【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限が緩和され、景気の持ち直しの傾向があるものの、ドルに対する急激な円安の影響等により、本格的な景気回復には道半ばのまま推移いたしました。また、欧州での紛争に端を発する燃料価格・穀物価格の上昇といった世界的な経済問題や東アジアの地政学的リスク等、社会や経済環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社が主にサービス提供を行っているゲーム業界においては、国内家庭用ゲームのハード・ソフト市場ともに市場規模は拡大している状況にあり、ハードは2,097.8億円で前年対比103.4%、ソフトは1,650.4億円で前年対比104.1%、ハード・ソフト合計では3,748.2億円と前年対比103.7%(出典:ファミ通ゲームソフト・ハード売上ランキング 2022年年報)となっております。一方で、2022年の世界のモバイルゲーム市場規模は8兆9,146億円で前年比97.2%、その中でも日本の市場規模は1兆2,129億円で前年比92.9%と若干縮小傾向となっております(出典:ファミ通モバイルゲーム白書2023)。モバイルゲーム市場規模は若干減少傾向にあるものの、ゲーム市場は概ね安定的に推移しており、ゲーム会社各社の業績は堅調に推移しております。
このような環境の中、当社グループでは、人材事業については、主力のゲーム会社向け派遣事業において配属者数を拡大するため、引き続き新規取引先の開拓に加え、既存取引先の部署別・タイトル別開拓を行うことにより、派遣事業の業績は堅調に推移しました。また、2022年12月1日に大阪支店を開設し関西エリアのゲーム・エンタメ会社へのサービス提供を開始、2023年3月15日には、九州地区のゲーム・エンタメ会社、並びにデジタルマーケティング領域への対応強化を視野にいれ、本格的にサービス提供を開始すべく福岡支店の開設を行いました。メディア事業については、当連結会計年度においてページビュー数当たりの単価に大きな変化がなかったものの、ページビュー数は減少傾向にあり、アドネットワーク収入による売上高は減少しております。アドネットワーク事業による売上高の減少を補うべく、SNSの運用代行やゲーム会社向けのプロモーション支援サービスの案件数の増加に努めております。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、ゲーム会社向けの人材派遣の配属者数が増加したことから、売上高は5,197,888千円(前期比17.5%増)、営業利益933,313千円(前期比25.2%増)、経常利益927,349千円(前期比25.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益617,889千円(前期比16.4%増)となり、全ての項目において、過去最高の業績となりました。
各報告セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<人材事業>
人材事業においては、主力のゲーム会社向け派遣事業に加え、ゲーム会社向け及びIT・Web業界向け人材紹介事
業並びにゲーム会社を中心とした顧客からの受託業務を展開しております。
人材派遣事業においては、新型コロナウイルス感染症の行動制限が緩和され、景気の持ち直しの傾向にある中で、ゲーム会社のクリエイター需要は継続しており、新規取引先の開拓に加え、既存取引先の部署別・タイトル別開拓を行うことにより、受注案件数を拡大しております。クリエイターの採用市場においては、採用媒体の選定や採用広告の出稿配分を最適化することにより、ゲーム会社からの需要に応えられるクリエイターを採用することが出来ております。また、採用媒体からの採用に加えて、自社の求人メディアを開設することにより求職者の応募チャネルの増加を図っております。その結果、配属者数は前連結会計年度末から順調に増加しており、クリエイターの稼働率は高い水準で推移しております。派遣先企業へのクリエイター配属数は以下の通りとなります。
2020年3月末
2021年3月末
2022年3月末
2023年3月末
クリエイター配属数
494名
620名
740名
813名
人材紹介事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大による巣籠もり需要によって、ゲーム業界の人材需要は高まっており求人数は増加傾向にあります。しかしながら、我が国経済の先行きが不透明である状況は継続しており、求職者の転職動向が積極姿勢に転じるまでは及ばない状況となっていること、また、ゲーム業界における転職市場では、新型コロナの情勢がひと段落した状況においても就業状況はリモートワーク中心となっているため、オンラインでのコミュニケーションによる就業が可能な人材を求める傾向にあることから、当社がターゲットとしている求人企業が求める求職者に対する要求は依然高いままとなっております。一方、Web3.0やメタバース領域における人材求人は増加傾向にあり、これらの新たな領域に対する求職者の就業ニーズは徐々に高まってきております。これらを背景に、足元の紹介事業における成約数の実績は伸び悩んでいる状況にあるものの、先行指標となる求人数や求職者数は増加傾向となっております。これらの対策として、人材派遣事業との連携によるゲーム会社の求人企業チャネルや案件増加に継続して努めるとともに、Web3.0やメタバースなどの新たな領域における求人企業の開拓を行っております。また、各種の求人サイトを開設することによる求職者の募集強化を行い、求職者と求人案件のマッチング精度の向上を図ることによって、紹介事業における成約数の増加に取り組んでおります。
受託事業においては、主にゲームタイトルのデバッグ業務を受託しております。ゲームタイトルのデバッグ業務は守秘性が高いことから、2020年4月に新宿区に専用オフィスを立ち上げ業容拡大の準備を整えるとともに、営業・管理体制の強化を図りました。現在稼働中の案件は安定的に推移しており、人材派遣事業との連携を図り、新規案件のリード獲得数増加に努めております。また、2023年3月27日より今後の受注案件増加および事業規模拡大に対応するため、新たなスタジオへ移転・増床を行っております。
