コロナ快適ホームアプリ」との連携など省エネ性や快適性を向上させたエコキュートや、高効率・高付加価値機能を有した石油給湯機などを中心に販売活動を進めましたが、新設住宅着工戸数の減少や消費者の買い控えのほか、販売が好調であった前年の反動などもあり、住宅設備機器全体は前年同四半期を下回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は37,219百万円(前年同四半期比6.9%減)となりました。利益面については、原材料・エネルギー価格の高騰のほか、住宅設備機器や空調・家電機器の販売減少などにより、営業損失は181百万円(前年同四半期は営業利益390百万円)、経常利益は23百万円(前年同四半期比96.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は16百万円(前年同四半期比96.0%減)となりました。
② 財政状態(流動資産)当第2四半期連結会計期間の流動資産の残高は、前連結会計年度と比べ1,046百万円減少し、56,788百万円となりました。これは受取手形、売掛金及び契約資産が5,811百万円、商品及び製品が3,830百万円それぞれ増加した一方、現金及び預金が681百万円、電子記録債権が3,333百万円、有価証券が6,202百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。売上債権につきましては、当社グループの売上には季節的変動があり、前連結会計年度より第2四半期連結会計期間が大きくなる傾向にあるためであります。商品及び製品につきましては、主に空調・家電機器の在庫が減少した一方、暖房機器の在庫が増加しております。現金及び預金につきましては、主に売上債権及び棚卸資産の増加に伴い減少しております。なお、現金及び預金の詳しい内容につきましては、第4[経理の状況]1[四半期連結財務諸表](3)[四半期連結キャッシュ・フロー計算書]をご覧ください。有価証券につきましては、主に譲渡性預金の減少によるものであります。
(固定資産)当第2四半期連結会計期間の固定資産の残高は、前連結会計年度と比べ475百万円増加し、44,798百万円となりました。これは投資有価証券が544百万円増加したことが主な要因であります。投資有価証券につきましては、主に時価の上昇及び債券の購入によるものであります。
(流動負債)当第2四半期連結会計期間の流動負債の残高は、前連結会計年度と比べ318百万円減少し、26,920百万円となりました。これは流動負債のその他が598百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が987百万円減少したことが主な要因であります。支払手形及び買掛金につきましては、主に暖房機器の生産量が増加した一方、住宅設備機器の生産量及び建設子会社における請負工事物件が減少したことによるものであります。
(固定負債)当第2四半期連結会計期間の固定負債の残高は、前連結会計年度と比べ238百万円減少し、1,781百万円となりました。
(純資産)当第2四半期連結会計期間の純資産の残高は、前連結会計年度と比べ14百万円減少し、72,885百万円となりました。株主資本においては、利益剰余金が親会社株主に帰属する四半期純利益により16百万円増加した一方、配当金の支払により408百万円、自己株式処分差損の振替により4百万円それぞれ減少しております。また、自己株式の処分などにより44百万円増加しております。その他の包括利益累計額においては、その他有価証券評価差額金が234百万円、退職給付に係る調整累計額が103百万円それぞれ増加しております。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,611百万円(35.5%)減少し、12,032百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、5,090百万円(前年同四半期比3,469百万円増)となりました。これは、主に減価償却費1,017百万円、その他の資産の減少額946百万円、その他の負債の増加額785百万円により資金が増加した一方、暖房機器の売上債権の増加額2,477百万円、暖房機器の棚卸資産の増加額4,044百万円、住宅設備機器及び建設子会社における請負工事物件の仕入債務の減少額987百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、1,112百万円(前年同四半期比2,482百万円増)となりました。これは、主に有価証券の売却及び償還による収入300百万円により資金が増加した一方、有形・無形固定資産の取得による支出1,085百万円、投資有価証券の取得、売却及び償還による収支差額276百万円により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、408百万円(前年同四半期比0百万円増)となりました。これは、主に配当金の支払いによるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は316百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 従業員数当第2四半期連結累計期間において、連結会社及び提出会社の従業員数に著しい増減はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(7) 主要な設備当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設の計画は、次のとおりであります。
会社名
事業所名
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着手年月
完了予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額(百万円)
提出会社
長岡工場
ヒートポンプ機器の部品生産設備
644
―
自己資金
2023年9月
2025年2月
(注)
(注) 完成後の増加能力は、合理的に算出することが困難なため、記載を省略しております。