【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績に関する説明 当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、2023年5月上旬に新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症へ移行した結果、様々な行動制限が解除され、社会経済活動の正常化が進みました。一方、世界的な資源価格の上昇や急激な為替の変動、各地域での地政学リスクの高まりなど、依然として先行きは未だ不透明な状況が続きました。 当社グループが属する医療衛生材料業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、感染管理製品をはじめとした医療消耗品の市場が拡大いたしました。感染管理製品につきましては、感染者数によって製品の需要に多少の増減はあるものの、感染拡大が始まった2020年度と比較するとその需要は大きく減少しております。また、当業界は政府による医療費適正化に向けた取組みの流れの中にあり、衛生材料を含む医療消耗品は引き続き価格競争に晒されております。加えて、原材料価格やエネルギーコストの高騰、円安に起因する輸入品価格の上昇など、厳しい事業環境が続きました。育児用品の業界におきましては、2022年の国内出生数は77万人となり、7年連続で減少するなど引き続きマーケットの縮小に直面しております。 このような状況の下、当社はメディカル事業、コンシューマ事業ともに自社製品の売上高拡大及び利益率の改善を基本方針として取り組んでまいりました。売上高は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、メディカル事業、コンシューマ事業それぞれにおいて、当初想定していた以上に感染管理製品の需要が減少し、減収となりました。利益面では、売上高の減少に加え、原材料価格や光熱費等の上昇、円安による輸入品価格の高騰などにより売上原価が増加し、減益となりました。また、使用期限のある感染管理製品の一部を評価減したことも、減益の要因となりました。 以上の結果、第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は14,604,317千円(前年同期比3.5%減)、営業利益は100,307千円(同64.0%減)、経常利益は218,149千円(同36.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は178,726千円(同17.7%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(メディカル事業) メディカル事業では、感染管理製品や口腔ケア製品、手術関連製品の拡販及び製造受託の拡大に努めました。売上面では、感染管理製品は新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、医療従事者が使用する手指消毒剤や個人用防護具の売上が大きく減少いたしました。口腔ケア製品、手術関連製品では、積極的な販売活動の結果、前年同期比で約7%増加いたしました。また、医療機器等の製造受託においても、継続して受託活動に取り組んだ結果、前年同期比で約9%増加いたしました。売上が拡大した製品もあるものの、感染管理製品の減少をカバーするには至らず、減収となりました。利益面では、物流費やその他経費の削減に取り組みましたが、感染管理製品の販売価格の下落や原材料価格・光熱費等の上昇、円安による輸入製品の仕入価格高騰などにより減益となりました。また、使用期限のある感染管理製品の一部を評価減したことも、セグメント利益を減少させる要因となりました。 以上の結果、売上高は4,091,492千円(前年同期比3.0%減)、セグメント利益は122,911千円(同9.9%減)となりました。
(コンシューマ事業) コンシューマ事業では、一般消費者や企業、各種施設に向けて、衛生材料・医療用品・介護用品・育児用品・安全衛生保護具等を積極的に販売いたしました。売上面では、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、カラーマスクを除く通常のマスクの売上が大きく減少いたしました。カラーマスクにつきましては堅調に推移しており、さらなる販売拡大を図るためにタレントを起用した広告宣伝を実施いたしました。介護用品につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は少なく、積極的な営業活動によりドラッグストア向けの販売が拡大し、前年同期比で約6%売上が増加いたしました。その他、育児用品、口腔ケア製品、各種衛生材料及び医療用品等につきましては、得意先ごとの増減はあるものの、堅調に推移しております。利益面では、物流費の削減に取り組んだものの、自社製品における原材料価格や光熱費等の上昇、円安による輸入製品の仕入価格高騰の影響を受けたことにより、減益となりました。 以上の結果、売上高は10,512,825千円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益は389,098千円(同13.3%減)となりました。
② 財政状態に関する説明当第2四半期連結会計期間末の総資産は19,540,881千円、自己資本は6,826,828千円で、自己資本比率は34.9%(前連結会計年度末は34.1%)となりました。(資産)当第2四半期連結会計期間末の総資産は19,540,881千円となり、前連結会計年度末に対して30,798千円増加いたしました。流動資産は14,413,204千円で、前連結会計年度末に対して190,346千円減少いたしました。「現金及び預金」が379,805千円増加した一方で、「有価証券」が209,679千円減少、「商品及び製品」が271,644千円減少したことが主な要因です。固定資産は5,127,677千円で、前連結会計年度末に対し221,145千円増加いたしました。「有形固定資産」が197,800千円増加したことが主な要因です。(負債)当第2四半期連結会計期間末の負債は12,023,844千円となり、前連結会計年度末に対して178,523千円減少いたしました。流動負債は8,389,050千円で、前連結会計年度末に対して393,865千円減少いたしました。「関係会社短期借入金」が130,009千円増加した一方で、「1年内返済予定の長期借入金」が509,707千円減少したことが主な要因です。固定負債は3,634,794千円で、前連結会計年度末に対して215,341千円増加いたしました。「役員退職慰労引当金」が186,922千円減少した一方で、「長期借入金」が401,908千円増加したことが主な要因です。(純資産)当第2四半期連結会計期間末の純資産は7,517,037千円となり、前連結会計年度末に対して209,322千円増加いたしました。「利益剰余金」が85,998千円増加、「為替換算調整勘定」が65,418千円増加したことが主な要因です。(2)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、1,622,918千円(前年同期末は865,540千円)となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは338,558千円(前年同期は61,954千円の資金の獲得)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益が288,731千円、減価償却費が122,825千円、棚卸資産の減少額が268,886千円であったものの、役員退職慰労引当金の減少額が186,922千円、法人税等の支払額が181,730千円であったことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは△205,478千円(前年同期は122,261千円の資金の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出が190,261千円あったことが主な要因です。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは3,581千円(前年同期は222,747千円の資金の使用)となりました。これは短期借入金の純増額が205,009千円、長期借入による収入が640,000千円あった一方で、長期借入金の返済による支出が747,798千円、配当金の支払額が92,885千円あったことが主な要因です。(3)経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。(4)事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は30,907千円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。