この結果、当セグメントの売上高は5,138,917千円(前期比18.0%増)、セグメント利益は1,433,998千円(前期比23.0%増)となりました
<メディア事業>
メディア事業において、当社グループが運営する女性向けメディア「Lovely」は、ページビュー数当たりの単価に大きな変化がなかったものの、ページビュー数は減少傾向にあり、アドネットワーク広告による売上高が低迷しております。現在は、ゲーム業界のチャネルを活かしたゲームタイトルのプロモーション受託案件、SNSの運用代行や広告運用受託案件に注力することにより、売上拡大を図っております。
この結果、当セグメントの売上高は77,333千円(前期比0.2%増)、セグメント利益18,617千円(前期比37.7%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,662,015千円となり、前連結会計年度末に比べ393,752千円増加しました。これは主に現金及び預金が322,692千円、売掛金が57,537千円増加したことによるものであります。固定資産は230,305千円となり、前連結会計年度末に比べ61,008千円増加しました。これは主に、建物(純額)の増加28,221千円、工具、器具及び備品(純額)の増加16,969千円、ソフトウエアの増加5,403千円、投資有価証券の増加20,900千円、差入保証金の減少18,626千円、繰延税金資産の増加7,475千円によるものであります。この結果、総資産は、2,892,320千円となり、前連結会計年度末に比べて454,760千円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度に比べて86,574千円増加し、868,726千円となりました。これは主に、借入金の減少90,000千円、未払金の増加39,173千円、未払費用の増加24,413千円、未払法人税等の増加97,539千円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて368,186千円増加し、2,023,594千円となりました。これは主に資本金の増加10,650千円、資本剰余金の増加10,650千円、利益剰余金の増加342,957千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の67.6%から69.6%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて322,692千円増加し、2,047,536千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、748,458千円(前期比62.1%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益910,701千円、法人税等の支払額205,510千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、82,049千円(前期比26.5%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出63,987千円、差入保証金の差入による支出15,462千円、差入保証金の回収による収入38,742千円、投資有価証券の取得による支出20,900千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、343,716千円(前年同期は、387,811千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出90,000千円、新株予約権行使による株式の発行による収入21,300千円、配当金の支払額274,932千円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
最近2連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
セグメントの名称
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
人材事業
4,347,840
5,120,555
117.8
メディア事業
77,165
77,333
100.2
合計
4,425,005
5,197,888
117.5
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
株式会社Cygames
405,065
9.2
571,133
11.0
株式会社バンダイナムコスタジオ
476,054
10.8
552,477
10.6
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。
経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。
②経営成績の状況に関する分析・検討内容
(目標とする経営指標の達成状況)
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載の経営指標の達成状況は以下のとおりです。
当連結会計年度におきましては、連結及び人材事業における経営指標である売上総利益率30%の維持を達成しております。これは、主力の人材派遣事業において、採用部門が求職者を、営業部門が求人数を最大化して相互に連携することで短期間のうちにクリエイターのレベルに応じた配属先を選定し、クライアントに対する請求単価を維持することが出来る社内体制を構築したことにより、現在の収益性の高さを維持することが出来ていると評価しております。
<連結>
2022年3月期
2023年3月期
売上高(千円)
4,425,005
5,197,888
売上高の増加率(%)
24.0
17.5
売上総利益(千円)
1,528,528
1,841,316
売上総利益率(%)
34.5
35.4
営業利益(千円)
745,482
933,313
営業利益の増加率(%)
23.3
25.2
営業利益率(%)
16.8
18.0
<人材事業>
2022年3月期
