【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループを取り巻く経営環境は、原材料やエネルギー市況高騰、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、為替の急激な変動等、厳しい状況が続いております。
当社グループの属する自動車業界の概況は、半導体供給不足により生産調整がありますが、総生産台数は徐々に回復基調にあります。然しながら原材料やエネルギー市況高騰影響等により、依然として厳しい環境が続いております。 このような情勢の中、当連結会計年度の売上高は、円安による為替影響もあり、74,102百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。
営業損失は、お客様の生産変動に伴うロス、原材料やエネルギー市況高騰、派遣労務費高騰、日本セグメントでの為替影響に伴う輸入品の原価高等に深刻な影響を受け、また新車立上げに伴うロス、生産が特定ラインに偏ることにより非効率が発生し、251百万円(前連結会計年度は1,427百万円の営業利益)となりました。なお、当第4四半期連結会計期間は、国内工場の生産性向上、原価低減活動の効果等により746百万円の営業利益となり、当第3四半期連結会計期間の営業損失304百万円から改善致しました。
経常損失は、営業損失に加えて為替差損が拡大した影響等により、498百万円(前連結会計年度は1,761百万円の経常利益)となりました。
親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失689百万円を特別損失に計上したこと等により2,310百万円(前連結会計年度は623百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。英国子会社が所有する事業用資産について今後の収益性の低下が想定されるため減損損失を計上したことが主要因です。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
(日本)
売上高(セグメント間売上高を含まない)は、56,325百万円(前連結会計年度比5.4%増)となりました。セグメント利益は、原材料やエネルギー市況高騰、派遣労務費高騰に加えて新車立上げに伴うロス、売上構成に偏りが出ており特定ラインが高負荷となることで非効率が発生していること等により、651百万円(前連結会計年度比69.4%減)となりました。なお、当第4四半期連結会計期間のセグメント利益は、国内工場において工順の最適化や工程不良改善等を実施した効果があったため1,055百万円となり、当第3四半期連結会計期間のセグメント損失131百万円から改善致しました。(アジア)
売上高(セグメント間売上高を含まない)は、お客様の生産台数・販売台数減により、10,600百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。セグメント利益は、売上高減、原材料やエネルギー市況高騰の影響により、745百万円(前連結会計年度比35.1%減)となりました。(北米他)
売上高(セグメント間売上高を含まない)は、生産台数の回復及び円安による為替影響もあり、7,176百万円(前連結会計年度比43.7%増)となりました。セグメント損失は、原材料市況高騰の影響、また英国子会社の構造改革に伴う一時的な費用等により、1,663百万円(前連結会計年度は1,865百万円のセグメント損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は11,838百万円となり、前連結会計年度末比で1,559百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、3,041百万円(前連結会計年度比854百万円増)となりました。主な資金の増加は、減価償却費4,370百万円、仕入債務の増加831百万円であります。主な資金の減少は、税金等調整前当期純損失1,119百万円、法人税等の支払1,124百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、3,634百万円(前連結会計年度比748百万円減)となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出3,442百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により調達した資金は、1,877百万円(前連結会計年度は684百万円の運用)となりました。主な内訳は、長期借入金の返済による支出5,163百万円、長期借入れによる収入6,000百万円、短期借入金の純増加額1,000百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
生産高(百万円)
前年同期比(%)
日本
49,616
108.6
アジア
8,961
109.5
北米他
7,054
119.5
合計
65,632
109.8
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
b.受注実績
確定受注は主に納期直前であり、販売実績と重要な相違は無いため記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
販売高(百万円)
前年同期比(%)
日本
56,325
105.4
アジア
10,600
99.1
北米他
7,176
143.7
合計
74,102
107.2
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額
(百万円)
割合
(%)
金額
(百万円)
割合
(%)
日産自動車㈱
14,812
21.4
14,796
20.0
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当社グループを取り巻く経営環境は、原材料やエネルギー市況高騰、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、為替の急激な変動等、厳しい状況が続いております。
当社グループの属する自動車業界の概況は、半導体供給不足により生産調整がありますが、総生産台数は徐々に回復基調にあります。然しながら原材料やエネルギー市況高騰影響等により、依然として厳しい環境が続いております。
このような情勢の中、当連結会計年度の売上高は、円安による為替影響もあり、74,102百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。
営業損失は、お客様の生産変動に伴うロス、原材料やエネルギー市況高騰、派遣労務費高騰、日本セグメントでの為替影響に伴う輸入品の原価高等に深刻な影響を受け、また新車立上げに伴うロス、生産が特定ラインに偏ることにより非効率が発生し、251百万円(前連結会計年度は1,427百万円の営業利益)となりました。なお、当第4四半期連結会計期間は、国内工場の生産性向上、原価低減活動の効果等により746百万円の営業利益となり、当第3四半期連結会計期間の営業損失304百万円から改善致しました。
経常損失は、営業損失に加えて為替差損が拡大した影響等により、498百万円(前連結会計年度は1,761百万円の経常利益)となりました。
親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失689百万円を特別損失に計上したこと等により2,310百万円(前連結会計年度は623百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。英国子会社が所有する事業用資産について今後の収益性の低下が想定されるため減損損失を計上したことが主要因です。
当社グループにおいて、英国事業の再建は喫緊の課題であり、日本のマザー工場からの集中的な支援により、製品品質の一層の向上、現場の生産効率向上を推進すると共に現地マネジメントが中心となり、大幅な固定費削減に取り組んでおります。
また、中長期的には「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の取組みを推進し、連結営業利益4%、自己資本比率30%、ROE8%を目指します。
b.財政状態
当連結会計年度末における総資産は69,384百万円となり、前連結会計年度末比で2,595百万円の増加となりました。このうち、流動資産は40,156百万円となり前連結会計年度末比で3,153百万円の増加となりました。流動資産の主な増加は、手許資金を多めに確保したことによる現金及び預金の増加1,666百万円、売上増に伴う売掛金の増加608百万円、商品及び製品の増加546百万円であります。また、固定資産は29,227百万円となり前連結会計年度末比で558百万円の減少となりました。固定資産の主な減少は、資産購入の抑制による機械装置及び運搬具(純額)の減少1,003百万円であります。
負債は50,127百万円となり、前連結会計年度末比で4,946百万円の増加となりました。このうち、流動負債は34,837百万円となり前連結会計年度末比で4,260百万円の増加となりました。流動負債の主な増加は、短期借入金の増加1,000百万円、仕入高増加による電子記録債務の増加730百万円、一年内返済予定の長期借入金の増加480百万円であります。固定負債は15,289百万円となり前連結会計年度末比で685百万円の増加となりました。固定負債の主な増加は、長期借入金の増加356百万円、退職給付に係る負債の増加221百万円であります。
純資産は19,257百万円となり、前連結会計年度末比で2,350百万円の減少となりました。純資産の主な増減は、利益剰余金の減少2,310百万円であります。利益剰余金の減少は、親会社株主に帰属する当期純損失2,310百万円によるものであります。
当社グループが重要視している当連結会計年度末における自己資本比率は24.2%となり、前連結会計年度末対比で4.8ポイントの低下となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び投融資資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金に加え、必要に応じた金融機関からの借入実施を基本方針としております。かかる方針に従い、当連結会計年度における運転資金や新規及び更新の設備投資資金は、自己資金及び金融機関からの借入により充当しました。
今後の投融資に係る支出は長期借入金等で賄うこととし、短期運転資金や一過性の要因による資金ニーズがある場合は、臨機応変に短期借入金による調達で対応して参ります。中期的に借入金返済を進め、自己資本比率を向上させることを経営目標の一つとして、財務体質の強化を図って参ります。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼす項目は、以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたって、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しておりますので、今後その見積額が減少した場合は、繰延税金資産を減額し税金費用を計上する可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候のある資産又は資産グループについて、将来キャッシュ・フローを見積り、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。今後この回収可能価額が減少した場合は、減損損失が発生する可能性があります。
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