2023年3月期
売上高(千円)
4,353,911
5,138,917
売上高の増加率(%)
24.5
18.0
売上総利益(千円)
1,481,882
1,801,523
売上総利益率(%)
34.0
35.1
セグメント利益
1,166,027
1,433,998
配属社員数(人)
740
813
稼働率(%)
99.7
99.5
<メディア事業>
2022年3月期
2023年3月期
売上高(千円)
77,165
77,333
売上高の増減率(%)
6.6
0.2
売上総利益(千円)
46,646
39,793
売上総利益率(%)
60.4
51.5
セグメント利益
13,525
18,617
(売上高)
当連結会計年度における売上高は5,197,888千円(前年同期比17.5%増)となり、前連結会計年度と比べて772,882千円増加いたしました。これは、配属社員数が740人から813人に増加したことが主な要因となります。配属社員数増加の要因は、主に取引先社数が121社から135社に増加したこと及び既存顧客の配属社員数が増加したことによるものであり、新規取引先の開拓に加え、既存取引先の部署別・タイトル別開拓を行うことにより、受注案件数を拡大したことの結果であります。
セグメント別の変動要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は3,356,572千円(前年同期比15.9%増)となり、前連結会計年度と比べて460,094千円増加いたしました。これは、配属社員数が740人から813人に増加したことが主な要因となります。
この結果、売上総利益は312,788千円増加し、1,841,316千円(前年同期比20.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は908,003千円(前年同期比16.0%増)となり、前連結会計年度と比べて124,956千円増加いたしました。これは、本社スタッフの増員による給与手当の増加44,415千円、クリエイター採用に伴う求人媒体費や認知向上を目的とした広告宣伝費の増加23,571千円、外部業者への支払手数料の増加15,391千円等が主な要因であります。当該販売費および一般管理費について、成長に必要となる支出であり、売上高の増加と併せて適切に管理を行った結果、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は17.5%と、前連結会計年度と同水準となっております。
この結果、営業利益は187,831千円増加し、933,313千円(前年同期比25.2%増)となりました。
(営業外損益・経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は139千円(前年同期は14千円)となり、前連結会計年度と比べて125千円増加いたしました。これは主に、受取家賃122千円が発生していることによるものです。
当連結会計年度における営業外費用は6,103千円(前年同期比20.6%減)となり、前連結会計年度と比べて1,584千円減少いたしました。これは前連結会計年度において、株式交付費6,008千円が発生していることに対し、当連結会計年度において、支払手数料5,000千円が発生していることによるものです。
この結果、経常利益は189,540千円増加し、927,349千円(前年同期比25.7%増)となりました。
(特別損益・税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は759千円となり、これは新たに新株予約権戻入益759千円が発生していることによるものです。
当連結会計年度における特別損失は17,407千円(前年同期は4,734千円)となり、前連結会計年度と比べて12,673千円増加いたしました。これは主に当連結会計年度において、本社やQAスタジオの移転に係る事務所移転関連費用14,481千円が生じていることによるものであります。
この結果、税金等調整前当期純利益は177,626千円増加し、910,701千円(前年同期比24.2%増)となりました。
(法人税等(法人税等調整額を含む)・親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等(法人税等調整額を含む)は292,811千円(前年同期比44.9%増)となり、前連結会計年度と比べて90,710千円増加いたしました。これは主に業容拡大に伴う課税所得の増加により、前連結会計年度と比べて法人税、住民税及び事業税が91,023千円増加したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は86,916千円増加し、617,889千円(前年同期比16.4%増)となりました。
③財政状態の分析
財政状態の状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
④キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(3)資本の財源及び資金の流動性
①資金需要
当社グループの主な資金需要は、人件費(給与手当、賞与、法定福利費等)の支払、人材を募集するために利用する採用広告費、法人税及び配当金の支払いであります。また、一時的な資金需要として、情報システム投資や新規事業に係る設備投資、自己株式の取得、M&A等を想定しております。
②財務政策
当社グループは、事業の運転資金や新規事業に係る資金需要については自己資金による充当を基本としております。事業規模の急激な変動等に伴い運転資金が追加的に必要となる場合やM&Aを含む新規事業に係る資金需要が生じた場合には、財務健全性を考慮しながら当面は銀行借入により調達する方針であります。なお、当社の成長に必要な人材採用関連投資や設備投資に加え、M&Aを含む新規事業への投資は引き続き行っていく予定でございますが、手元資金に余剰感があり、株主の期待収益率を上回る投資が見つからない場合には、配当や自己株式の取得により株主への還元を行っていく予定であります。
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